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またしても困惑させられた。
またしてもラスト、空間が歪む。
あれは「現実」なのか?
この作家のリーダビリティに騙されてはいけない。
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「なんだかわからないがそういう仕組みができてしまってできてしまったから続けている、延々と続けている、それだけのことではないかと考えるようになった」
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キャラクターや物語の構造から分かろうとすることが拒まれる、そんな状態に浸る読書が久しぶりだった。あぁ、いいなぁと思った。
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どう感想を書いたらよいか分からない本に出会う時があるんですが、まさにその一冊。起承転結の結を期待すると肩透かしだが、作品に流れる空気感を楽しむなら最適なのではないか。社会のレールからややはみ出してはいても何処か満足そうな登場人物たちへの親近感や、思わず頭で図画してしまいそうな風景描写など、妙に印象に残ってしまう。NHKあたりで映像化したら以外とハマるのかも。でも、表題作以外自分には難解だったかも…。
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柴崎友香さんが芥川賞を撮った作品ですが、これ自体は、さほどいいとは主ませんでしたね。好きな人にはいつもの彼女ですが、褒めるのに苦労する感じ。
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登場人物の言葉や振る舞いがとても素直。小説だからと変に飾り立ててなくて、きっと自分もこんな反応をするんだろなと思った箇所が沢山あった。するすると読み終える。
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映画で時々見かけるドリーのような手法とでも言うのか、あるいは今風のドローン撮影のような感じと言う方が良いのか、視点が緩やかに変わっていくのに感覚的について行けず一寸苦労しましたが、巻き戻して(言い方が昭和…)再度読み直すなどすると慣れました。内容はともかく、豆腐への収斂がとても面白く印象的でした。
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[春の庭]
ラスト、太郎がなぜそういう行動をとったか?
その心情が肝なんだろうけど、ダメだ、分からん。
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古いアパートに住む離婚歴のある男性と、写真集の舞台となった隣家に異様な関心を示す女性の日々を描いた芥川賞受賞の表題作ほか、3つの短編を収録。
写真集の家に執着する女性の行動こそ変わっているものの、主人公の男性の日常は淡々としていて、とらえどころがない。取り壊すことが決まっているアパートと隣の家での出来事が大半を占め、すべては現実的なのにどこか宙吊りにされているような不安定さも伴っている。
極めつけが、終盤語り手が突然男性の姉に変わること。全体をとおして、心地よい不可解さとでも言ったらいいのか、読後にもっと理解したくてパラパラと読み返してしまう一冊だった。
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そっと秘密にしておきたい作品。水滴が一面につくクモの巣に見惚れるように、見つけた人だけが心にとどめる。
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表題作よりも書下ろし短編がもっとも読みやすかった印象が強い「オチの無い」短編集でした。モヤモヤを引きずりながら解説を読んでなんとなく共感は得られたものの、結局何が言いたかったのかスッキリしませんでした。アクタガワ賞の敷居の高さに打ちのめされた感あり
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水色の壁の家を追う辰さんのお話
初めなんか読みにくくて最後の方は割と難なく読めて、解説(話が浮いている。最終話手の視点が姉である判明する)読んでそうゆうことなのかも、と思った
そこまで好みのお話ではなかった
2個目の「糸」のが好き。
母親が亡くなる。落語家の父親が暴力を振るっても母親は我慢するしかないと主人公に言い聞かせ、主人公は法則なく怒りを発散する父を恐れていた。法事?で母親が一人で暮らしていた家に居ると近くで男が女に逆恨みした殺人事件が起きる。離婚した妻との息子(頭が良く、大学に行くつもり。男の子が好き)はその殺人事件を起こした犯人に出会っていた。
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自分が到底住めない家に憧れること、何となくわかる気がするなぁ。色々な妄想をしてみて、実際に中に入って色々感じてみて。最後の太郎は何を感じたんだろう。自分の身の丈?それはよくわからなかったけど、何となく気持ちはわかるなぁ、という感じ。
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えっ反応に困る内容だった
ちょっと解釈むずかしい、入り込む前に終わってしまった感、残念…
2021/4/29 ★3.0
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読書開始日:2021年8月28日
読書終了日:2021年8月29日
所感
また不思議な作品だった。
春の庭にはそれほど人を惹きつけるなにかがあったんだと思う。
太郎が睨んだ通り、「素をわざわざ作り出すことに長けた男」が作り上げた写真集には、真実を確かめたくなるような、駆り立てるなにかがある。西も太郎も普通にズレている。
平然と真偽を確かめに行く。
そこの心理描写が無いあたりが違和感を強める。
家の中に季節があることに驚いた。
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本全体の感想が、まさに「春の庭」という感じでした。
ほのかに暖かくて静かで、平和。なにか刺激的な本を読みたい方にはおすすめできないですが、静かな本を読みたい方にはおすすめです。