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201702/寄宿舎モノ好きなので迷わず購入。少女達が死体埋めたことにあっさりし過ぎてるのが…。ジュブナイル系のようなので伏線はわかりやすいけど、面白かった。
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フィニッシングスクールに暮らし、それぞれに個性を持った7人の女生徒たちが、校長とその弟の死に直面し、次々に降りかかる難問に立ち向かって行くのを、はらはらしながらも楽しく読んだ。
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時は1890年のイングランド。舞台はケンブリッジシャー州の小さな町イーリーにある小さなフィニッシング・スクール(中上流階層の家庭の女の子が一人前のレディとしてのあらゆる教養やマナー、振る舞いを学ぶ全寮制の学校)の聖エセルドレダ女学院。
ある日曜日、校長のミセス・プラケットは、夕食を食べている途中に、突然息絶えてしまいます。同席していた彼女の弟ミスター・ゴッディングも続けざまに…
その様子を目の当たりにした7人の女生徒(気転のキティ、奔放すぎるメリー・ジェーン、愛すべきロバータ、ぼんやりマーサ、たくましいアリス、陰気なエリナ、あばたのルイーズ)たちは、それぞれ家庭の事情から家には戻されたくないこと、姉妹のように仲の良い友達と離れ離れになりたくないことから、死んだ2人を学校の庭に埋め、周囲に気づかれないよう自分たちだけで生活していくとともに、2人が毒殺されたと判明したことから、その犯人を見つけ出そうと計画します。
かなり無茶で無理な決断に思えますが、7人が力を合わせて危うくも乗り切っていく様子に、ハラハラし、クスッと笑い、ええーっと仰け反り、おおっと驚かされます。
緊迫したシチュエーションにドキドキさせられながらも、彼女たちのどこか子供らしい可愛らしさや無邪気さが時々垣間見えるさじ加減はとても絶妙で、子供の読者にとっては親近感が湧き、大人が読めばわが子の頑張りを見ているようで、思わず彼女たちを応援したくなるのではないでしょうか。
1890年といえば、女性の振る舞いや生き方に関して、世間は何かと型にはめようとし実際にそうであった時代だそうです。聖エセルドレダ女学院の存在理由も、そんな時代背景があればこそ。
それでも、姉妹のように仲が良く、それぞれに魅力的な彼女たちが、この物語の後、彼女たちの持ち味を生かしつつ、楽しい人生を送ってくれたらいいな…
そんなことを祈りながらページを閉じました。
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ブクログさんから、献本で頂きました。
この書籍、本国では児童図書となっているそうですが、大人が読んでも充分楽しめました。
ただ、大人が読むと、物語の前半で犯人の目星はついてしまうかな?
個性的で魅力的な7人の少女が繰り広げるドタバタ劇。
もうホント、終始ドタバタです(笑)。
隠ぺい工作&犯人探し。
7人の少女が力を合わせて、乗り切ろうとする姿は、微笑ましくもあり、ときに恐ろしくもあり(笑)。
読んでいて、どんどん引き込まれていきます。
重厚なミステリーを好む人には、児童図書だけあって少し物足りないかもしれません。
でも、7人の少女の活躍は、読む人を飽きさせないと思います。
親子で楽しめるミステリーです!!
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久しぶりに面白い本を読みました。
イングランド、1890年……だからホームズとおんなしくらいだな……生徒七人の“聖エセルドレダ女学院”が舞台……。
女学院といっても勉強するんじゃなくて、女だてらに(と当時は当然のように思われていたわけですね)医者になりたい12歳(最年少)のルイーズから、ハンサムな男を見ると自分の魅力を試してみたくてたまらない奔放なメリー・ジェーンまで、要するに娘を良妻賢母にしたい(かつ、目の前から消えてくれればラッキーという)親からお嬢さんを預かって料理だの掃除だのを仕込む学校です。
というわけでこの七人は全員うちには帰りたくなかった……なのにある日曜日のディナーで校長と校長の弟が突然死んでしまう……。
警察に言うと親のところに帰らなければならない、かつ、仲良しの七人は離れたくない、というわけで、なんとこの七人は二人を庭に埋め、校長不在をごまかし、自分たちだけで生きていこうという無謀な賭けに出るのです。
入れ替わり立ち替わりやってくるご近所さんたちを必死になって撃退し、あげくのはては一人が校長のふりをしてごまかし、ここらへんはアメリカのドタバタ喜劇ですね、そのあいまあいまに、ルイーズは盛られた毒が青酸カリだということを証明し、誰が、なぜ、校長を殺したのか、という謎を解きにかかります。
で、これって殺人さえなければ完全に児童文学だと思うんだよね。
それを大人の本として、といっても東京創元社だからYAだって出してるけど、文庫本でだしてきたか~、ですよ。
もういよいよほんとに、児童書と一般文学は融合しちゃったな、と思います。
同じ創元文庫のSF、ビジョルドの“ヴォルコシガン”シリーズなんかも、昔だったらジュブナイルだよなぁ、と思う。
ジュブナイルにしちゃ分厚すぎるけど……。
面白いけど……。
はて
児童文学はいったいどうなっていくのでしょうか?
