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ざらざら、パスタマシーンの幽霊、猫を拾いに、に続くクウネル連載の短編集。やっぱり大好き!
アン子ちゃんが一編だけだけど出てきます、アン子ちゃんから語られるゲイの修三ちゃんも。お馴染みだけど、出てくるととびきり嬉しい!
ずっとずっとか細く長く続いて欲しいな、このつかみどころのない短編。恋愛小説なのかSFなのかよくわからない不思議な話がふわふわしていて本当に好き!
今回なかでも特に好きだったのは
鍵、銀座午後二時歌舞伎座あたり。同じ筋肉の彼が出てくるので。
それとバタフライエフェクトと、土曜日には映画を見に。恋愛小説って感じで好きでした。
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川上弘美はよい! 誰が何と言ってもよい!
よいものはよい! 私は、川上弘美が好きだ―ー!!!w
彼の筋肉の美しさに恋をした“わたし”、魔法を使う子供、猫にさらわれた“小さい人”、緑の箱の中の死体、解散した家族。恋愛小説?ファンタジー?SF?ジャンル分け不能・・・。
ちょっと奇妙で愛しい物語の玉手箱。
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川上弘美の最新作。主に『クウネル』に掲載された掌編を収録。
1篇1篇が柔らかく、ぼんやりとしていて、それが非常に心地良い短編集だった。
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タイトルがずるくて、思わず買ってしまった。
不思議なショートショート。
この唐突な不思議さ加減と、それなのに淡々と進む語り口と、そのまま放り出されるような読了感がたまらず好き。
私の好きな川上弘美だった。
なんとなく、うっすら暗いトーン。
一応恋愛小説が多いけど、すごーく広い意味での恋愛小説というか。そこが良い。
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川上さんの連れて行ってくれる異世界が好き。私に見えているこの世界から浮き上がるような不思議な気持ちになる。
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なんとむ不思議な、短篇物語集。
川上弘美さんは、好きな作家の一人だが、この短篇でますます好きになった。
表題作はもちろん、好きな短篇がある。
なかでも「バタフライ・エフェクト」はよかった。
他には、「二人でお茶を」「ルル秋桜」「憎い二人」「ぼくの死体をよろしくたのむ」「スミレ」「廊下」など。
すべての短篇がいいのだが。
言葉遣いが、どの短篇でも、響きがよい。
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この短編集、それぞれのを長編でも読みたいわ。
その先ももっと続きが読みたい。
ま、短編ならではの良さがつまった小説。
読み終わるのが惜しいくらいに感じる小説はそうそうない。
全部、好きだけど特に”るか”という不思議な少年が現れる”ニ百十日”と”ふたりでお茶を””ぼくの死体をよろしくたのむ”が好き。
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『いろんなことが目の前を流れてゆくけれど、どれもわたしからは少し遠いものだ。(好物じゃないネタの回転寿司のお皿が流れ去る、みたいな感じだな)』―『いいラクダを得る』
川上弘美の短篇は少しだけ星新一のショートショートに似ている。予想を常に裏切るところ、とか。でも川上弘美の話には星新一と違ってきれいな起承転結は大概のところ、ない。そのせいか、もやもやとした気分が残る。恐らく、そのもやもやした気分を味わいたくて川上弘美を読むのだと思う。
独特な比喩もまた川上弘美の特徴だと思うけれど、その思考の裏側で働くものは生物学的な観察眼じゃないかなと最近思うようになった。物理や数学のように定義や法則から積み上げていくものとは違って、生物学の基礎は分類だ。もちろん最先端の生物学は違うと思うけれど、リンネの分類とか昔は習ったものだし。分類の基本は比較、つまりは似ているか似ていないかを見極めること。そんなことを繰り返していると、ああこれはあれに似ているな、という誰からも理解されない類似例を大量にストックすることになる。あるいは逆にそういう思考の癖のある人が生物学を学ぶのかも知れない。同じ学問の分類で言えば間違いなく生物学と同様に博物学的範疇に入る地質学を専攻したものとして、川上弘美の比喩は妙にツボにはまる。
それにしても偶に思うのだが、いつから川上弘美はこんなに固有名詞はっきりと使うようになったのだろう。初期の彼女の作品には、人称代名詞が多用されていて、どこにも属さない空間を形造る効果があったように記憶しているのだが。あるいは、あわあわとした、などと評されることの多かった作家の本質は、案外理屈っぽく緻密な思考に支えられていて、固有名詞の少なさに論理の一般化を志向する性癖が表れているのかと勘繰ったりしたのだが。 主にクウネルに掲載された作品を集めたこの短篇集には、独特の名を持つ主人公達が登場する。そしてそれもまたいつの間にか川上弘美らしい世界観を形造るのに一役買っているのに気付いて、はっとするのだ。
