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ヤクザの家に生まれたことを初めとして、日本の裏社会を歩み続けてきた著者の目から見た、戦後50年の表裏を繋いだ移り変わりが描かれている。そこには裏でしか生き残れない現実があり、バス174を見たときも思ったが、底辺を排除するだけでは解決せず、しっかりと目を向けて背景を覆わなければ新たな問題に繋がるだけなんだなあ。
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確かに「突破者」。でも要はヤクザ。こういう世界にこういう人たちがいるというのはよくわかった。「正義」ではなく、ただの「義」の人生。しかし、「偽」ではないだろう。それでも、近くにいたら不快だろうし、関わりたくはない。
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宮崎親分と会って一緒に食事をしたとき、直々にサインしてもらった一冊。
親分はお酒は全く飲まない。
スイーツ男子?・・・・
というよりも、いつ誰に襲われるか分からないし、酒なんか飲んで良い気になってるヒマは全く無く、いつも神経を研ぎ澄ませている。
キツネ目の男、宮崎親分のことを、オレは、血走った、感情的な革命家であると同時に、感情を押し殺して利害関係を冷静に見極めて、思想に囚われず現実的に行動する、恐るべき知能犯だと、そういうイメージを抱いていた。
実際に会ってみた親分の印象は、ヤクザのロビイストというよりも、大学教授のような、落ち着いた知的な雰囲気の人だった。
すげえカッコ良い。
女にモテまくってる。多分。
親分が参議院選挙に出馬したとき、応援演説に行った友達から聞いた話なんだけど、そのとき、親分の傍らにいて、秘書的な役割をしていた女性は、親分が敵対視していた団体Sの会員だという話だった。
本当かウソか分からない。
オレもその女性に直接会って話したことがある。有能な秘書で、やさしい人だった。まさにグレート・マザーってカンジだった。
とにかく、親分の周囲というのは、誰が味方で、誰が敵なのかよく分からない二重、三重、四重のスパイが入り乱れて、とても素人が立ち入るスキは全くなかった。
親分と一緒にメシ食ったその席には、私服の刑事もいたし。
親分に握手してもらった。一緒に写真にも写ってもらった。
素晴らしい思い出だ。
あの時から、オレはオレで、自分の人生を闘ってきた。
親分の凄まじい闘争に比べれば、極めて個人的な、小さなコップの中の嵐みたいなもんだったけど。
宮崎親分に出会えて良かった!
オレの人生を変えた一冊だ。
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ヤクザの家に生まれ、早稲田で左翼活動し、現在に至るまでの宮崎 学の半生記。
興味深かったのは、日ごろ跳ね回っているヤクザの近辺には必ず、グレートマザー的女性がいるという記述であった。
(マチズモとグレートマザー)
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当時は、一橋文哉氏の「闇に消えた怪人」の後に読んだ。先日「罪の声」を読み終わり、再読したかったので実家から救出。
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突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年
(和書)2009年04月21日 22:33
1996 南風社 宮崎 学
ゲバルトについて認識を新たにさせられました。ゲバルトでありながら理論的に構築するということとはどういうことかを考えさせられました。身贔屓の世界というものを突き詰めていくことも世界を理解するには必要なんだなって思った。
とても怖い感じもした。
とにかく読んでみて世界観を新たにさせられるという意味で凄い作品だなって思った。
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宮崎学は1945年、すなわち、終戦の年に生まれた。京都・伏見の暴力団、寺村組の初代組長を父に持つ。高校卒業後、早大に入学し、日共の一員として学生運動・左翼運動に明け暮れた後、中退。その後、家業である解体屋を継ぎ、荒っぽい、グレーな世界で活動する。本書は、1996年の発行。宮崎が51歳の時であり、副題にあるように、「戦後史の陰を駆け抜けた50年」の筆者の経験を綴ったものである。裏世界のしのぎの話が主たるテーマである。
単純に面白い。
闇の世界のあれこれが、リアリティを持って描かれている。それは、普段知ることのない世界であるし、想像もつかないような話が沢山描かれている。このような生き方をうらやましいとも思わないし、自分にこのような生き方が出来るとも思わない。しかし、このような生き方をした筆者を、単純に「すごい」と思う。それ以上の感想は持てないような本だ。