紙の本
待ってました
2017/06/30 01:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にしかわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
遠野春日氏の描く、素直になれないひねくれた男と、それをじっと見つめて慈しんで待つ男。
前者が陥落した後に訪れる深くて濃密な時を読みながら待っていました。
元カレの男が、主人公の冷えてささくれた心を、これもまた広い心で、優しく温かな目で見つめています。
会社経営者が主人公なんで、社内の根回しなんかも出てくるし、元カレが、核心には触れず、遠回しな駆け引きめいた会話から、
詰め将棋のように主人公を追い込んで、本音を引き出させるところが面白かったですね。
ステップファミリーの悲哀などもテーマになっていて、主人公の感受性の強さや本来持っていただろう優しさ故に
こんな歪んだ精神になってしまったのだろうと考えさせられました。
電子書籍
義兄弟
2020/03/31 11:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
義兄弟系は背徳の感じとでも別に犯罪じゃないかなーっていうのがあるので、設定が好きです笑
昔恋人とのあれこれを見ちゃって義弟は色々複雑な気持ち抱えてて・・・。
っていう色々複雑な思いが絡み合ってるお話でした。
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遠野さんの既刊『背徳は蜜のように』の焼き直しかと思ってしまいました。
血の繋がりのない兄弟もの。
性格よくて家事万能で有能と、とにかくよくできた弟で、人間性に難があってツンツンしてる(好きすぎて意識するあまり、わざと冷たく当たっちゃうって小学生ですか)義兄のどこがいいのか、顔以外でいいところ10個あげて教えていただきたいぐらい。当て馬までも「誤解されやすい人だから」と顔以外取り得がなさそうな義兄を擁護するのが、とにかく不可解でした。
父親の介護問題は……どうなんでしょう。その決着方法でいいの?としか(義母さん可哀相過ぎる)。
個人的には『背徳は蜜のように』のが好き。エロは回想のモブ義兄と、最後の最後に想いが通じ合ってからの……のみなので、期待しない方が賢明かと。
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プライド高くてつっけんどんで高慢な美人受けのお兄様、端から見ると冷たくて機嫌をすぐ損ねる壮絶に扱いにくい人だけど、内面は繊細で不器用で、うまく優しくできない、人間味のあるひとでした。それだけに、221Pを読んだときはひえー!かわいいー!!!と悲鳴を上げて崩れ落ちました。なんと愛しいことでしょう……!
めちゃくちゃやっかいな美人だけど、攻めはそんなお兄様が大好きなので末永く幸せにおすごしいただきたいです。
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フツーに面白かったのにどうして評価が低いのだろう、と思ったら、似てる作品があるとのこと、そちらは未読です。
やっぱり遠野センセは文章がとても上手くて読みやすくストレスなく安心してサクサク読めます。遠野節、というのか、ハイソな受けの偉そうなセリフ回しも私は大好きなのでOKです。
「美しい義兄」とのことで、義兄を恋慕するところから始まるのかと思ったら、あれ、義兄自身の視点からでしたね。視点は入れ替わってゆきます。
以下ネタバレ。
親の介護の話がちょっと……かな。実体験中なので、介護から逃げちゃう酷い嫁の気持ちもわかるので弁護もしたくなります(笑)。介護を担う後妻も辛すぎるし、自分たちが出て行ったら義兄に介護が重くのしかかるって絶対わかるはず、特に義兄のことが好きならなおさら、と思わないでもないが、まあ、それはそれでさらっと流します。ど真ん中にいるので語ってしまいましたが、ファン層で私と同年代て結構いそうなので、ムズムズする人もいるかも。
一緒に住むことになった義兄弟が互いを思いあってるのにすれ違ってすれ違って、いいヤツなくっつけ役の当て馬もいて、最後の最後でハッピーエンド、というお話です。プラス契約結婚した妻や介護の必要な頑固な父親、こき使われるその後妻。
実は少し前に読んで「あれどんな話だったっけ?」と思い出せず、読んだら面白い、でもやっぱり忘れちゃう感じではあります(汗)。こう書いてみるとこれで作品をきれいに仕上げちゃう遠野先生はやっぱりすごい。