紙の本
優しい話
2020/04/11 14:16
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投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
優しい話でした。
婚約者に突然振られた主人公が『ビオレタ』という店の女店主に雇われて、人が色々な想いやものを『棺桶』に入れて埋葬するのをみたり、手伝ったりする中で、新しい恋をしたり、自分の中にある気持ちに向き合って成長していくのが羨ましく思えた。
うまく言葉にできないけれど、感情を埋葬する、そういう場所があるのは良いなと思った。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が棺桶に入れられて埋められたい、そんな気持ちのときに読むものじゃないな。
もっと穏やかな気持のときに読めばよかった。
紙の本
ビオレタ
2024/02/07 12:45
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
婚約者に別れを告げられ、喫茶店で大泣きした妙を強引に連れ出した菫。菫は妙を自分の店「ビオレタ」で働かせるのだが・・・・・。
婚約者と別れた妙があっという間に千歳と男女の関係になるとは。婚約者と別れた妙の性格を見誤ってました。簡単に男性とワンポイント感覚で付き合えるとは…。あまり好きではないパターンでした。
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冒頭から含蓄ある言葉と共に印象的な登場。でもそれ以降は短い受け答えばかりで、思ったより菫さんの魅力を感じることができなかった。その人の持つ魅力に気づくのは毎日傍で共に働く人の特権なのかもしれないな。
妙母の言葉、菫さん親子のエピソード、千歳さんの生い立ち…三者三様の母親像が砂地に水が吸い込まれるように胸底に沁みわたっていく。
ビオレタの良い凸凹コンビになりましたね、短編「夢の種」で胸を熱くしながら心からそう思った。
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婚約者から突然別れを告げられた妙は、菫さんに拾われて雑貨屋 ビオレタで働くことになる。そこで売る物は棺桶。行き場のない思い出や記憶を埋葬するための美しい箱。
菫さんはそういう他人のものを一手に引き受けている。自分は埋めてはいけないもの=背負っていくべきものを持ちながら。でもそれは本当は菫さん自身ではどうしようもないほどのもので。妙との出会いで菫さんもまた救われたんだと思う。
妙のお父さんが素敵な人。
私の中では読み終えてしばらくすると忘れてしまうような印象の薄い物語だけれど、はっとする言葉がちりばめられている。
装画 いわがみ綾子
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題名の「ビオレタ」、作者も今まで読んだことのない作品。
ちょうど手芸で小物を作成していた時だったので、表紙の写真で、手に取った本である。
題名の「ビオレタ」は、Violetaで、すみれ(バイオレット)の意味と分かった。
恋に破れ、自暴自棄の妙に、手を伸ばしてくれたのは、菫さんで雑貨屋さん経営。
築60年の自宅を回想して作られた6畳ほどの店。
不愛想な菫さんが作った綺麗な物、素敵な物の一杯詰まったお店で、働くことになった妙。
行き場のないものを入れる美しい棺桶を売るちょっと変わった店であるが、ここで働くことに満足している。
ボタン屋の菫さんの元の旦那さん千歳健太郎と、深い仲になるが、菫さんも、その息子蓮太郎共仲良く 生活を共用していくことになる。
そして、幼馴染で、結婚した元の旦那さんの健太郎と菫さんの実家の島へ法事の為同行する妙。
船酔いしながらも、そこは、妙を受け入れてくれていた。
島から帰った妙は、店の草の生え放題の庭に花を植えることを菫さんに提案して、ヤマボウシの木を植え、ベンチも設置して、綺麗にする。
この場所が一番良いと思える場所に。
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文庫化に際してスピンオフ的な短編が収録されたようで、その短編が好きだった。
本編は、なぜだか主人公が好きになれず、そういう意味では読みにくかった。
けど、小さな「棺桶」を売る雑貨屋さんという設定が面白く、登場人物達も濃いキャラなんだけど、それぞれに共感出来る部分があって、読みにくいと思った割にはどんどん読み進めていた。
雑貨屋さんの商品や庭を丁寧に作り込んで、個性派俳優さんをキャスティングして、映画で見てみたい。
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婚約者に突然、結婚を破棄された主人公の妙さんと不思議な棺桶を売るお店を営んでいる菫さんとその息子、元旦那を通じて、少しずつ自分の居場所を見つけなおしていくお話なのかな。
妙ちゃんのネガティブ思考(?)、わかりたくないけどわかるわかると思ってしまうことがあちこちに。そして、そんなときに効く心のビタミンになりそうな名文もあちこちに散りばめられている。