固有名詞は符丁となり絡み合う世界の四次元的構造を読み解く道標となる。例えば、Monkeyに連載されていた短篇を集めた「このあたりの人たち」に登場する人々の名前のように。この短篇集でも幾つかの名前は拡がりを想起するように配置されている。そのことを無意識に作家が行う筈もないが、尋ねられれば、名前を考えるのが面倒で、等と答えるに違いない。その時、作家が心の内で舌を出して見せているのを見逃してはならないのだ。
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彼の筋肉の美しさに恋をした“わたし”、魔法を使う子供、猫にさらわれた“小さい人”、緑の箱の中の死体、解散した家族。恋愛小説?ファンタジー?SF?ジャンル分け不能、ちょっと奇妙で愛しい物語の玉手箱。
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一般的な現実世界とは、薄膜一枚ほど隔たったちょっぴり不思議な世界の物語といった趣である。登場人物も、描かれる題材も、一筋縄ではいかない。奇妙というほどではなく、非常識とも言い切れず、しかし現実からはほんの5mm浮いている感じ。だがどの物語を読んでもやさしい気持ちになれるのは、どの登場人物も著者に愛しまれているのが伝わってくるからかもしれない。少しだけ自分がやさしくなれたような気がする一冊でもある。
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ぼくの死体をよろしくたのむ 川上弘美著 人々の心の秘密に触れる
2017/4/1付日本経済新聞 朝刊
公園で、ホームレス生活をする男性に恋してしまう。魔法が、少し使える。「死体」に見える人間を雑誌などから切り抜いて集めるのが好き。18本の短編小説を集めた本書に登場するのは、世間の「常識」から少しずれた人たちだ。
けれど、あまり不幸せそうではない。主人公たちは、運命にあらがうわけでも、世間と闘うわけでもなく、ちょっとおかしな自分を受け入れてくれる人のそばで、淡々と生きていく。家族や友人にうとまれることがあっても「生まれつき」で「たまたま、そういう人間」であることは、変えようがないのだ。
SFに近いような物語もあるが、都会の片隅であれば、起きてもおかしくないと思える事々だ。たとえば、見たことのない動物を飼う羽目になること。人に天罰を与える仕事をすること……。表題作は、時折死にたくなる女性と、全く慰めてくれない作家との交流を描く。
世間に完全に順応している人など、ほとんどいない。本書の主人公たちのように、他人にあまり言いたくない秘密を持っている人の方が多いだろう。でも、そのまま、自由でいいのではないか。恋の切なさや、別れのしみじみとした悲しみ、そしてユーモアを織り交ぜながら、人々の心の秘密に触れ、さまざまな生き方を肯定してくれる掌編集だ。(小学館・1500円)
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川上弘美は苛立っている?そんな感じがしました。私の川上弘美がだいぶ戻ってきたけれど、言いたいことが、あともう少し、まだ形になっていない。そんな印象をうけました。
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全体的になんてことない日常のひと時、という短編だけど、『無人島から』がとてもよくて、成人した時に突然言い渡された家族の解消は私の理想の家族像を言い当てられた気がしたし、わたしのこと、好き?という問いは私がしたくて絶対できない問いなんだなあ。
あとは『土曜日には映画を見に』がとても可愛かった。
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ご無沙汰です。すごくおもしろかった。好きなタイプの川上弘美。(川上弘美の感想は、好きなタイプかそうでないか、を絶対思う。そして「川上さん」にはならないの、「川上弘美」。バンド名みたいな感じで。
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初出は2013〜17年の「クウネル」、「つるとはな」、「きらら」に掲載された18の掌編。
ちょっとふしぎ系の話も、あり得ないような展開話も、当然のように書かれるのでさらりと読んでしまう。
気に入ったのは、登場人物のそれぞれにすれ違った気持ちと、犬の霊魂や大昔の人(たぶん卑弥呼)の霊魂が語る「なくしたものは」、亡くなった伯父が姿を変えて会いに来る「二百十日」、美術館の廊下で(実は死んでいた)恋人や祖母に出会う「廊下」。
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いつもながら川上さんの短編小説は最高です。
荒立った心を安らかにしてくれます。
次の発行が待ち遠しいです。