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【ドラマ化もされた傑作シリーズ最終巻!】子供をさらって手にかける老人の秘密。裁きを終えた事件の裏ににおい立つ女のサガ。牢内に潜む難事に人情味あふれる青年獄医が挑む!
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シリーズ最終巻
「戻って来た罪」「見張り」「待ち伏せ」「影の男」
「女の部屋」「別れゆく季節」の6篇
牢医者として、牢内の者からも認められ、叔父・叔母からも徐々に認められてきた登。
様々な事件に関わり、様々な人の生き様を見て、成長する。
犯罪者の濃い人間関係に真っ直ぐに立ち向かう登の姿が、清々しい。
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4巻目読了。
藤沢周平の時代小説に出会えてよかったと思う。
立花登が成長していく過程に温かさがあった。
医者として、身近にいる叔父を純粋に尊敬している素直さや、叔母が望む跡継ぎを受けて、医業の修行に向かう向上心にも駆け引きがなく、気持ちがよかった。
4巻を通じて、登が悪党を柔術でやりこめる様子を、当たり前だが文字で語られる様が、テレビドラマなど映像に慣れた身にはかえって新鮮で想像力を掻き立てられる気がして、面白かった。
この巻の5話目の大黒屋の事件だけが、若干消化不良というか白黒はっきりつけない終わり方だったような印象を持った。結果としては私もそのほうがよかったが、腎臓を患った大黒屋の主にとってこれでよかったのか、遠島を言い渡された新助はそれでいいのかなどやや気を揉んだ。
藤沢周平さん、まだ何冊か購入しているので、また続けて読んでいきたいと思う。
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医師としての理想を模索しつつ、何時に挑む青年獄医、立花登の事件簿シリーズ完結編。
一つ一つの事件の裏に潜む人の愛憎が描かれ、立花登の青春とともに人間ドラマが展開し、物語の深みを味わうことができました。
立花登のこれからの未来を感じさせるエンディングもとても味わい深かったです。
今は亡き作者が惜しまれますが、ぜひ医者として独り立ちした立花登の活躍も読みたかったと改めて感じました。
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202104/時代連作集「立花登」シリーズ全4巻まとめて。事件解決的にはワンパターンだけど、風景や心情などの描写が素晴らしく、こういう表現の仕方もあるのか、と文章に引き込まれた。結末や罪人・被害者に救いがない展開もあったり全体的に暗めのトーン、謎解決を楽しむというより、事件を通して主人公の成長や人の世のやるせなさを見ていく感じ。主人公は当初想像してた清いさわやか青年というのではなく、割り切りや若者らしい図々しさもあったり人間臭くて面白い。(あそこで抱いちゃうのか!という展開には驚かされた…笑。)
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青春は未来への希望、正義感からの闘い、などあるが、異性への渇望も大きなひとつ。藤沢周平描く立花登はこうだ。
巻(一)『春秋の檻』の中の「女牢」での物語が印象深い。それは患者の妻ではあるけれども、登がひそかに惹かれてて初恋のひとになった「おしの」との場面。獄医の登は女牢でその人と再会。「夫殺し」の罪ある「おしの」。あした死刑を受けるその女性の望みは登に抱い欲しいと。そして実行する。「これでいいんだ」と思った登の青春。
有名な漱石の『三四郎』での、旅宿の同部屋になった女性に悶々とした三四郎、結局「いくじなし」と言われた不甲斐ないような青春の真逆に比べると、一段とみずみずしくほんとうを感じる。
だからこそ、身近な「おちえ」結ばれる最終章の盛り上がりの場面にちらと描写される、
「表町の不動様の位置に、登は心あたりがあった。登の心に、今も消えがたい傷を残している女、亭主殺しのおしの。その殺された亭主の友だちだった参吉をさがし回ったときに、通りかかった場所だ。」
ここを読んで「登」青春の終わりへのもの悲しさ、なんともいえない情緒漂うのを味わった。
突拍子もないけど、こんな唄を思い出す
赤いサラファン縫うてみても
楽しいあの日は帰りゃせぬ
たとえ若い娘じゃとて
何でその日が長かろう
燃えるようなその頬も
今にごらん 色あせる
その時きっと思い当たる
笑(わろ)たりしないで母さんの
言っとく言葉をよくお聞き
とは言え サラファン縫うていると
お前といっしょに若返る
(ロシア民謡、作曲:A.ワルラーモフ、日本語詞:津川主一)
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「戻って来た罪」叔父の瀕死の患者から三十年前の子殺しした相棒の話を聞く。「見張り」牢屋で聞いた押し込みの話に知り合いの名が出てきた!その男の女房が具合が悪いのに支払いを気にしていた。
「待ち伏せ」牢屋から放免された男が何人も殺されかけた。狙いは馬六で、娘の嫁ぎ先に昔悪事をしていた男を見かけていた。「影の男」百両盗人が無実だと言われ、色っぽい女房をヒント「女の部屋」手代が女将に襲い掛かった客を殺した事件。これも色っぽい女将が 「別れゆく季節」上方に行くことが決まった登に以前のおあきが絡んだ事件の復讐されて、おあきを人質にされた! 最後はおちえとふたりだけの
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藤沢周平 著、獄医立花登手控えシリーズ、「春秋の檻」「風雪の檻」「愛憎の檻」「人間の檻」、完読しました。「人間の檻」、2017.4発行、連作6話。シリーズを読み終えて、このシリーズは柔の達人で医者を志す立花登と叔父・叔母の娘おちえのラブストーリーだということがわかりました(^-^) 面白かったです!
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最後まで格好よかった!
落ち着くとこに落ち着いた感じで、主人公が変わっていって周りも変わったのかな。
旅立ちに向かって終わる物語はいいな。