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寺地はるなさんをずっと読んできて、デビュー作にたどり着きました。
不思議な雰囲気を持っている作品だけれど、デビュー作に帰ってきてから読むと、主人公の妙に、現実感がちょっと薄い気がしました。千歳さんのような人も、稀有な存在でしょうね。ここから、始まったのですね。
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婚約者から突然の別れを告げられた女性が、風変わりな雑貨屋「ビオレタ」で働くことになり、自分の人生を見つめ直すハートウォーミング小説。
設定は現実的なのに、人物像が現実離れしている。冒頭の別れのシーンで主人公が発する「いやだ」の連呼で興醒めした。また、ストーリー上の重要人物である菫さんにも奥深さがないし、「棺桶」なる小箱も小道具として活かされてない。
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宮下奈都の太陽のパスタ豆のスープに似てる。主人公の嫉妬の感情はわかるし、自分のことを認めるのが大事だというのも理解できるが、落ち着く先はそこで良かったのか?
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他人と比べて自分はどうとか、そういった比較で得られるものって何だろう。優れている、恵まれている、安心感。だけどそこに本当に求めているものはない。自分の価値観、揺るぎないものを持った人には勝てない。必要とされる人になるためにその人をしっかり想う。その人の特別になるためにまずは自分が特別に想うこと。当たり前のようで難しい。強い弱いじゃなく深い心を持ちたい。ユーモアのある作品で優しさがあるけれどそれだけではない目線もある。これから注目していきたい作家さん。
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大きな事件が起きるわけでもない、日常を描いたストーリー。なのに心にぐーーーっときた。読みながらなんだか幸せだった。
私は主人公の妙みたいに、子供っぽいし、余裕もないし、しっかりしてる人が羨ましいし、だから共感しやすいというのもあるかもしれない。
全体的に優しさにあふれていて、泣きたくなる。
何よりところどころ、すごく好きな文章があって。それだけでもこの本を読んで良かったと思う。
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こう言ったらこういう返事か来るに違いない、だから言うのはやめとこう、なんて先回りして黙りこんでいたらねえ、なにも伝わらないよ
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あんまり、自分は駄目だ、なんて言わない方が良いよ。そういう奴らは萎縮してる相手を見て満足するんだ。ひとを見下して喜ぶようなくだらない奴にサービスしてやる必要はないよ。
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さびしいのは標準仕様でしょ。なんていうか。人間の。
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こうやってふたりでいても、さびしいよ。でもそれはあたりまけのことなんだよ。だならほんの一瞬でも、誰かと気持ちが通じ合うと嬉しいんじゃないか。
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【あらすじ】
婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、ひょんなことから雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店だった…。人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。
【感想】
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Tぬオススメ本。限りなく☆5つに近い☆4。
なかなかにこじらせた主人公妙ちゃんと、無愛想だけど拾って?くれた菫さんを中心に妙がなんか成長していくようなお話。
ほんわかと受け止めてくれる千歳さん、感情表現豊かな蓮太郎くん、無口だけど静かな愛情が感じられるお父さんや、騒がしくてもやっぱりお母さんも姉も弟も叔父さんも妙のことを思っていることが伝わってきて、読んでて癒された気がする。
妙はちゃんと言葉にすることができないのだけど、ほんとちゃんと伝えるって難しいよなと思う。
でもいろいろ深読みして伝えようとしなかったのが、なんとかここで伝えなくてはと思うようになっていくところが、周りにも伝わっているようで染みる。
なんか自分の感想もうまく書けないなあと思いつつ、とにかくこの本は良かったです。