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タイトルに対する解答は、「そのようにプログラムされているから」ということになると思います。
では、なぜ、そのようにプログラムされているかというと、遺伝子(遺伝子集団)レベルで考えると、環境の変化に対応するためには、遺伝子が一様であるよりも、遺伝子が多様な方が有利なので、生物種が生き残る中で、遺伝子の多様性を担保するためには、同じ個体がずっと生きるよりも、世代を経ることで、遺伝子を変化させながら、生物種として生き残る方がよいから、といった感じでしょうか。
個人的には、非常に読みやすく、内容もすーっと頭に入ってきましたが、この手の話(利己的な遺伝子の考え方)には、拒否反応を起こす人もいるかもしれません。
適切な生物観を身に付けるには、情緒と論理を高いレベルでバランスよく身に付ける必要があると思っているのですが、それを試すのに適切な本、といえるかもしれません。
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人が先天的才能(遺伝子)と後天的才能(環境)のどちらにより成長し,そして老い,死にゆくのかを考察する.遺伝的プログラムは男と女の2種しか無く確定的だが,そのプログラムをいかに具体化するかに環境因子が影響し,多様性を産み出すと喝破する.遺伝子という神の作りたもうたシステムの深淵を見る.
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作者のどれも読み易く一般的な言葉で学術的な内容を説明してくれる。
内容は過去に読んだデズモンドモリスの説明などが多い。
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人は生きていれば必ず老いる。
老いて衰え、死んでいくことは誰でも嫌なことに違いはないのだが、そもそもなぜ我々ば老い「ねば」ならないのか。
という疑問に遺伝子の働きという観点から切り込んでいったお話。
著者はリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」の訳者だけあって、生命の根幹たる遺伝子について多く書面を割いておりわかりやすかった。
冒頭の問いに対する答えは明確には示されていないものの、自らの遺伝子をなるべく残すという生命存在の目的において、後世の世代と世代交代して、彼らの邪魔をしないという事が有利であると考えられているとの事。
よって、老いることによって性的な魅力と欲求は失われていき、心身ともに衰えてやがて死への準備をしていくというのは納得できる。
こういう科学的視点というのは逃れようのない現象に対する苦しみを鎮めてくれるところがあるので、このような視点を持つことは重要であると思う。