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<目次>
第1章 お化け愛の始まり~日本に登場した新しい怪談
第2章 馮夢龍と「解放の怪談」
第3章 怖い怪談の呪縛~日本の場合
第4章 お化けとの恋愛が認められるまで
第5章 日本に広がった「牡丹燈記」
第6章 町人文学の大暴れ~『牡丹燈籠』から『聊斎志異』へ
第7章 怪談愛の至高点『雨月物語』
第8章 アジアからヨーロッパへ~『メ―・ナーク』と『レノーン』
第9章 西洋でも、生死を越えた恋が成就した!
第10章 圓朝版『牡丹燈籠』と文章変革
第11章 駒下駄の音と新しい演出
終章 霊との共同生活、ついに実現!
<内容>
博覧強記の荒俣さんの本。今回は「オバケ」。と言っても一般化したわけでなく、『牡丹燈記』(中国)→『牡丹燈籠』とアジアから欧州への広がり。このポイントはお化けとの恋愛!江戸川乱歩はとうに気付いていたようだ。
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荒俣宏さんはテレビ番組に出てくる作家みたいな感じでしか知らなかったけど、調べると多彩な方なんですねぇ。
妖怪評論家で、妖怪のことはいろいろお詳しい。
私自身、妖怪については魅力を感じるものの、奥深く知らず、子供の頃に読んだ物語や水木しげるさんのゲゲゲの鬼太郎を知るぐらい。
鳥取の水木しげる博物館に行ったり、子供に付き添ってスタンプラリーもちゃんとやってきた程度。
さて、お化けとは?
いつから、どこでどんな存在だったのか。
中国から始まり広がる。
お化けの話は同じようなパターン化された話が多く、ほとんどが男性目線だ。
女のお化けは美しいことが前提のようだ。(そうじゃないと男が騙されてついていかないもんね。それに女のお化けの方が怖いイメージがある。それは幽霊画やお化けの絵には女が多いから植え付けられたイメージでもあると思う)
そして、小説でも古い時代のものを読むと、男性の方がエライ、女性は下。
「女十悪」というのがあり、その内容は偏見に満ちていて、本当にひどいなー!
今だとバカかと思うようなことが普通だった。
この前読んだ『風と共に去りぬ』にも妊娠は恥ずかしいことだ、話題にしてはいけなかったという描写があった。
そんな時代、場所に生まれてなくて幸いだ。
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まえがき
第1章 お化け愛の始まりー日本に登場した新しい怪談
第2章 馮夢龍と「解放の怪談」
第3章 怖い怪談の呪縛ー日本の場合
第4章 お化けとの恋愛が認められるまで
第5章 日本に広がった「牡丹燈記」
第6章 町人文学の大暴れー『牡丹灯篭』から『聊斎志異』
第7章 怪談愛の至高点ー『雨月物語』
第8章 アジアへヨーロッパへ―『メー・ナーク』と『レノーレ』
第9章 西洋でも、生死を越えた恋が成就した!
第10章 圓朝版『牡丹燈籠』と文章変革 第11章駒下駄の音と新しい演出
おわりに 霊との共同生活、ついに実現
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これからの季節にはピッタリかも。
荒俣さんの存在はずっとおもしろいと
思っていて、著作をいつか読みたいと
思っていたところに新書が出ていて読んでみた。
お化けと聞くと怖い話だと単純に思ってしまうけど
考えてみればどのお化けにも出てくる理由があり、
元々生きていたのだからその理由にも人間味がある。
それが恋愛怪談なるものならばストーリーも
面白く、現代人でも楽しむことができる。
怪談の歴史や解説に加えて『剪燈神話』や『牡丹燈籠』、
『雨月物語』や『レノーレ』といった作品も
載せられているから話を楽しみながら読める。
それにしても時代だから仕方ないけれど
当時の女性の扱いがひどい。
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荒俣宏先生による最後となるかもしれない「お化け学」の本です。お化けを愛するという最高の愛情表現について、中国や日本の文化・文学を中心に東南アジアやヨーロッパにまで視野を広げて書かれています。「ゴースト/ニューヨークの幻」や「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」など死を乗り越えた男女の恋愛を描いた作品の源流といえるだろう中国や日本の古典を紐解きながら触れているうちに、だんだんあの世も良いところなんではないかと思うようになってきます。最近流行りのゾンビも実は昔から脈々と受け継がれてきているんですね。
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古くは中国の怪奇譚から、それがいかに日本に伝わり、怪談として人の心をひいたのかを教えてくれる。怪談の原型もおもしろい。
現実が満たされないから、幻想の世界で夢を見たいと思うのは、今も昔も変わらなぬ人の性なのだろうな。
お化けを愛するものに悪い人はおるまいって気持ちになる。
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お化けの愛し方というより幽霊美女の愛し方。
三遊亭圓朝『牡丹灯籠』では、美女お露の履き物の音を当初は「カラコロ」とし、幽霊と露見してからは「カランコロン」に変えている。さすがは稀代の噺家。怖さの勘どころを解っておいでだ。
本書に触れられていないが、カランコロンと言えばゲゲゲの鬼太郎の下駄の音。水木先生は知ってか知らずか、圓朝のオノマトペを継承していた。
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相当面白かった!
