紙の本
痛快な3人組
2021/02/06 07:29
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は、戦争もからめたがっちり重い作品で、
色々と考えさせられました。
修司、相馬、鑓水とそれぞれの話が終わって、
次回作にはこの3人は登場しないそうですが、
また痛快な3人組の活躍を見てみたいです!
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自分の人生に責任を持とうとする人々。
後の世をいいものにしたいと願う人々。
自分の利益しか考えない人々。
それぞれの戦い。
登場人物の多くが高齢者、戦争の記述が多くて、
その用語の羅列が苦手で読み進めるのがしんどい章もあり。永遠のゼロとかも同様…
でも久々に鑓水、相馬、修司3人に会えてよかった。
大分忘れてしまったのでまた犯罪者から読み直そうかな。
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そして怒涛の下巻。正光や老人たちが体験した戦争時に起きていた、とんでもない事態。今から思えば信じられないようなことなのだけれど、それが「当たり前」であると刷り込まされてしまうことの恐ろしさは、時代に関わらず存在しておかしくないのですね。たしかに世間の風潮ってそういうものだよなあ……と思えば、それに気づかないことの方が恐ろしいのかも。
なんにせよ、あんなことはもう二度と起こってはいけないのだし、そのために闘った正光と白狐の姿は痛ましくも雄々しいものでした。島の人々の行動も素敵だなあ。
巨悪に向けて立ち向かう鑓水たちの行動にはもうはらはらどきどきの連続です。知恵と行動力と運と、そして多くの人たちの助けを得てたどり着く先は大団円……であると信じてはいても、怖すぎる展開。徹夜本間違いなし。
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渋谷スクランブル交差点で空を指差し、そのまま絶命した老人の謎を追うことになった鑓水、修司、相馬。お馴染みの3人が巨大な敵を相手取り、事件解決をしていく。
今まで戦争の悲惨さはわかっていたつもりだったし、当たり前のように戦争はいけないことだと思っていた。しかし、その裏で国家によって報道を操作されていたりしていた事実を改めて知ることにより、あまりにも情けなく、その時代に生きた人たちを思うと心が苦しくなった。
きっと太田さんは、その事実に激しく憤りを感じており、現代でもそういった報道の操作が起こりうることに対して危惧しているのだろう。
小説としてはもちろん面白かったが、それ以上に考えさせられるこもが多かった。
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手に汗握って読んだ。今のところ今年一番の作品。そして普段は意図的にスルーしてることについて考え直してみようと思った。
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戦争時代の言論統制をスパイスに、現代の政治とマスコミを絡めたミステリー。
「犯罪者ークリミナルー」の感想でも書いたけど、太田さんの作品は、ちょっと説明が長い。
戦争時代を知ってもらおうという気持ちからなのだろうが、もう少しスッキリと書いてもらった方が、より分かりやすくなったと思う。
多少、冗長感はあるものの、相変わらずスケールが大きくて面白い!
鑓水・修司・相馬の3人の反撃は、いつ読んでも気持ちがいい。
島の人達の優しさや絆も、心に残ります。
えぇぇーい!上手く言えない、読んでみてw
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スゴイ。
よく書ききったと拍手を送りたい。
東京編→曳舟島編→戦時中編→対決編。
特に戦時中編は鑓水たちを放っりっぱなしで読みながらツライところもあったけど、きっとこれを書きたかったんだろうなと思わせるスゴミがありました。
前作までのテレビ的だったラストも、今回はなんと頭脳戦。
本当に堪能させて頂きました。
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戦争をバックボーンにしているため重い。
ストーリーはよく練られていているのだが、個々の事象を繋いでいくきっかけが薄いような。。。
たまたま電話を聞いたことで、一気に過去と現在、更に瀬戸内海の島まで繋がるのは、都合よすぎ?
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渋谷交差点でひとりの老人が奇妙な死を迎えた。
そこからここまで広がるなんて!
鑓水、修司、相馬のシリーズなのに、途中の昭和初期のお話とか主要キャラ完無視。
本当に書きたかったのはそこら辺なんかな。
日常が静かに戦争へと進んでく様子
知らされないことの恐ろしさ
巻き込まれることは易しく哀しく愚かであること
思えばあの戦争を「歴史上のできごと」であると同時に、「身内が体験したできごと」として多少でも身近に捉えることのできる最後の世代が私達なんじゃないかな。
「じーじ」「ばーば」はまだ身近だけどさ、「ひいじい」「ひいばあ」のお話はもう遠い世界っぽくない?
