紙の本
超記憶症候群同士の犯人とエイモス・デッカーとの能力戦のような追跡劇も面白い。
2020/02/26 07:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
追う側が実は追われていたという設定が凄い。主役:エイモス・デッカーの妻子が惨殺され、1年少し後にマンスフィールド高校での乱射事件と続くが、その関連性が見えず初めは戸惑う。しかし、犯人の最終標的が主役:エイモス・デッカーらしいと判った中盤以降は展開もスムーズになり、謎解きの醍醐味を十二分に楽しめます。超記憶症候群同士の犯人とエイモス・デッカーとの能力戦のような追跡劇も面白い。敢えて弱点を指摘するなら、犯人:ベリンダの動機がちょっと的外れの気がすることと、受けた仕打ちを勘案すると復讐したくなるのもやむを得ないと同情的になること。むしろそうような人間を探し出して、犯行をそそのかして高みの見物をして楽しむ共犯者:レオポルド(個人的にはこいつが一番憎たらしい)の方に強い憎しみを感じる。しかも、20名に近い犠牲者が出るのだが、死ぬべきして死んだ人間は数名というのもかなり悲しい。とは言え十分に楽しめる犯罪ものでした。
投稿元:
レビューを見る
201701/上下巻まとめて。一気読み!主人公も周囲のキャラも個性あっていい。多少強引な展開もあるけど、台詞も味があって、犯人や結末のせつなさも面白かった。続編を期待したい。(イーストウッド主演で映画化された「目撃」の著者だった、そりゃ面白いはずだ。)
投稿元:
レビューを見る
後半になっても話のテンションは落ちず、手掛かりを追うたびに新しい謎、新しい事件が起きていき、それがラストまで続き一気読みできる。
ただ、ラストぎりぎりまで、なぜ”主人公が狙われる”という動機を引っ張るのだけど、その割にはあまりにもそこが弱いのが残念。まあ、狂った人の思い込み、と言えばそれまでだが…。この落としどころがもうすこしスッキリしていれば文句なし。
犯人が死んで終わり、というのはお決まりのパターンながらなかなか文章が上手く楽しく読めたし、訳も丁寧でしっかりしていて安心して読めたのも良かった。
これは是非続編も訳出してほしい。
投稿元:
レビューを見る
最後まで面白かったが、最後がちょっとあっけない。殺人の動機なども少し弱い印象。そこまでが面白かった分残念。訳者あとがきによると次作があるとのこと。期待。
投稿元:
レビューを見る
ニューヨーク・タイムズベストセラー1位。と言う事で読んでみた。久しぶりの海外版のミステリー。しかしなかなか面白かった。展開も早く、主人公のエイモス・デッカーのキャラが面白い。謎が謎を生むストリー。最後の犯人への流れも素晴らしい。日本の作品との違いは、犯人の一人が、途中まで全く登場しない事。この辺の展開は久しぶりかな?
しかし更に惜しいと感じたのは、デッカーの妻や娘が殺された理由が、おそらく大半の方には理解できない事だろう。本当に殺されるべきは4人だったのに、それ以外の理由なき殺人が行われた事が、理解不能だ。FBI捜査官のノーラ・ラファティはなぜ殺されたのだろうか?その殺された方も含めて余り筋は通っていない。
投稿元:
レビューを見る
ストーリィ的には冒頭から提起される「犯人が主人公をターゲットにする理由」が自分的には納得感のあるものでミステリ的に面白かったです。でも完全記憶という特性があまり捜査や推理に発揮されてないと思いました。別に完全記憶じゃなくてもよかったかなと。
投稿元:
レビューを見る
見たもの聞いたものすべてを記憶してしまう能力を身につけた元刑事エイモス・デッカー。過去の妻子殺し,そして今回の銃乱射事件の犯人は,デッカーにメッセージを残しつつ殺人を犯し続けていく。真の標的は他ならぬデッカー自身なのだ。完全な記憶を持つはずなのに,恨まれた理由はなぜわからないのか。デッカーは犯人に辿りつくことができるのか。
同時代の海外ミステリはあまり読みませんが,2015年のこの作品,なかなか面白いですよ。文庫上下巻で670ページにおよぶ大作ですが,一気に読みました。
投稿元:
レビューを見る
「完全記憶探偵」
忘れることのできない、あらゆる記憶を思うままに思い出せる完全記憶能力と共感覚を持つ元刑事の探偵。愛する妻子を惨殺された事件と高校で起きた銃乱射事件とのつながりが判明し、彼はその能力を使い真実を追い求めていく。
探偵ものというよりは刑事ものに近いかな。推理ではなく捜査。
完全記憶能力なんて凄い能力だけど、思い出したくない、忘れてしまいたい記憶も鮮明に思い出せてしまうなんて、終わらない地獄を抱えて生きていかなければいけないんだね。
続編では彼の悲しみと絶望が、ほんの少しでも和らぐといいな。