ジャーナリストしても活躍される中原清一郎氏の感動長編エンタメ小説です!
2020/06/13 10:31
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『北帰行』で文藝賞を受賞され、また「外岡秀俊」の名でジャーナリストとしても活躍されている中原清一郎氏の非常に興味深い作品です。同書は、脳間海馬移植という近未来の、それが現実に可能なった場合に起こるであろう様々な葛藤をテーマにしたシリアスでドラマチックなエンターテインメント小説です。末期ガンで余命一年を宣告された58歳の寒河江北斗と記憶を失う病に冒された幼い子を持つ32歳の氷坂歌音が登場します。男は延命のため、女は子供のために「脳間海馬移植」によって互いの肉体に入れ替わるのですが、一体、どうなるのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
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あらすじも、出版社も、そして本自体の雰囲気も文学的な感じがしたが、案外とエンタメ性に富んだ、具体的な作品だった。
脳や意識を入れ換えるフィクションは多いが、こんなにリアリティがあり、そして入れ替わることの意味に深く突っ込んだ作品ははじめて読んだ。
葛藤がいい。非常に特殊な、フィクションならでわの設定下にも関わらず、どこか普遍的でありふれた挫折と成功を読んでいる気になれた。これはいい意味で。
ミステリでない作品を衝動買いし、しかも深く味わったのは久しぶり。
4
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読み始めから最後まで違和感。
母親が希望したことはある程度理解しようと思えば理解できるような気もするが、もう一方が、なぜ希望したのか何をしたくて希望したのか、全く理解できない。このための違和感、異様感。
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視点がころころ切り替わるのがとても気になる。
ちょっと読みにくい。
説明が難しくて若干ななめ読みしてしまったところもあったけど、意外と重要だったのでこれから読む方は注意。
終盤の流れがよかった。
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手術前後の過程や運用ルールを細かく決めている割には、その設定に多くの無理がある。手術の事を表に出せないのなら、元職場へは記憶喪失者として復帰させるべきだし、むしろ最初から別職場に復帰させた方が良い。読んでいてそういう矛盾が気になるのは、本筋の出来がさほど良くないからだと思います。
読み始めてすぐに思い出したのは安部公房の『他人の顔』です。この作品で安部公房は主人公に精巧に作られた他人の顔の「仮面」をつけさせることにより、顔と自我や他人や社会との関係を濃密に描きました。そこにも無理な設定は有ったはずですが、本筋の面白さに圧倒されて少々の無理は気にならないのです。
本作は「海馬移植」という設定ですから、記憶と人格の関係が描かれることを期待します。著者が考える人格はこんなもので、記憶を差し替えても元人格は残る。科学的に正しく無くても良いのです。それを深く緻密に(哲学的に?)描き込んでいけば面白く、少々の設定の矛盾など気にならないと思うのです。
沢山の高評価がついた作品です。私がいきなり『他人の顔』が頭に浮べハードルを上げてしまったのでしょうね。最初からエンタメとして読めばまた違った感想になったのかもしれません。
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1/3まで読んで、異常な設定への登場人物たちの対応の仕方への違和感や、男女の描き方が嫌なステレオタイプに感じられ、ここで止めることにした。もしかしたら面白くなるかもだけど、私の時間をこの本には渡せないと判断。ごめんね。 未読のまま完了
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図書館に予約をしていたら、2021/12/23に68歳で亡くなったとの記事を読みました!
定年間近の末期がんの男性と4歳の子供がいる若い女性が脳の海馬を交換してその後の人生を生きる!可能?不思議に思いましたが、記憶は海馬だけでなく、体中のどこかにあり、心は何処に?