紙の本
脳の処理の本質はつじつまあわせ。
2018/08/17 16:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が情報を処理する過程では、たくさんのつじつま合わせがあるという。その研究がたくさん紹介されている。
なぜつじつま合わせをするのか。著者によれば情報は多数の感覚器官から入ってくるので時として食い違うこともあり、それを統合する必要があるからだ。
言われてみれば確かに、テレビのニュースでアナウンサーが話している時、実際の声=音はテレビのスピーカーから出ており、画面上のアナウンサーの場所からではない。それでも見て(聞いて)いる人間は「画面上の口から声は出ている」と納得している。
こういったつじつま合わせを理解するための実験も多数紹介されている。きちんとした研究がされていることは良くわかるのだが、文章が少し硬いのかあまりわかりやすくはなかった。最後の章は「つじつまを合わせたがる脳との付き合い方」というので興味を持ったのだがまだまだこれからの話のようだった。パペットセラピーの話が出てくるが、最近の「話すロボット」も人間の「つじつま合わせ」が上手く応用されている例なのではないだろうか。
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ラバーハンド錯視,腹話術効果,各種ブラインドネス,色の恒常性,ヒューリスティック等々,脳科学に頼らない伝統的(?)知覚・認知心理学の知見を紹介している。授業でここいらへんの話をする時にはぜひ参考図書として紹介しよう。一時ネットで話題になった青と黒or白と金のドレスの話題もあり。ここらへんはカラー口絵とかにしてあるともっとよかったなあ。
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認知心理学の専門家による、「つじつま合わせ」という脳の特性についての話。うーん、あまり目新しいものではなかったような…。一番興味があった幽体離脱についての説明がどうにもわかりにくい。何遍読んでも腑に落ちないのは、私の理解力不足のせいなんだろうか。
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ラバーハンド錯覚や腹話術効果など実験などからもわかるように人間の脳というのは何でもつじつまを合わせようとする。
心理学的に言えば認知的不協和。
人間の五感なんて簡単に錯覚するのだからあんまりあてにしすぎないというのは大事ですね。
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ラバーハンド錯覚、マガーク効果、見落とし、典型的見え、色嗜好、共感覚。
うむ、こういうワード好きなんですよね…。こういう心理学的な話はさらっと楽しめてよい。
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身体所有感覚には視覚と触覚の統合的認知が重要である
マガーク効果 視覚情報と聴覚情報のつじつまあわせによって起こる現象
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脳は情報が足りなくてももっともらしい理由を作る。視覚、聴覚、皮膚感覚などの感覚を脳で統合してつじつまを合わせている。すべての情報がそろってから判断していては生き抜けなかったのでこのように進化したのではないか。
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第1章 つじつま合わせの達人
つじつま合わせ/五感と脳/統合的認知/ラバーハンド錯覚/自己刺激によってラバーハンド錯覚は生じるか/ラバーハンド錯覚に付随する感覚/幽体離脱体験/身体所有感覚
[コラム]体性感覚と触覚
第2章 感覚を融合したつじつま合わせ
マガーク効果/腹話術効果/マガーク効果と腹話術効果は同時に生じるか/感覚融合認知
[コラム]錯覚とつじつま合わせ
第3章 見落として当たり前
選択の見落とし/変化の見落とし/めったに出現しない標的の探索/注意の限界と効用/見落とし回避の方法
[コラム]注意と意識
第4章 形や色の好ましさ
典型的見え/好ましさと安定性/典型的見えとつじつま合わせ/色の恒常性/色嗜好/生態学的誘発性理論
[コラム]共感覚
終章 つじつまを合わせたがる脳との付き合い方
拡張される身体《ラバーハンド錯覚》/雑音への耐性《マガーク効果と腹話術効果》/見落とし回避のコツ《専門家の注意力》/操られる嗜好《形や色の好ましさ》/つじつまを合わせたがる脳とつじつまの合わない行動をする人間
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学部生の頃,「統覚」という概念がよく分からなかった。それは自覚的に統覚している経験が(今も)ないからだろう。本著では知覚された情報をいかに統覚しているかを代表的な心理学実験(ラバーハンド錯覚,マガーク効果,腹話術効果,専門家の注意力,形や色の好ましさ)を用いて解説する。百聞は一見にしかず,実際に体験すると驚きに満ちる。その意味では基本的な心理学実験を全て経験しておくことは人間の認知に対する好奇心を刺激する。「つじつまを合わせる」は認知的均衡理論に通じる。意味を作ろうとする人間の原理は頑健だな。
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2016年の本。文章がかたいので大人向け。子どもなら、高校生以上が適切。扱っている内容は難しくはない。
子ども向けには錯覚や認知に関する本がいくらかあるのでそちらの方が読みやすい。