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とおりすぎた時間や過去を現在の所有物だと思いたい。だけどあの時わからなかった気持ちや想いをアーカイブするように理解したつもりにしたい、だけど、できない。今キリしかなかったし、今だってそう、想いだけにはもう触れられない。
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エッセイとかかと思ったら、いきなり始まる短編小説みたいな。
傷つくことをなぜリスクみたいに言うのか?傷つくことはなんのマイナスでもなく感情だから、必要経費とさて入れておくべき。
正しさを持ち出すと簡単に弱者になるし、聖者になれるし、優しくていちばん鋭利な言葉をつかえるようになるから是非ともそうしたい。
他人の感情を押しはからないと、他に判断する材料がないだなんて空洞
過去のきみは、きみの所有物ではない。今さら懐かしいとか嫌いとか好きとか、思うことすら図々しくて。
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もう語り得ない10代を、それでも語るとしたら。青春は本人のものなのか、後から見た大人が勝手に読み取ろうとしたものなのか。支離滅裂に見えても、バカに見えても、本人は青春してると思って生きてるわけじゃないけど自覚もあるだろう。その危うさ、バランス感覚。10代風、にならないように語れるのは詩人の真骨頂なのかも。
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過去のきみはきみの所有物ではない。この言葉を飲み込むまでに時間がかかった。十代って1番大切な時期に経験したこと、言葉、表情、ひとつひとつが今思えば自分のものであったかのように感じていた。それから自分があるのだと、だから過去は自分のもので自分の象徴なのだと。私は友人の過去と今との違いを不満に思っていた。過去は過去と割り切れない。あの頃を引きずって重ね合わせても重ならない彼女を受け入れられずにいた。でも、過去は過去、今は今だと思う。過去に縛られていないことがどれだけその友人にとって大切なことなのか分かった時、ここに存在する彼女を愛そうと思えた。正直な文面から、伝わってくる感情に多く共感できた。読んでよかったと思えた一冊。
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はじめ、読みながら、これは「詩」でもいいんじゃないか、と思った。伊藤比呂美の『とげぬき』だって「詩」になってるし、と。
しかし、読んでみると、描かれている心情の表現はこれ以上にないほどリアルで鋭いけれど、物語というものがはっきりあって、そこの部分はやはりフィクションなのだと思う。だからやっぱり「小説」かなあ。
でも、詩人にしか書けない小説だと思う。詩人が小説を書くと、一つ一つの文章は良くても、全体にまとまってないというか、小説的には今一つということもあるのだが、これは、いい。
あらすじだけ言うと、告白から始まって、いじめがあり、友情があり、家族の問題がありと、陳腐なほどの青春小説なのだが、表現と文章が、誰にもまねできない切れ味なので、陳腐さを感じる暇もない。というか、あらすじはこんななのに、よくもまあこんなキレッキレの小説に書き上げたなあと舌を巻く。
正直に言えば、自分が十代の頃に感じたムカつきをこれほどうまく表現してくれた人に初めて会った。こんなこと書いたらタイトル通り「嘘つき」みたいだけど。
そもそも本屋でこのタイトルを見て、十代の頃の思いがそのままでぎょっとしたのだった。
私も思ってたよ、若者に「その気持ちわかるよ」なんて言う大人は嘘つき、信用なんかできるか、と。
実は今でも思う。若者の気持ちに共感するなんて言う奴はよほどの鈍感かバカか嘘つきだってね。
作者も30歳だけど。
何十年も前に十代だった私がこんなに気持ちをかき乱されたのだから、ほんものの十代がこれを読んだらどんな感じだろうと思った。
ペンネームが「最果てで死す」で中二病みたいだと、今まで避けてきた詩人だったけど、他の作品も読んでみようと思う。
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十代が読んだら共感するんだろうか、許せないんだろうか、そしてこれを書いた人も読んでる自分も、十代ではないという裏切り。
多感とか、青春とか、子どもだったとか、そんな言葉で括られそうな日々でも自分は今しか生きてないし、生きてなかったんだよなあ、と。
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濃密で、共感できて、主人公が正直で真っ直ぐで良かった。二日間のできごとを、カズハの視点から、これほどつらつらと冗長にならずに書ける技術とセンスは羨ましい。
「(……)私こそ罵詈雑言辞典が欲しい。そしてその分厚い本でかつんと額を殴るのだ!」というくだりは、それまでに出てきた思考上のモチーフを使いつつ予想外の使い方で笑わせてくるし、「全員がメガネかけていたらっていう前提だけど、肉体殴るのは嫌だけど、メガネぐらいまでは危害加えたいよ」という文章はニュアンスが伝わるしコミカル。そしてこれ以降も出てくるモチーフ。
良かったけど、大きくなったら読めなくなるのかな。母は読めない無理と言ってた。
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相変わらずのマシンガントーク地の文。
なんてーか…共感半分胸くそ悪さ半分、みたいな…。
その気持ちが分かってしまうからこそ自己嫌悪が捗ります不快、みたいな。
とりあえず主人公、お兄ちゃんのことは歪にちゃんとすきだったんだな、ウン。
