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戦国時代からの、戦乱時の食事を彷彿と思い出させる、
質素な料理は、普段の殿様の食卓に。
室町時代からの、饗応料理はおもてなしの豪華さ。
江戸時代の将軍家や大名の殿様たちの食生活を詳細に解説。
第一章 食材にもランクがある
一 粗食だった江戸のお殿様
二 偉い人の気まぐれで獣肉は闇の中
三 食べ物のランク
第二章 基本は将軍家
一 将軍の食卓 二 仕入れ先 三 大名の献立
四 我が道を行く殿様たち 五 郷土食を楽しむ
六 殿様の愛した名物
第三章 饗応料理が和食の形式をつくった
一 饗応料理 二 京料理
参考文献有り。
遥か昔の食から始まり、宗教と肉食の関係、「美物」と「粗物」、
政や行事での食材の序列など、基本的な食の知識が紹介される。
続いて将軍家の日常の食事。
戦国時代の戦いの合間での食は、平穏を迎えた江戸時代でも
受け継がれ、日常は食事も食類も質素。
将軍、御台所の食事、御膳所の役人について。
料理が出来てから御膳に運ばれるまでの手続きの多いこと。
食材仕入れの問屋、献上品、行事の食べ物、台所役人の役得等の
知識が並び、将軍の食や酒でのエピソードへ。
続いて大名家の殿様の食卓の様子。
大名家の献立は将軍家を手本とした質素なもの。
だが、水戸徳川家の光圀や斉昭、島津家の重豪や
隠居した柳沢信鴻など、食いしん坊の殿様もいる。
おかげで郷土料理が誕生した地域もある。
最後に饗応料理について。その意義と作法。
武将の実施した接待での本膳料理の内容。
おもてなしのハレの料理、その中心が京都にあった理由。
お殿様の食事のエピソードで綴るのかと思ったら、
かなり深く食に関する知識が満載で楽しめました。
それでも多くの史料や文献からの料理の記録は面白い。
肉食嗜好のお殿様、結構いたのですね~。
残念なのは、江戸時代の本当のおもてなしの料理、
旅先での料理や家庭でのおばんさいとは異なる
京料理の記述が少なかったことです。