一言でいえば死者との恋愛についてだが、
洋の東西を問わず、時間も空間も幅が広い。
そして文芸史、文化史、死生観、歴史、人のメンタル、文化受容史、表象史、怪談史と射程が広い。
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内容説明
お化けは「怖い」。そうしたイメージは、いつから生まれたのか。『牡丹燈籠』や『雨月物語』。タイの昔話に、西洋恋愛怪談の『レノーレ』。乱歩が見出した幻の書『情史類略』…。怪談の起源を探る中で見えてきたのは、実は人間とお化けは仲良くなれるし、恋だってできるという、衝撃の価値観だった―。この本を読めば、あなたも「あの世」に行きたくなるかも?
目次
まえがき
第1章 お化け愛の始まり―日本に登場した新しい怪談
第2章 馮夢龍と「解放の怪談」
第3章 怖い怪談の呪縛―日本の場合
第4章 お化けとの恋愛が認められるまで
第5章 日本に広がった「牡丹燈記」
第6章 町人文学の大暴れ―『牡丹燈籠』から『聊斎志異』へ
第7章 怪談愛の至高点『雨月物語』
第8章 アジアへヨーロッパへ―『メー・ナーク』と『レノーレ』
第9章 西洋でも、生死を越えた恋が成就した!
第10章 圓朝版『牡丹燈籠』と文章変革
第11章 駒下駄の音と新しい演出
第12章 霊との共同生活、ついに実現!
おわりに
あとがき
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「<現代の知の巨人〟荒俣宏が出した〝人生の答え〟とは!?>
お化けは「怖い」。そうしたイメージは、いつから生まれたのか。
「牡丹燈篭」や「雨月物語」。タイの怪談に、西洋恋愛怪談の「レノーレ」。幻の書『情史類略』……。
その起源を探る中で見えてきたのは、実は人間とお化けは仲良くなれるし、恋だってできるという、新たな価値観だった――。
ジャンルを越えて語りつくす、これぞアラマタお化け学終着点の一冊!
目次
お化け愛の始まり―日本に登場した新しい怪談
馮夢龍と「解放の怪談」
怖い怪談の呪縛―日本の場合
お化けとの恋愛が認められるまで
日本に広がった「牡丹燈記」
町人文学の大暴れ―『牡丹燈籠』から『聊斎志異』へ
怪談愛の至高点『雨月物語』
アジアへヨーロッパへ―『メー・ナーク』と『レノーレ』
西洋でも、生死を越えた恋が成就した!
圓朝版『牡丹燈籠』と文章変革
駒下駄の音と新しい演出
霊との共同生活、ついに実現!
<プロフィール>
荒俣宏(あらまた・ひろし)
作家。博物学者。1947年東京生まれ。武蔵野美術大学客員教授・サイバー大学客員教授。『帝都物語』がベストセラーになり、日本SF大賞受賞。『世界大博物辞典』でサントリー学芸賞受賞。
神秘学・博物学・風水等多分野にわたり精力的に執筆活動を続け、著書・訳書多数。」