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頭の中はたくさんの言葉で溢れていて、友達との会話もお互いすごい勢いのマシンガントークで繰り広げられていたあの頃。電車でとなりのおじさんにうるさいって注意されたことを思い出した。時間が足りなかった。早く話していないと、この時間はすぐ終わってしまうって思っていたから。
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この著者の言葉が文体が本当に好き。繊細でいて暴力的な表現と主人公カズハの人間らしからぬ人間らしさがとても魅力的で、読みながら笑顔になっている自分がいた。僕もこういう綺麗な言葉や表現ができる大人になれればいいなと思う。どことなくFさんに似た部分も感じる。
最果タヒさん、ずっと気になってたけど読んだのは初めて。これからどんどん作品に触れさせていただきます。
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心の中で やや馬鹿にしてた(下に見てた)
初岡が ちゃんと外の世界で
自分を創っているのを見て
和葉が 自分のさげすみや
甘えに気がついて パニックになる場面。
穴があったら入りたい
状態に ニヤニヤした笑いと
甘酸っぱさ 懐かしさ恥ずかしさ
そんなものを 思い出しました
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2017.12.31
大晦日何を読もうかなと思って積読しあったこの本を選びました。すごい。女子高生のたったの三日間が一冊になってる。これぐらい、考えだと思うし、つぶやいてたと思うし、文句と言ってた気がする。女子高生だ。
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”フラニーとゾーイ”の日本版のような、本のカバーが草間彌生の水玉!と思って、読んでみようと・・これは、水玉でなくインクかな、 感想を 面白かったですねぇ、ずーっと笑いこけて読んでいて、リストカットする人も気楽に生きれたらとか思った。”今”の定義って難しい。10代がキラキラしたものであったとしたら、その人は充実した10代を送ったのでしょう。まだ保護される立場であり大人になろうともしてる、青さは甘酸っぱさですか? 思春期が芝刈りしみたいに不毛だったので、想像もつかないですが、人それぞれのキラキラした時代があるのでは、、まずは”NOW!”ですね。
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『感情はサブカル。現象はエンタメ。
つまり、恋愛はサブカルで、セックスはエンタメ。』
「でもみんな結婚する前に、複数と関係持つじゃん。つまりそれは時間軸でばらついているだけ。私のお父さんはそれを同時に成し遂げているだけ」
『人間はどこまでと人間に不満があり、最高にかしこくて最高におもしろくて最高に美人な友達が欲しいけれどそもそもいないからテレビを見るの。ああ、マツコデラックスと友達になりたい。』
「でも奇跡的な出会い以外に、マツコデラックスでもない人と一緒にいる理由って、会話する意味ってあるの?」
「本当の意味で人を好きになるとか、本当の意味でかなしいとか、本当の意味でうれしいとか、なんなんだろうね。じゃあ本当の意味ではないけどかなしいとかがあるわけ。それはなんなの。ただの嘘なんじゃないの。」
『だから圧倒的に間違っている人を見つけて、みんなで石を投げよう! 避難しよう! とてつもない快感があって、やっぱり共感っていいよね、と一人の死体を前にハイタッチ。』
「こんな気持ち悪いのにいいんですか?」
「え、お兄さん? 気持ち悪いことないよ」
「でも、価値観のふりした先入観にまみれてみませんか? それでいて理屈がなくて、なんか偏見をかためたようなかんじ。」
『兄よ、恋ですか。愛ですか。他人の「なんとなく悲しい」に振り回されて対応できないと血の色は青とか言われるなんて私はごめんだ。』
『他人の感情を推し量らないと、他に判断する材料がないだなんて空洞ですよ、三井さん。』
『机に近づいたら、小さく死ぬとか馬鹿とかも書かれて、それはそれでいいんだけど、他に思いつかなかったのかな。罵詈雑言辞典とか、発売されたりしていないのか。』
『そこまでじゃないのに私はだからラーメンの感想なんて口にした。あーあ、OLみたい。そのうち天気の話とかしだすのかな。』
『私こそ罵詈雑言辞典が欲しい。そしてその分厚い本でがつんと頬を殴るのだ!』
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音楽に救われたって言ってる子に永遠に勝てない。
感受性が強いのは若い人間だけれど、感受性を尊重したがるのは大人ばかり。
「作るって何。私が妥協して、好かれるように頑張るってこと?偶然的に愛し合っていて、だから付き合うっていう形式以外不純だし、まあ不純でもいいんだけれど、愛なんて不純でいいと思うんだけれど、でも私はそこまでして沢くんに好かれたいわけではない」
「そういう正論、実感もしてないのに言うのはなんなの?苦手な人くらいいるでしょ、一緒にいたら楽しいとかそんな物理法則ないでしょ。宗教かよ。愛で世界を救ったこともないのに、愛は素晴らしいと思ってるのもなんなの」
弱いとえらいの?強いと悪いの?
彼らは私の年齢をちょっと哀れんで、そして見くびって、語るしかできないのだ。過ぎ去ってしまったから。
私はきっと自分の過去をみくびることで今の自分を正しいだとか大人だとか思おうとしている。
自己嫌悪とか、自己犠牲とか、当然の神経だと思いすぎてない?私は私を大事に思うそのことを絶対に恥じないしわ一番原始的だとすら思うよ。
過去のきみは、きみの所有物ではない。
2018.8.5