紙の本
渋沢流孔子
2017/04/20 00:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
渋沢による孔子の教えの解釈。
なかなか面白い。
投稿元:
レビューを見る
今度お札の顔になると言われている、日本実業界のパイオニア渋沢栄一氏の論語解説本である。
高校時代に漢文の授業で論語は多少勉強したが、きちんと読んだことはなかった(というか、原文は難しくて読めない)。渋沢栄一氏は孔子の論語や、歴史を本当によく研究し、論語論のような本をたくさん出版している。興味深いのは、孔子の説く道徳をいかに実際のビジネスの場面に応用していくかという観点で解説されているところである。とても分かりやすく、ありがたいお話が詰まっている。
この本の読みどころはもう一つあり、明治維新前後の歴史上有名な人物本人たちとの交流を通じて、○○はこういうタイプの人だ、と生の印象が書かれている。大隈重信は口だけ達者で実行力はないがいい友達だった、とか、伊藤博文は口も達者で実行力もあるがおごり高ぶっている、とか、西郷隆盛は寡黙で腰も低いが物事を強力に推し進める力があった、などである。
渋沢氏の書く、究極のビジネス本である。商売だからと利益を追い求めるだけではだめで、その裏に事業で人を助けたいという思いが常にあったという。偉業を成し遂げた後に書かれた本だが、説教くさくはない。彼のメッセージは若い人達のこころにどれだけ届くだろうか。
投稿元:
レビューを見る
渋沢栄一が論語を座右の書とし、数々の新事業を成し得る指南としたことはこの本から初めて知ったが、忠恕の心をもって事にあたったからこそ、あれだけのことを成し遂げられたのだろうと思う。