2017/03/27 更新
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<少女たちは殺人を隠し,探偵を開始する>
意外と緊迫感なく進むなーと思っていたけれど,すべてが一本につながるところのスピードは素晴らしかった.
緊迫感を感じなかったのは,主人公たちが幼かったからか,「変装」を行ったからかはわからないけど,それは欠点ではなくむしろ長所というか,主人公が少女たちだからこそ。
これは,実写でみたい.
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ほのぼのコージー系なんだけど、最後までハラハラさせられた。
女の子達がどうするのか、どうなるのか、すごく気になって、心配で。
こういう結末で本当に良かった、ほっとした。
殺人事件よりも、彼女達の奮闘ぶりが自分にとってのメインだったなあ。
ところで聖エセルドレダ、どういう聖人か検索したんだけど、辿り着くのにすごく時間がかかったよ……
自分メモでリンクを貼っておく。
http://www.stetheldreda.com/index.php/history-of-st-etheldredas/#1
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好きにならないわけがない!
最初にまず何故この七人の女の子たちがこのエセルドレダ女学院に入れられて、そして帰りたくないかが明かされる。ワクワクドキドキしたまま、晩餐の席でいきなり院長とその弟がぱったり死んでしまう…
彼女たちは意外に冷静で、冷酷だった。死んだ二人にはちっとも愛を持っていなかった。
気転のキティがささやく。この二人ひそかに埋めてしまって、私たち七人だけで生きていかない?だって私たち、初めてできた姉妹なんだもの…。
「私たちは自分らしくいたいだけ」
他の六人は、新しい希望に胸を高鳴らせ、出来もしないはずのおかしなおかしな計画に、乗っかってしまう。
するとどういうわけか、来客の少ないはずの女学院に、わらわらと人が集まり出す。
彼女たちは意外な特技を発揮しながらそれぞれの窮地を切り抜けていく。
好きにならないわけがない。
二人を殺したのも謎を解くのも、彼女たちに救いを差し出すのも、警官や医者に張り合うほどの知識を見せるのも、「誰でもない彼女たち」だから。
彼女たちは皮肉にも、あまり好いていなかった周りの大人たちのもう一つの面に気づかされる。大嫌いだった院長姉弟を愛する人がいた。その人たちの素顔に触れる。不運か幸運か、院長先生の甥と義理の妹?(このへんよくわかんなかった)もこの女学院を訪ねてきてしまう。
そして、気転のキティは彼女が心から愛して想ってはいたが、「いないもの」として扱っていた下働きのメイドに、自分たちのふるまいによって何か違った道はなかったのか、とひとり述解する。ここが好き。ふとした傲慢さに気づくこと、勝手に自分たちの都合で解雇する彼女を哀れに思うことを知る。
そして男なんてまっぴらのルイーズ以外は想う男性も見つけてしまったり。たくさんの思惑が交錯する。
彼女たちは決して一枚岩でなく、お互い疑ったり邪険にしたりもする。この中に院長先生を殺した子がいるの?と。何もかも三人目の犠牲者が出てから急展開に。
がんばる女の子大好きなので本当に楽しかったです。ルイーズが好きで感情移入して読んだのでだいぶメリー・ジェーンにいらついたり。次にお気に入りはエリナ。
わんわんの方のアルドスの描写に力が入っていたので、作者さん犬好きですね?とニヤニヤしていたらいきなり毒盛られてて泣くかと思った。生きてて良かった!
