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最初は物語がなかなか進まず焦れったいが、後半面白くなってきた。相変わらずのメタファーと世界観。2巻も期待。
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過去に編まれた諸作品のような、新しくて強烈な影響力を持った作品ではない。それらから立ち上がったテーマを練り上げ、熟し、行く末を示そうとした作品。
疑問符も納得感も半々ぐらいずつ湧いた印象だ。
免色という存在、騎士団長や暗示的な夢を信じるということの2点が、特に私の興味をひいた。色を免れ続けることによって、イデアやメタファーと手を結べなず、ゆえにどれほど力があってもある水準以上のものを手に入れることが出来ない。だが「私」にはそれができ、それが大切なことであるらしい。
彼の下の名前は『ねじまき鳥』の亨と昇を思い起こさせる。あの話ではどうやら昇が悪であったが、この話では彼も「私」もまだ悪ではなく、しかし人の道をそらすほどの「力」を前に、綱渡りを強いられる。
ところで「私」の不倫や妻の不貞は、驚くほど軽く取り扱われている。「私」は嫉妬を覚えない性格として造形されているが、不倫相手の夫はどうだろうか。彼からすれば「私」は、『ねじまき鳥』で亨から久美子を奪った昇のように映りはしないか。妻が「私」から宿痾に振り回されて乗り換え、そして唐突に関係をやめて傷つけた男はどうか。宿痾はどうなったのか。
果たして「私」と妻の人生は、このまま本当に平穏裡に環を閉じることができるのだろうか。絵は焼け落ちたかもしれないが、彼らが傷つけて顧みなかった存在が、この世のどこかにある蓋を開けて鈴を取り出さないとも限らない。「私」が何をしたかを知っているのは、あの「白いスバル・フォレスターの男」だけではないのだ。
闇を超える試練ひとつでそうした因縁を根こそぎ断ち切ることが本当にできるのか。あるいは「私」はこれから「二重メタファー」ではない、現実の闇を潜ることになるのかもしれない。
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肖像画家である主人公の「私」は6年間連れ添った妻に別れを切り出され、一人、山奥にある邸宅に移り住んだ。その家は日本画の大家である雨田具彦の邸宅であった。ある日、私は屋根裏で具彦の残した『騎士団長殺し』という日本画を偶然発見する。
その日以来、奇妙な出来事が起こる。谷を挟んだ向かいの山に住むという「免色渉」と名乗る謎の男の登場。山奥の祠から聞こえる鈴の音。免色は自分の肖像画を私に依頼し、祠の穴を掘り返した。そこにはただ鈴が置いてあるだけであった。そして、突如として具彦の日本画から騎士団長と名乗るイデアが私の前に表れる。奇妙な出来事はまだ続き、免色は自分の娘かも知れない12歳の少女・秋川まりえの肖像画も依頼する。肖像画を描く過程で、免色や騎士団長から具彦の過去について語られる。『騎士団長殺し』という作品は具彦が戦時中のウィーンで経験したナチス高官の暗殺未遂を描いたものであった。
具彦の過去を知った時、秋川まりえが忽然と姿を消す。私はまりえを探すため騎士団長に尋ねたが、彼は「それを知るためには、あたしを殺す必要がある」と答えた。私が騎士団長の心臓を包丁で突き刺した時、私はいよいよ全てが奇妙な世界に入ってしまった。そこに登場するのは『騎士団長殺し』に描かれていた顔ながの男であり、美しい女であり、顔のない大男であった。それらの人物の言われるまま川を渡り、穴に入ると、いつの間にか私は祠の中にいた。そばにあった祠を鳴らすと免色が助け出してくれ、まりえも無事に見つかった。
私は奇妙な世界から抜け出すことができ、妻と再び暮らすこととなった。
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面白かった!
絶対ネタバレ嫌だから、テスト前だけど頑張ってます(*´∇`*)
頑張るとは言っても、世界観に浸かれるからどんどん読んでしまった。
1Q84とかねじまき鳥ほど暗くもなく、コミカルだけど軽くはないから好き!
