紙の本
初夏に読むクリスマスの話にも趣
2017/06/28 18:03
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
発売と同時に入手したものの、積読の下積みとなっていたせいで、初夏というより、ほぼ夏の読了となってしまった。しかし、冬に飲む“たんぽぽのお酒”と同じで、この時期に読むクリスマスの話にも趣がある……と。
稲荷の神様の物語ではあるが、クリスマスもサンタクロースも何の違和感もなく物語の一要素として取り込んでしまえるところに、本シリーズの魅力がある。風早の街により魅せられるのも、住人希望者が目白押しであろうことも、誰しも納得するのでは。
今巻では、「神様のいない家」が今迄の作品と趣を変えており、特に楽しめた。老少女漫画家のキャラクターも良いし、「ねここ」のキャラがより明確になってきているのも良い。ねここの「でもね、心配されるのは心地よいことだわ。とても、気持ちがいい」~この言葉に、この作品のテーマも、そしてひいてはシリーズ全体を貫く著者の思いが凝縮している気がした。
紙の本
コンビニたそがれ堂 祝福の庭
2017/02/14 14:16
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投稿者:一六子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭に必ず書かれている コンビニたそがれ堂の言い伝え
それは ずっと 一巻から続いている言葉の綴りであり 困難な人生に 夢と希望を与えてくれます
人生は どの人にとっても 多かれ少なかれ困難な物と思います
が 早紀さんの人を思いやる気持ちが言葉を紡ぎ その紡がれた言葉が私を温めてくれます
今回は クリスマスの話が三篇
たそがれ堂の店長さんにガラスの靴をもらったつむぎ 元気一杯のこずえ サンタさんに会えた秀一と圭介
どの話も素敵でした
苦労したけれど その苦労に囚われて卑屈になる人と
苦労したことで 人のことを思いやり 心の花を咲かせる人
早紀さんの紡ぎだす人は後者の人
花を開くお手伝いをする人が たそがれ堂の店長さんと前作の「神無月のころ」に登場したねここさん
店長さんも素敵なんだけど ねここさんも又素敵
ねここさんの人柄?猫柄?語り口調もいいですよね それに ねここさんの着物の柄が動き出す… それは 人生を楽しみなさいよ と ねここさんが言っているようで 嬉しくなりました
紙の本
ほっこり
2017/01/20 09:13
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投稿者:somuko - この投稿者のレビュー一覧を見る
心が暖かくなる
紙の本
『コンビニたそがれ堂 祝福の庭』
2016/12/23 21:00
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
そのコンビニには
この世で売っている すべてのものが
並んでいて
そうして
この世には売っていないはずのものまでが
なんでもそろっている というのです
大事な探しものがあるひとは
必ず ここで見つけられると
いうのです
店の名前は たそがれ堂
不思議な 魔法の コンビニです
風早の街にある不思議なコンビニを舞台にした連作短編集
シリーズ第6作のお客さまは...
夢をあきらめ洋品店ではたらくつむぎ
母のために老いた人気漫画家をたずねた小学生のこずえ
芸人になりたいという夢を追いつづける秀一と圭介
どこまでもやさしくどこまでもあたたかい物語をクリスマスに
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大事にゆっくり読むはずが、やっぱりあっという間に読み終わってしまった。
だって、あの世界に触れたら、離れがたくて止まらなくなる。
ましてや今回は、1冊丸ごとクリスマス!
甘酒のシーンがどこにあるのか、わくわくしちゃった(笑)
おでんと稲荷ずし、食べた~い。
今回は、店長さんも帰ってきてねここちゃんと一緒にお店に立ってた♪
こずえちゃんの冒険に、子どもの頃、いつもの行動範囲を出たところに行く、それも大人抜きのわくわくする冒険の気分を思いだした。
こずえちゃんがあんまり元気だから、その冒険の理由にびっくり。いい子だー。
サンタさんを手伝いたいとか、おもてなししたいなんて願う少年たちも素敵。
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『コンビニたそがれ堂』の六巻目。
三話とも、クリスマスにまつわるお話です。
一話目の『ガラスの靴』。
タイトル通り、絵本の『シンデレラ』が好きだった女の子と、シンデレラのようになった女の子のお話。
夢を叶える幸せもあるけれど、子供の頃の一番の夢を叶えられなくても、自分にとっての幸せのありように気付けるのも幸せなんだなぁ。
つむぎちゃんが、とてもやさしくて可愛い!
二話目の『神様のいない家』。
かつて、超売れっ子漫画家だった女性が、今ではひっそりと独りで住んでいるお屋敷。
そこに、入院中の母へのサプライズプレゼントにと、サインを貰いに訪れる、元気いっぱいで冒険好きの女の子、こずえ。
先生が自宅の庭でトラブルに巻き込まれているのを助ける為、あるものを買いに行ったこずえは、閉店時間ぎりぎりの、コンビニたそがれ堂に辿り着きます。
そこで店番をしていたのは、ねここ!
