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ちょっと暗くて?ちょっと重い?感じ?、
このての話は桐野さん、天下一品だなぁ~。
連合赤軍事件をちょっとでも知ってるのと全く知らないのでは、面白さが全然違うかもしれない。
大昔読んだ高木彬光「神曲地獄篇」、読み直してみよう。
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著者は全共闘世代から少し下のはずだが、やはりあの時代をくぐったものとしての総括は必要だったのだろう。あの世代が老年と自らを称するところに、どうしようもない時間の流れを感じる。
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幼い時にテレビで見た映像が忘れられなくて、この手の話が気になってしまう。読んでしまえば終わりという感じ。
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連合赤軍事件で生き残った女性が主人公。もちろん架空の人物だが、綿密な取材に基づくリアリティはある。永田洋子の死、東日本大震災をきかっけに過去の記憶が主人公の封印されていた過去が甦っていく。そして、驚きのラストへ。
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連合赤軍事件、浅間山荘事件を現場で生きた女性が3.11を経るところから40年の沈黙を破っていく連合赤軍を書いたものとしては新しい切り口で斬新。実在の坂口弘や永田洋子も登場し臨場感がある。連合赤軍自体の人物の気持ちはわからないし共感できないが浅間山荘事件の歳に産まれた身としてはそんな時代の日本が(沖縄返還、日中国交正常化も同年1972)そう遠くなく今の日本を形成するひとつの大事な起点であったことを忘れてはならないと思う。作中の主人公の姪は、まさに今の20代の反応だろうと。またこの作品で素晴らしいのは連合赤軍や浅間山荘事件などについての余計な説明がなく読書に媚びていない。こういう潔さが個人的に好きなのと小説としての読書へのご褒美としての、ラストの感動は嬉しかった。
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桐野作品にハズレなし。連合赤軍の一員として山にこもり、服役した後、一人で生きて来た女性が永田洋子の死、東日本大震災をきっかけに、かつての仲間と交流を持ち、過去と向き合うようになる過程を一気に読ませる。
連合赤軍のリンチ事件の報道に接したときの恐ろしさや、震災後の重苦しい日々を思い出した。途中から、この物語を何処に着地させるんだろうと気になって仕方がなかった。そして衝撃のクライマックス。わぁ、こう来たかっと興奮した。
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連合赤軍がひき起こした「あさま山荘」事件から40年余。メンバー同士でのリンチ殺人「総括」から脱走した西田啓子は、服役を経て静かに暮らしていたが…。女たちの連合赤軍の真実を描く。
全共闘世代の桐野夏生がその時代を描いたのは「抱く女」以来か?連合赤軍事件については私は年代的にも概略的なことしか知らないけれど、「抱く女」に比べれば史実をもとに実在の人物も登場させて書いているせいか、はるかに訴求力のある作品だった。ラスト2ページの展開もなかなか刺激的だった。
(B)
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連合赤軍事件の生き残りメンバーの今の話。
啓子、ちょっと勝手だよ。妹の気持ちもわかれよ。 という思いの前半でしたが、最後は何だか良かったじゃん でした。
今までの桐野さんの中では一番受け容れられました。
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3.8
連合赤軍事件を、西田啓子という架空の人物の視点から描いている。
永田洋子、森恒夫ら、実在の人物も。
この事件を扱った映画や本は他にも触れる機会があったが、何度見ても救いのない反吐の出るような事件。
自分が、「集団」というものの性質を知るきっかけにはなった事件だ。
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連合赤軍事件の史実に基づき、実際には実在しない架空の女性・啓子の目線を通して、事件が語られる。
帯にあさま山荘事件とあるので、その話がメインだと思っていたが、もう一つ、問題になったリンチ事件に焦点を当てている。
物語自体がつまらない訳ではないが、啓子の自分勝手な物言いがとても不快感を感じる。桐野作品が大体そうであるけど、自分の犯した罪を罪とも思ってなく、自己弁護に終始徹する啓子に最後まで共感する部分がなかった。学生運動が盛んな時代を知らない私には、啓子がなぜ連合赤軍に加わったのか、動機も理解出来ないし、周囲との関係を遮断したと言いつつ、いろんな人に接しては、自分を正当化する…そんなことを言われても、私も姪の佳絵と同じく、啓子は「テロリスト」だと思うし、決して許されることではないと思う。小説としてはありだけど、実際に啓子のような人がいたら、決して許せない読後感の悪い作品。
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連合赤軍事件犯人たちのその後。史実をもとに描かれた赤軍内部の様子などは面白く読めたし、主人公啓子を中心とした彼らのその後、生きざまもなかなかの読みごたえだった。啓子の性格に難があるのは、作家の作為なのかそれとも当時の赤軍参加者はあんな感じだったのか計り知れないけれど。あと最後のおちは、少しがっかり。
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連合赤軍の冷酷なリンチ事件。20代の若者が狂気に満ちた事件に関わってしまった経緯が少しわかった気がする。熱すぎる集団の心理はこわい…犯してしまった罪は重いけれど結末には救われました。読んでみて良かったです。
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桐野版『ノルウェイの森』と思った『抱く女』と同じくらいの時代を描いたもの。私はその時代の人ではないし、その関連書籍も読んでいないので深くは知らないけれど、すっと読めていった。桐野さんと同じくらいの年齢の方は、より深く読めるのではないかな。
会話が多くサクサク読めていきますが、もう少しだけでも、心の中を深く描いても良かったのでは。しかし、生の人間をありのまま書いていたりで、まあこれはいいかな。
桐野さんの中でも書くことにより、この時代のものを一つ終わらせたのでしょうか。
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39年前、主人公の西田啓子はリンチ殺人の現場となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余りの服役を経て、今は一人静かに暮らしている。
だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせとともに、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。
元の仲間、昔の夫から連絡があり、また姪の結婚をきっかけに、過去を告げねばならなくなり、さらに連合赤軍事件を取材しているというジャーナリストが現れて・・・(本書、帯解説より)
グリコ・森永事件に引き続きまたまた実際の事件をもとに書かれた連合赤軍事件、リンチ殺人や浅間山荘立てこもりなど生々しい事件でした。
主人公の西田啓子という人物はおそらく作者の作った架空の人物だと思われますが、その他の人物や行われたことなどは事実に基づいて描かれているものと思われます。
暗い題材の割には、その時の思想や信念、忘れたい過去におびえながらの毎日、世間の風当たり、などどれも深く掘り下げられることなく、ただ当たり障りなくという感じで描かれていて、特に心を動かされるというものがありませんでした。
だからどうなのだ、という。
ちょっと消化不良な読後感でありました。
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連合赤軍の生き残りとなった女性。
幹部の死の知らせをきっかけとしたように
一人静かに暮らしていた彼女の下に
当時の知人から連絡が入り始める。
逃れられない過去。
急に幕を下ろされたような結末。
【図書館・初読・6月5日読了】