騎士団長可愛いし。
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村上春樹の文章はやっぱり特別だ。他の作家にはない空気をまとっている。
僕の中で文章は、村上春樹の書いたものとそれ以外の人が書いたものに二分される。それだけ村上春樹の書く文章は特別なのだ。
昔から「なぜ村上春樹の文章だけがこんなに質が違うのだろう」と疑問だったのだが、村上春樹がエッセイの中で小説作成のプロセスを語っており、それこそ数えきれないくらいの修正・手直しをしていることを知り、そういった地道なプロセスを経て出てくるからこそ、格別の質を実現できるのだと実感した。
そういえば、司馬遼太郎も特別な文章を書く人の一人だが、以前司馬遼太郎が自身が書いた文を赤ペンで推敲した原稿用紙を見たことがある。司馬遼太郎は、それこそ原文の表現が全く残らないほどの手直しをして完成版の文章を作成していた。
文章に限らず、超一流のアウトプットは、天才をもってしてもものすごい手直しの結果であるし、逆に言うとそれだけの手直しをすることが出来るほど文章を書くことを愛していることの証だと思った。
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自分に対する誠実さを貫く私に好感を抱く。なにごと(非日常的なこと)も無視しないところが好きだ。物語は続く。絵を描くという行為で、相手にも誠実だ。
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初読。図書館。感想は第2部でまとめて。図書館にリクエストをかけたおかげで発売日からさして間を置かず借りれた。でも私の次に予約待ちしている人が2人しかいないって・・・マジかよ・・・。田舎って素晴らしいわ。
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村上春樹さんの新作の初版を読むのは初めてだ。読了後なかなかの読み応えを感じだ。タイトル通り、まさか中世の話では無いだろうと思っていたが、その予想は別な方向に外れた。
読んでいる途中で既読感が湧いて、それは『グレートギャツビー』なのではないかと気付いた。それは色免さんのキャラが似ているからだと思う。
高等文化の言葉や西洋史の予備知識があればもっと深く読める様に感じだ。オペラを聴いてみよう。
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第一部・第二部まとめてレビュー。
村上春樹にとって井戸(あるいはそれに準ずるもの)というのは深層心理というか人間にとっての「地下への入り口」だけれど、この作品でもやはりそういう存在が重要な意味を持つ。
いわば暗喩としての「アンダーグラウンド」なわけだけれど、明喩としてのアンダーグラウンドの住人だった僕にとっては、その感覚はとても近しいものがある。
そして「うまくいっている」と主人公が思っていた一方で青天の霹靂のようにパートナーが突然別れを切り出す点にも、近しいものを感じざるを得ない。「何年生活を共にしていても、俺は相手のことなどまるでわかっていなかったのだ」と言われるとぐうの音も出ないくらいそれは突き刺さってくる。僕もいつもそうだったから。
「ねじまき鳥クロニクル」でもこの作品でも、その表現は僕の傷跡を抉り引っ掻き回す。
率直に言って、夢の中で性的関係を持つという手法にはいささか飽きてきているのだけれど(海辺のカフカも1Q84もそうだった)、それでも尚、この作品に惹きつけられたのは、主人公のその「ボンクラ」っぷりに否応無しに自分を投影させられるからだろう。
そしてこれは完全に偶然なんだけれど、大事(に思っていた)なパートナーを失った直後に東北地方を旅して回るというのも僕と全く同じだった。潮の匂いと漁船のディーゼルエンジンの音、かもめの鳴き声、しけたファミレス、全部同じだ。謎のアバンチュール的男女関係だけが違う。まぁ当たり前なんだけど。そんなことあるもんか。
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村上節炸裂
全てのエッセンスが満載。
色を免れた彼のことがやっぱり気になる
ギャツビーは殺されたが…。
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村上春樹の新刊、、正直少し飽きたなあという感じは否めない。ねじまき鳥、世界の終わりと〜、のように時空が歪む感覚。好きだったけど、先の展開が早い段階から読めてしまっていた。期待値が高すぎたのかしら。
ただ、騎士団長可愛いし、顔ながもほんとうに可愛い。出会った瞬間に声に出してしまうほどに。
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2月24日の発行日の朝に買ったが、少しずつ読んでいる。最初の数ページを読んだだけで、「ああ、村上ワールドだ」と思った。登場人物もその名前も、静かな筆致も、紡がれる不思議な物語も、どれも村上作品に特有の独自の世界が横溢している。短い各章(?)に付けられた奇妙なタイトルを本文中に見つけるたびに、付箋を貼りたくなる。
取りあえず第1部を読み終え、この後の展開にわくわくしている。冒頭で、主人公の9か月間に起きた様々な出来事の回想と宣言されているので、その行き着く先は想定されているのだが、果たして、予想されるそのとおりのエンディングなのだろうか。そうしたことも含めて、第2部に入る。
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今日第1部を読み終わりました。読んでる間、たっぷり村上春樹ワールドに浸れます(^^)。どうなるんだろ?第2部が楽しみだわ〜。久しぶりの綺麗な表紙や紙や印刷の単行本、本を持ってページをめくり読み進めていく喜びを感じます。
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二人の画家が登場する。かれらの描く(描いた)絵が重要なモチーフとなっている。1Q84での「空気さなぎ」のように、である。一連の作品のテーマの一つに創作の秘密、ということがある、ように思う。作家がそれを作中で考察するとき、虚構の小説やその作者を梃子とすることは別に自然なのだが、意外とやりにくさもあるのではないか。それに職業としての小説家ですでにだいぶ書いてしまったでしょうしね。あえて、題材を虚構の絵画とすることで今回、それらが意外なくらい成功していると思う。
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あぁ、なんだかとても懐かしい、と思いながら読む。
相変わらず気になる文章が多くて、一気には読めない。
「殺」の傾きの理由はここにはあらない。