先生とこずえの二人の為に、ねここが素敵な魔法を使ってくれます。
三話目の『祝福の庭』。
芸人を目指す、幼馴染の秀一と圭介は、クリスマスイブの前日、記憶を失くした外国人のおじいさんを助けます。
どことなくサンタクロースっぽいそのおじいさんは、記憶を取り戻しかけ、寒い夜に外へ飛び出してしまいました。
おじいさんを探しに後を追う二人は、店長さんとねここがいるコンビニたそがれ堂に入ります。
コンビニたそがれ堂で、素敵なある物を買った二人は、やはり最強の相棒でした。
二人とも、自分が幸せになるというよりも、誰かが幸せになるのを見たいというのが、自分の幸せで。
でも、サンタクロースへのお願いは微妙に違って、それがきちんとかみ合っていて。
三話とも、サンタクロースを待たなくても、自分が誰かの為にサンタクロースになれる人たちで、それが幸せで。
みんながそうやって、お互いに幸せを贈り合えたらなぁ。
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ガラスの靴/神様のいない家/祝福の庭
つむぎとミヨコ、こずえと由利原せんせ、秀一と圭介。
きっと周りの人たちも優しい。どんなに辛い時があっても自分の中にある優しいものは無くならなくて、いつか誰かの優しいものに触れるとふうわりとその身に広がって幸せにしてくれる。そしてまた誰かに優しく触れて行けると信じていられる。ありがとう
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クリスマスの本ということなので、予定を繰り上げて
なんとかクリスマス前に読み終えて良かった…!
いずれも心がホッとなるような魔法が3つ
どの子も強く現実的で、ともすれば大人の視点のような、スッパリ距離感を保っているようではあるけど、だからといって優しさを忘れてはいなくて
誰かを想う強い気持ちが清々しかった
こずえちゃんのさぱさぱした性格は可愛くて好き
自分も大人になったけれど、
でも今でもクリスマスにプレゼントをくれる素敵なサンタさんが何人もいるから
そういう愛で満ちたらいいなと
ぼんやり思ったのでした
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クリスマスまでに読めたぞーー!!(笑)
もう涙なしでは読めない。年を取ったものだ、感情移入するのは(大概)年配のかたの方だなんて。
サンタを信じてなかった彼女がサンタになっていた話も涙。
ねここさんが出ていた話も涙。
優しい二人の青年の話も、じわっと涙が。
作者様のあとがきに納得。
ヤバイな~もうお腹一杯だよ。大変満足して読了。
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【あらすじ】
本当にほしいものがあるひとだけがたどりつける、不思議なコンビニたそがれ堂。北国の高校を卒業し、いまは街角の洋品店で働くつむぎが、たそがれ堂で手にしたものは―。かつて諦めてしまった夢の続きを描いた「ガラスの靴」、老いた人気漫画家と少女の交流がユーモラスな「神様のいない家」、サンタクロースに手紙を書いた少年たちの物語「祝福の庭」。すべてを突き抜けてあふれだす魔法のようなきらめきと温もり、大人気シリーズ第六弾!
【感想】
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人の優しさがつくる奇跡の話。特に3篇目「祝福の庭」は村山先生には珍しく青年同士の物語。小学校時代からの親友でも、半分大人になった二人は、一人は裕福な家と愛情溢れる家庭、頭脳に加えて整った容貌を持っていて、もう一人は貧しい家庭、住むところもないような有様、持っているのは自分だけ。そんな秀一は、やさしい親友を、今まで持ってきた自分たちの夢に殉じさせていいのか、もっと光溢れる未来があるんじゃないのか、自分の存在が親友の足を引っ張ってるんじゃないのか悩んでいて、それはとても痛いけど自分が引くことを考えてる。そこにサンタとたそがれ堂が現れて、もともとの自分の想いと向き合わせてくれる素敵な話。
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いつもほっこりするシリーズ。今回も面白かったです。一冊まるっとクリスマスでした。コンビニたそがれ堂、店長さんとねここさんが二人並んでレジにいて、なんだか良かったです。狐の神様のお店でもクリスマスするんだな、と思いましたが、そういえばハロウィンもしてた。コンビニに訪れる人が幸せになってくれたら、元気になってくれたらいいな、みたいな風早三郎さんの思いがうかがえて好きです。寒くなったので、コンビニたそがれ堂のおでんとコーヒーがますます美味しそうで、訪れてみたいです。暖かい気持ちになりました。
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本当にほしいものがあるひとだけがたどりつける、不思議なコンビニたそがれ堂。北国の高校を卒業し、いまは街角の洋品店で働くつむぎが、たそがれ堂で手にしたものは―。かつて諦めてしまった夢の続きを描いた「ガラスの靴」、老いた人気漫画家と少女の交流がユーモラスな「神様のいない家」、サンタクロースに手紙を書いた少年たちの物語「祝福の庭」。すべてを突き抜けてあふれだす魔法のようなきらめきと温もり、大人気シリーズ第六弾!
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クリスマスのお話3篇。
それぞれにいろんな思いのあるクリスマス。
変わらず、あったかいです。
「コンビニたそがれ堂」も6作目、健在で安心安心。
クリスマスの意味も宗教も壁も乗り越える
「コンビニたそがれ堂」
いやはや、風早、お見事で。
仲でも「ガラスの靴」がお気に入り。
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風早の街にある不思議なコンビニたそがれ堂を舞台にした連作短編集シリーズ第6作。
クリスマスのおはなしだったのに年明けてしまった。優しく心に響くおはなし揃いです。