今ならまだ、若い人達も「じーじ・ばーば」が幼い頃に体験したこと、として戦争を現実にあったものと捉えることがギリギリできるんじゃないかと思える。
まだ 間に合う。
と、単なる読書感想以外のところまで考えてしまう本。
単なるエンタメ本として面白かった と閉じるのは惜しい本。
しかし戦争パートの巨悪に比して、公安や政治家の現代パートの悪のショボさが際立つなぁ。
そして実に老人がたに感銘を受けさせられるお話だったことよ。
正光さんの指さしたものについては、涙なしに読めんかったです。
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上巻からの緊張感や面白さをかなり保ったまま終話。けっこう満足感あり。ただ、私も全く戦争を知らない世代ではあるが、歴史の授業やドラマ映画などで、戦時中の社会については繰り返し触れてきたように思う。治安維持法や特高などに ここまで詳しい描写が必要なんだなぁと感じた。そのあたりの説明を少しクドいと感じた自分…歳をとったように思った。
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凄惨な戦争体験を持つお年寄り達が抱く決意に何度も気持ちが揺さぶられた。3人に関わった島の人達の心意気も熱くぐっと胸にきました。彼らが守ろうとしたもの、焦燥感、私達はもっと意識した方がいいのかもしれない。作品中にも何度も出てくる『忖度』という言葉、憲法改正や、共謀罪、政治とメディアのあり方など、読後考えさせられました。火は小さなうちに消さなくてはいけないという作家さんの切迫感が伝わる作品でした。
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これは凄い! 今話題の共謀罪を代表する言論統制をするための、始まりを書いた様なストーリー。書かれたのは昨年でも、なぜか予感されるような展開。 ただ相手が公安という国の闇の組織との対決で、最後のディールが上手くいくところがまあ、物語らしい。 ただ主人公達がその一部と敵対している側とも繋がっているからで、現実ではほぼ無理な展開だな。でも物語として非常に良く出来ている。テレビでドラマ化するのも良いけど、出来るかどうか。
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重量感のある作品だった。
公安の恐るべき計画。罪がなければ、罪を仕立てあげてでもターゲットを抹殺するやり口。どこまでフィクションで、どこまでが現実にあるのか怖くなってくる。
ストーリーとしてはとても面白く、鑓水たちの軽妙なやり取り、島の老人たちの人情、老人たちが今なお負っている戦争中にやったこと、やれなかったことへの後悔。。
どれもが、胸につまされる。
ただ、2部の真相部分が長すぎて、戦争のルポルタージュを読んでいる気分になって、本編を忘れてしまいそうになった。
秘密保護法に危機感を覚えた著者が、ものが言えなくなる社会への警鐘を鳴らすために書いた作品と思われるが、戦時中の描写をもう少し削って作品にスピード感を持たせたほうがよかったのでは・・・と思う。
だけど、老人が指さしていたものがわかるラストはぐっと来た。
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犯罪者シリーズ、3作目。
修司、鑓水、相馬の三人がまた見たい!って、このシリーズ3作目を読んでみたのだが、まさかこんな、今、まさに!!のタイムリー過ぎな内容だとは思わなんだ。治安維持法など、戦時中の情報統制についてはある程度知識としてはあったものの、結局今までは表面でしか受け止めてなくて、軽くスルーしてしまっていたんじゃないかと胸にズシンと突き刺さるような思いに何度も駆られた。今と昔では社会背景も犯罪規模も違うし、テロ共謀罪=治安維持法だとはさすがに思わないけれど、一歩間違えば、それこそ本書に描かれる小さな火になってしまいそうで、リアルな恐怖を感じざるを得ない。テロ等共謀罪法案に対して賛成・反対関係なく、あの時代の真実の姿を皆が知っておく必要性を強く感じた。
三人のキャラや彼らを取り巻く脇キャラも含めて凄く良いので、シリーズものとしても面白いのはもちろんだが、今作は、今の社会、政治状況がこれからの未来、どこにどう向かっていくのか見極めるのに必要な一冊になっていたように思う。
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図書館で借りた本。
失踪した公安部の刑事・山波を追って、鑓水・相馬・修二は瀬戸内海のとある島まで来ていた。山波は島に住む「白虎」という老人に会いに行ったと思われる。自らも警察に追われながら、山波を探し出し、冤罪を止めなければならない。最後まで目が離せない一冊でした。