結局まんまと大団円!最高の結末でした。警官をゆするミセスゴッディングの強さときたら。
ミステリーとしても納得というか、気になる伏線全部回収されてて驚きました。
しつけ学校というものの存在にクラクラしたり、当時の知識技術空気風俗化粧品流行歌…すべて完璧すぎて、ひれ伏すしかない。
楽しかったです。次作があるなら楽しみ!
ちょいと読み返してバーンズの翌朝のセリフ見たらまあ怪しいというかなるほどなみたいな。キティは気づいてないけど。
「オールドミス」という侮蔑語に引っかかったことも付け加えておきます。あの頃の事情としても。
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アメリカの作家「ジュリー・ベリー」の長篇ミステリ作品『聖エセルドレダ女学院の殺人(原題:The Scandalous Sisterhood of Prickwillow Place)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。
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女子寄宿学校に死体はいらない!
謎に立ち向かう7人の少女
十代の少女7人が在籍する小規模な寄宿学校で、ある日の夕食中、校長先生とその弟が突然息絶えてしまう。
それぞれの事情から家族の元へ帰されたくない生徒たちは、敷地内に死体を埋め、事実を隠して学校生活を続けることにする。
翌日、科学の得意な「ルイーズ」の分析により、ふたりは毒殺されたと判明。
生徒たちは得意分野を活かして大人の目をあざむきつつ犯人を探り始めるが……。
解説=「大矢博子」
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解説によると… 2014年(平成26年)にアメリカをはじめドイツ、イギリス、ブラジルで出版され、同年のウォール・ストリート・ジャーナルによる最優秀児童図書に選ばれたほか、2015年(平成27年)にはアメリカ図書館協会が最も優れた児童向けのオーディオブックに授与するオデッセイ賞のオナー賞(次席)を受賞するなど、高い評価を受けた作品らしいです。
ヴィクトリア朝終盤の1890年、イングランドのケンブリッジシャー州イーリーにある小規模な女子寄宿学校・聖エセルドレダ女学院では、12歳以上の少女7人が在籍し、淑女にふさわしい教養を学んでいた… ところが、ある日夕食の席で「プラケット女校長」とその弟「ゴッディング」が突然息絶えてしまう、、、
それぞれの事情から家族のもとへ帰されるのを恐れた生徒たちは、死体を埋め、事実を隠して学校生活を続けることにする… 翌日、科学の得意な「ルイーズ」の分析で、ふたりは毒殺されたと判明。
なぜ、誰に殺されたのか? 決断力と行動力に富むリーダー格の「気転のキティ」、恋愛ハンターの「奔放すぎるメリー・ジェーン」、優しくて親切で、同情心に溢れた「愛すべきロバータ」、気が弱くて騙されやすいが、時に周囲をびっくりさせるような衝動的行動に出る「ぼんやりマーサ」、体型が似ているからと「プラケット校長」の影武者を押し付けられるも、驚くべき演技力を見せる「たくましいアリス」、7人の中で探偵役を担うことになる、科学知識豊かな「あばたのルイーズ」、死や死体に魅せられるというオカルティックなところがある一方で、「アリス」を「プラケット校長」に似せるためのメーキャップに意外な腕を発揮する「陰気なエリナ」、、、
生徒たちは得意分野を活かして大人をあざむきながら犯人を探り始めるが… 個性豊かな少女たちが一致団結して謎に挑む!
個性豊かな十代の少女7人が、それぞれの得意技を遺憾なく発揮して事件を解決に導く展開が愉しかったですねー その行動も、純粋に事件を解決したいという正義感からではなく、家に帰りたくなく7人で姉妹のように暮らし続けたいだけという子どもっぽい発想なんですよね、、、
そのために場当たり的にごまかしを続けていくというコミカルな展開に… 死体を埋めて隠そうとする���ーンはブラックユーモアたっぷりで、「アルフレッド・ヒッチコック監督」作品の『ハリーの災難』を彷彿させましたね。
学校周辺に現れる男性が気になったり、憧れの男性に会うことを愉しみにしたり、亡くなった「プラケット校長」に扮装させられて嘆いたり(殺されかけたり)、子犬をもらってきたり… と、ごく普通の少女らしい行動を織り込みつつ、犯人は7人の中にいるのか、それとも他にいるのかというスリルも潜ませながら、事件は思わぬ方向に、、、
現実感はなく、ツッコミを入れたくなるような展開でしたが、最後には全て回収され、未来も明るそうな結末、そして爽やかな読後感でした… 舞台とか映像作品でも愉しめそうですね。