紙の本
スエーデンの男女平等の到達
2017/06/11 18:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
スエーデンの男女平等の到達について、現地の様々な人にインタビューして著した本書は岩波ジュニア新書であることにより、学校での教育システムや教材などについても紹介されています。
日本との違いにがくぜんとしますが、「女性の活躍」というのであれば、とことん女性を差別する仕組みを政治的に排除していくことが求められるんだな、また、企業努力も必要だなと考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
2016年時点でスウェーデン在住の著者が男女平等の点でスウェーデンと日本を比較。
スウェーデンの実例を挙げながら、日本が学んでゆくべき部分を示唆しています。
特に教育現場での実践例が具体的に書かれていて、教職でなければ子育てをしている身でもない自分でも、すぐに意識して行動できそうだと感じられました。
男女平等は個の尊重に繋がっていく。
上記の部分でこのようなことが記されています。
全くだと思います。深く頷きました。
投稿元:
レビューを見る
高校生の時に社会の授業で生徒が生徒に授業をする機会があり、わたしは題材として「尊厳死・安楽死」を選んだ。その際にスウェーデンが福祉や医療が進んでいることから、様々調べ事例を用いて説明した。その頃からスウェーデンに深い興味を持っていたため、この本が気になった。
投稿元:
レビューを見る
社会における女性の立ち位置
スウェーデンは男女平等の実現に関する取り組みが充実していることを知り、日本と比較し現状を受け止めることで対策を見出したいと思ったため。
投稿元:
レビューを見る
スウェーデンは男女平等がビジネスになる国なのです
学歴が高い男性ほど、また給料が高い人ほど育児休暇の取得率が高いと言う時計もあります
IKEAの場合同一労働賃金、企業内保育所等を実現
男女平等に限らず、ダイバーシティーが重要だと。年齢とか。いろんな人が働くことがプラスになっていくのだと
女性が男性と同等に自分の生活人生を生きていくには、自分で働いて、自分を養っていけるだけの収入を得ることが重要です
投稿元:
レビューを見る
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11371110
投稿元:
レビューを見る
中高生向けなので、簡単……かと思えば、そうでもない。
第1章『男女平等って何だろう』
男女平等の基本がインタビューを通して薄っすら見えてくる。
スウェーデンでは賃金以外では格差はあまり感じない……という点はこの先の章でも繰り返し出てくる。それでも、やはりまだ『こんな点がちょっと』という部分はある。
さらに最初で、『保育所からの教育が必要』と教育の必要性を説いてある。
それは最初からそうだったわけではなくて、30年と言う長い時間をかけてじっくりと取り組んできた結果という事も書かれている。
第2章『平等の国のつくり方』
スウェーデンでは労働力不足をきっかけに女性の労働市場への進出が起きた。
……これ、確か日本やアメリカでは戦争をきっかけに女性が労働にかり出された。というのを見たことがある。日本では戦争が終わって家の中に戻ったが、アメリカ(……いや。イギリスだっけ?)ではそのまま女性が社会で働く事が一般的になった……という話があったような。
女性の労働市場への進出が男女平等のきっかけになるのは、どの国でも同じなのかもしれない。
・労働賃金の平等
・出産育児保障の充実
・人権教育の徹底
この辺りの事がつらつらと書かれている。
中でも気になったのは保育園での取り組み。子どもへの声かけは徹底して性別を意識させないようなものにしているとか。
保育士側が何が『性別によるもの』なのか分かってないと、出来ない。
「かわいい服」「きれいな靴」「かっこいい」「強そう」という褒め方はしない。「きれいな青い服ね。他に青いもの言える?」などのニュートラルな答えをするようにしている。「力持ちね」「きれいな色を選べるすてきな目を持っていていいわね」など褒め方を工夫している。
……褒め方の工夫。すごい。『本人を褒める』事を徹底している。『女の子だから』『男の子だから』という点を省くとそうなるんだと思った。
他には「普通の男」プログラムというのが載っていた。
まずは「普通の男」という言葉を紙に書いて、普通の男の特徴と思われるものを書きだす。
「男らしい男」「ものすごく男らしい男」「男らしくない男」も同じく書く。
全てを書きだした後に「良い人/良い友だち」について書きだす。
さらにいくつかの質問について考えて、最後に『男たち』(アニカ・ベリダール著)のニルスの発言を引用して終わり。
『僕たち男子は、心遣いというのは何か良くない事だと学んでいる。(略)ハードなゾンビになる事は強い事じゃないんだ』
本には全文がしっかり載ってます。ここでは最初と最後だけ引用ですが、それでも言いたい事は分かる。
男らしさの書きだしがあるなら、女らしさの書きだしもあるのかもしれない。
本の中では『男らしくない男』は『女らしさ』と重なる事が多々あると書いてある。……つまりそれが差別の基本だよね。男から弾かれたものが女なわけで。
2章最後の���ラムには男女平等と文化的な多様性の保持の衝突の事例が載っている。
男女平等が絶対的に『良い事』ではないけど、『半数の人を踏みつけにしないためには』というのは考えてもいいのではないかと思う。
そして『男らしさ』プログラムは他にもいろいろと応用が出来そう。障がい者らしさ、子供らしさ、同性愛者らしさ、トランスらしさ……色々。
第3章『スウェーデン、そして日本のこれから』
起業での男女平等への取り組みと、コラムでアメリカの話が書かれている。
日本にあるスウェーデン企業イケアの話で同一労働同一賃金にするために十年かかったというものが載っていた。
一応、今は同一労働同一賃金となってるけど、日本でそれを導入して起きたのは『低賃金に合わせる』というものだったなぁと思いながら読んでしまった。
ざっくり気になった点を書いてみた。読めば読むほど、羨ましい。もちろん、『全てが上手くいっているわけではない』と書いてあるので、男女平等が当たり前となっているけどやはり隙間(そう思わない人たち)はいるわけで。
でも世代が変わればどんどん価値観が塗り替わっていく……というのはいいなと思う。
日本の場合、人権教育と性教育を大人にダウンロードする事が出来ずに色々失敗してる気がする。そして、私も失敗作なので価値観は古い。脳内バージョンアップのソフトが欲しい。
色々とお勉強になった本。
ただ、こういうのって自分に都合がいいものを選んでしまうので、スウェーデン(北欧)でも男女平等が進んでいるけどいいことばかりではないと、『良くない事』に目をやるコメントも見かける。
男性にとっては『自分が得ていた特権』がはぎ取られるので面白くないんだろうな。
女性が家事育児しないで、男性もやれなんて嫌に決まってるだろみたいな……なぜ、その自分は嫌なことを女性が嬉々としてやっていると思えるのか謎。