紙の本
実際に自分で確かめてみる楽しさが良く伝わってくる。
2017/04/29 17:04
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この表紙、どこかで見たような、と思ったら著者は「ジャポニカ学習帳」の表紙写真を撮り続けた人だった。著者は40年以上も撮り続けてきたというから、それだけでもすごい。その長い撮影経験の中で撮りためられ、た世界の面白い昆虫の写真が体験談と共にたくさん載っている。
撮影のエピソードは読み物としても楽しい。何しろ最初の話が「ハナカミキリは花にはいない」である。花に紛れているのではなく、葉っぱの上にいる。いわれてみればその方がカミキリにとっても「寄ってくる虫が他の花に行かない」ので捕獲できる確率も高くなるわけだ。実際に自分で見ると話に聞いたのとは違っている、ということもあるのだなあと感心させられた。どの話も著者自身の体験から出た言葉なので、虫が好きなら「自分もやってみたい」と思ってしまいそう。実際に自分で確かめてみる楽しさが良く伝わってくる。スイカぐらいある糞のボールを実際につくる昆虫もすごいが、その塊を実際に手に取って見るというのはどんな気持ちになるのだろう。
東南アジア、オセアニアなどの地域ごとに分けて編集されていて、日本にも一つの章が充てられてはいるが、ページ数は少ない。全体に後半に行くほど著述が「淡白」になっていく気がする。
目次の小見出しが「ゾウのフンを食べる巨大フンチュウ」とか「脚の長さはだてじゃない」とか、それはそれでなかなか面白いのだが、目次でも虫の名前がわかれば「あ、あれだ」ともっと興味を引きそうな気がした。小見出しはそのままでも、せめてムシの名前の索引があればいいのだが。
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いい!ハナカマキリの表紙に惹かれて読んだが、大人が子供時代を思い出す、ジャポニカ学習帳の表紙には、こんな苦労があったのかと感慨深い。
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<目次>
はじめに
第1章 東南アジア~最も多様性に富む地域
第2章 オセアニア~固有種の王国
第3章 中南米~巨大昆虫を育む森林地帯
第4章 アフリカ~砂漠に生きる小さき者たち
第5章 日本~意外な昆虫大国
<内容>
「ジャポニカ学習帳」の表紙の昆虫写真を40年以上担当している昆虫写真の第一人者。世界を巡って、珍しい昆虫の写真と生態を報告した本。面白いです。昆虫と花のスリリングな駆け引き。またお互いに依存する虫たちやその異様な形態は意味があるとか…。一方謎の生態もたくさん。しかし各章の厚さの違いは、各地域の政情と比例している気がする。アフリカともっと面白い虫がいるだろうに、政情不安で取材ができない感じも伝わってきた。また、昆虫の王国は発展途上国なので、自然破壊が進んで昆虫の絶滅が心配されるなど、人類の横暴が哀しい。
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昆虫は子供の時には大好きだったが、今は全く興味なし。しかしここに登場してくる珍奇な昆虫たちとそれにまつわる研究を読んでいると、その奥深さに驚かされる。きれいな写真も相まって、手元に置いておきたい一冊である。
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完全に表紙買いです。
「ジャポニカ学習帳」の表紙写真と撮って来た著者が、世界中を巡って出会った珍しい昆虫を紹介しています。
カラー写真が豊富で、著者が昆虫を探す過程から書いてあり、昆虫初心者でも面白く読めました。
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ハナカマキリとかスイミングアンツとか、特に前半はむちゃくちゃ面白い。(いや、中盤以降も面白いのだが)。
全編を通じて生命の神秘が感じられるし、同じ生物として「個性豊かな仲間」との連帯感すらわいてくる。それは筆者の簡にして要を得た記述と、決定的瞬間をとらえた写真との相乗効果によって得られるものであるように思う。
にしても「スゴモリシロチョウ」って散々あおっておきながら「実は普通の蝶でした」というオチがひっくり返る。
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小学生に人気のノート「ジポニカ学習帳」の表紙写真を発売から40年以上にわたって撮り続けてきたカメラマンが綴る世界の昆虫探訪記。希少なシーンをオールカラーで味わえる豪華版!他人の子を食らうチョウ、タケノコが主食のカブトムシ、ゾウの糞の中で育つ巨大フンチュウ、“音”でコミュニケーションするアリ…世界中の奇妙で面白い昆虫たちが大集結!(中表紙)
【目次】
第1章 東南アジア~最も多様性に富む地域
第2章 オセアニア~固有種の王国
第3章 中南米~巨大昆虫を育む森林地帯
第4章 アフリカ~砂漠に生きる小さき者たち
第5章 日本~意外な昆虫大国
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ジャポニカ学習帳の写真で有名な山口氏の本。ハナカマキリで始まり、サムライアリで終わる。最後のサムライアリの生態は知らなかった。働きアリでさえ、自分でエサを食べることもできず、クロヤマアリに全て世話をさせている。クロヤマアリの働きアリが減ったら他のクロヤマアリの巣に奴隷狩りに行くという。そして卵と幼虫を持ち帰り、働かせる。これは驚いた。