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【没後二十年記念特別出版第一弾】十二枚の浮世絵に触発されて生まれた十二の掌編。雑誌連載時に掲載された主題の浮世絵をオールカラーで一挙収録。永久保存の一冊。
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一枚の浮世絵と、そこから主題を得たごく短い小説12編からなる一冊。
多少物足りなく感じるところもあるが、切り取られた話の前後を考えながら、読んだ後の余韻が続く本だった。
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月刊「文藝春秋」昭和56年3月号から1年間にわたり連載された「江戸おんな絵姿十二景」を、主題となった浮世絵カラー絵を全点収録して刊行。
編集者が選んだ2、3枚の絵のなかから、藤沢さんが1点を選び、想像力を駆使して季節に対応した掌編を執筆。
登場する浮世絵は鈴木春信「雪中縁端美人」、鳥居清長「女湯」、喜多川歌麿「傘さす男女」、歌川国貞「集女八景 洞庭秋月」など、バラエティに富んだ12点。
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初出は1981〜82年の「文藝春秋」
亡くなる前年の1996年に『日暮れ竹河岸』をして単行本化
没後20年記念出版
久しぶりに時代小説好きの原点となった藤沢周平さんの作品を読んだ。
著者あとがきによれば、1月から12月のあらすじを作って、編集者に浮世絵を選んでもらってから短編を書き上げたとのこと。
浮世絵は初めて見るものばかりで、印象的なものが多く、作品を相当引っ張っている感じがする。
8話目の「十三夜」(化粧の絵)
木更津に仕事に行った大工の夫が予定を過ぎても帰らず、心配して待つ妊娠中のお才が、隣の鍛冶屋の女房の悪意に気づき、気分を変えようともろ肌脱ぎになって化粧をしていると夫が帰って来る。
「お才は胸の中の黒い蟠りがいつの間にか消え、何でもない日常の暮らしが戻ってきたのを感じた。そろそろ子供のことを打ち明けなきゃ、と思った。活け終えたすすきの穂が、月の光を浴びて、まぶしく光るのに見とれた。」
こういう幸せの表現がいいんだなあ。
最後の文の読点の使い方が絶妙。
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さすが、、、。
藤沢周平が、浮世絵の12枚からインスピレーションを得て
短編12話を書き下ろしました。
全ての登場人物に、暖かい眼差しを注ぐ藤沢周平。
この短編集も、短い文章には、余韻の残る
細やかな情が、まるで川面に翻弄される笹舟のように
言葉や仕草で表され、読み終えたすぐそばから
水琴窟の音のように心に染み入る。
1話が本当に短いので、あっという間に読み終える。
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鈴木春信、喜多川歌麿、歌川国貞、月岡芳年など、
12枚の浮世絵から描いた掌編。
さすがとしか、言いようがない。
「おぼろ月」のなかの
「だが春の日暮れは、秋のようにすとんとひっくり返ったように夜に変わることはない。そこまで来ている夜と、しばらくじゃれ合いながら、ためらいがちに姿を消していく。」
という一文。
うなってしまった。
藤沢さんの世界だなぁ~と思う。
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浮世絵も藤沢周平の短編もあり贅沢な一冊。どの話も短いのに奥深くしんみり読ませる。どの話も好きで、一番を選べなかった。