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紙の本
親しみを込めて、様々な角度から語られた市川崑の話
2017/12/30 23:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年に亡くなった映画監督・市川崑の生涯を、市川崑自身が残した言葉や関係者の話をもとにして、いくつかの代表的な映画を中心として語ったもの。
著者は、読売新聞東京本社の文化部で映画を担当し、後に文化部次長からチュ長研究本部主任研究員を勤めた人で、映画評論家、ジャーナリストとして活動している人らしい。
著者は個人的に市川崑との交友もあったようで、この本全編にわたり監督のことを「崑さん」と呼ぶ語り口で綴っている。それが親しみを込めた語り口ゆえに、この本で語られている市川崑の姿がありのままのようにも思えてくるし、なんだか有名人と近しかったということを強調されているようでつまらなくもある。
けれども、全体としてやはり市川崑の人となりや、代表的な映画のことが語られていて面白く読んでしまった。また、映画作品のことだけでなく、監督になる前の話や、黒澤明らと立ち上げた四騎の会の顛末なども知れて、昭和から平成へと繋がる映画界の話も知ることができて興味深かった。
後半には俳優特に中井貴一らから見た市川崑のことや実の娘からみた姿についても綴られており、少し変わった角度から語られた監督論にもなっている。
その中で特に妻であり、脚本家で共同して脚本を手がけたりもしていた和田夏十のことにも触れられていて、市川崑作品の秘密に触れたような感じがした。
個人的には市川崑といえば横溝正史シリーズの監督であり、少し変わったところでは実写とアニメの合成作品であった『火の鳥』を手がけた監督であるという印象が強かったのだが、これを読んでもっと多くの作品を見てみたい気にさせられてしまった。でも、今から見るのはなかなか大変だ。ビデオ化されているものもすぐに見られるわけでなく、それよりも監督作品数がえらく多い人なのだから。
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