紙の本
武士の気概を示す
2023/05/28 10:11
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
(上下巻)
この本を読みましたが、はっきり言って、あまりよく分かりませんでした。
徳川幕府終焉のごたごたしたときに謎の武士が黒書院に居座る出来事から武士とは何かを示そうとされている。いろいろな事柄を絡めて表現されてはいますが、ちょっと分かりませんでした。すみません。
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【江戸城に居座り続ける謎の武士の正体は?】江戸城明渡しが迫る中、てこでも動かぬ謎の旗本に、城中は右往左往。今も変わらぬ組織人の悲喜こもごもを描いた奇想天外の感動作。
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江戸時代の終焉。無血開城の裏で、些細な、しかし厄介な問題が発生していた。
御所院番士、的矢六兵衛なる、武士の手本のような所作を身につけた、無口な旗本が、官軍への城引き渡しを前に城内に座り込みを開始した。
問題はそれだけではなく、当の六兵衛の正体が謎だらけであることだ。
突如として官軍将校の職を押し付けられた尾張藩の御徒組頭の加倉井は、六兵衛を下城させるべく奔走するが…。
黙して端座し続ける六兵衛と、その周りであれやこれやと策を練る幕臣たち。一方で加倉井は女房たちも巻き込み、その正体を探ろうとする、二転三転の推理も面白い。
幕府の瓦解と新政府樹立の混乱の時代に生きた幕臣たちの胸中のリアルが描かれる。
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浅田氏の真骨頂(だと思っている)幕末モノ。
また、主人公の立ち位置が、身分上は官軍の立場ながら心情的には疑問を持つ江戸っ子、というとても絶妙なトコロ。
この時代を舞台にした作品、とくに滅び行く江戸の世の人々の矜持なんかを描かせたら、浅田氏の右に出るヒトはいないんじゃないかと思います。まだ半分しか読んでないけど。
関係者へのインタビュー形式の文章、浅田氏の得意のやーつですね。
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どこからこんな奇想が生まれてくるんでしょう?
江戸無血開城のさなか、御書院番という大旗本株を金で買った六兵衛が、天皇を迎える準備が進む当時の江戸城でもっとも権威ある西の丸御殿でただひたすら無言で居座り続けた物語。
六兵衛の正体もその想いも最後まで明かされません。
壬生義士伝を思い起こさせる六兵衛をめぐる人々への問聞きの会話体は浅田さんの真骨頂ですが、当時の世相は描くものの六兵衛の前身を暴くことなく。
上下二巻。下巻の評価は下がっているようです。。
何時か明かされると思った六兵衛の正体がついに明かされなかったことの失望感があるようですが、私はまあこれも良しかなと思います。
むしろ、ただひたすら無言で居座り続ける六兵衛の威風がどんどん高まっていくのに対し、彼の始末に困る名人元勲たち、西郷、大村、木戸といった面々が妙に小物に見えて行くのが可笑しくて、よくまあこんなストーリーを思い付くなあと感心しながら読んでいました。
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幕末の「江戸城開城」という時期を背景とした、少し不思議な物語である。そして、何処となく「時代劇の姿をした寓話」というような雰囲気も漂う…
往時の感じで「平凡な男」という風な、主要視点人物の隼人の平穏な日常が破られる辺りから物語が起こり、奇妙な男の不思議な行動に振り回されて行く。どういうことになって行くのか?「幕末奇譚」という感じだ。
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(上下巻共通)
いまいち、感情移入をすべき人が見当たらない印象。
当事者の考え方はわかるんだけれど、売りがわからないっていうかね。(^^;
最後の武士の矜持を主題とみるべきだとは思うんだけど、どちらかというとドタバタ喜劇的な感じもするしなぁ。
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全2巻。
江戸城明け渡しが間近に迫った幕末、
官軍のにわか先遣隊長として
江戸城に送り込まれた身分低き主人公。
そこで見たのは喋らず動かず座り続ける一人の侍。
明け渡しまでに此奴をどかせと命じられるも、
どこの誰だか詳細不明。
この侍は誰なのか。何のために座り続けるのか。
謎が謎を呼び、笑って泣ける、
個人的にここ数年で一番の傑作。
これはすごい。
何がすごいって浅田次郎すごい。
しばらくブクログ休んでたけど、
これは書かねばと思い久しぶりにログイン。
正体不明・目的不明の侍を巡り、
周りの人間が散々に振り回されながら
勝手に事件を大きくしていく滑稽な喜劇。
言葉で説明するとそれでしかないんだけど、
読者もそれに巻き込まれ、
主人公たちと一緒に驚き、ドキドキ、涙する。
よくもまあこの構成で最後まで読ませれるもんだ。
ミステリーだし感動話なんだけど、
客観的に整理するとコメディでしかない。
キツネにつままれた気分。
特にラスト、
どんな風に物語をたたむのかと思いきや、
力業で最後まで読者をだまし続ける。
なんでこんな構成でこんなに泣けるんだろう。
浅田次郎恐るべし。本当にこれにつきる。
人は選ぶかもしれない。
特に女性は「なんで?」が残るかもしれない。
でも、時代物に詳しい人ほど騙され、
物語の狂乱に巻き込まれそう。
時代物好きには是非読んでもらいたい。
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29年1月23日読了。
皆んなのレビューを読むと評価はすごく高いが、私にはあまり合わなかったようだ。上巻最後辺りから、ようやく内容に気分がのってきた。殺伐とした幕末にあっては、どちらかというと長州征伐とか、戊辰戦争などの争乱や暗殺にどうしても目が向きがちだが、一個人の江戸城居座りが主題とは。小さな事実が大きな波乱を起こすかも?下巻の展開に期待!
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『ゴロウ・デラックス』で紹介された浅田次郎氏の「黒書院の六兵衛」読了。
幕末の江戸城引き渡しにおける悲喜劇。
無言のままに居座る六兵衛という男が何者なのか、なぜそこに居座り続けるのか。周囲のドタバタ感が六兵衛のどっしり感と反比例して面白い。 また周囲の心理描写も素晴らしい。
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江戸城明け渡しに至るドタバタひと騒動の切り口が何ともはや奇怪な(笑)。六兵衛は何を思うてただただ岩のように居座るのか。人々の口を借りて六兵衛の正体に迫るだけで、物語も岩のように動かぬ上巻。下巻はどうなる?想像もつかないが、そこに感動は控えてるのだろうか?
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江戸城の明け渡しが迫るなか城に篭城してこでも動かない旗本が・・・。この謎の旗本に城中は右往左往。組織人の悲喜交々を描いた奇想天外の作品。下巻が楽しみ。
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「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」と、学校の先生に言われたらしい著者の、本領発揮ともいうべき傑作。
大政奉還による江戸城明け渡しが決まったにもかかわらず、宿直部屋に端座し動こうとしない六兵衛。
しかも彼は、六兵衛を名乗るものの、それまでの本人とは全くの別人。
彼はなぜ居座るのか、彼は何者なのか?
ミステリアスな六兵衛に、興味は尽きない。下巻が楽しみ。
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江戸城引き渡しが迫る中
ひとりだけ、テコでも動かぬ侍ひとり
悶着が起きたら、江戸が戦になってしまう。
この侍「六兵衛」の正体は?そしてその行動の真意は?
不気味なまでの意固地な六兵衛と
何とか動かしたい官軍側のアタフタぶりがおかしい(笑)
下巻が楽しみ
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テレビドラマを途中から見て、見ずにしまった前半をどうしても知りたくなった。 さらっと始まり、話もせずただ座っている人を書いて前後篇読ませてしまうとは、畏れ入った筆力です。