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内容的インパクトは著者の最初の著書『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』ほどではないにしても、『そもそも島に進化あり』に続いてこちらも前2冊同様、著者の軽快な文章により楽しく読ませてもらいました。
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タイトルに惹かれて読んでみたが、鳥嫌いじゃないじゃない。
フィールドワークの大変さも、鳥への探求心も、おやじギャグの浪間に沈んでしまっているようで残念。
東日本でカールの販売停止が決定してしまった。筆者は西まで買いに走るのだろうか、気になる。
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川上和人「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」読んだ http://www.shinchosha.co.jp/book/350911/ おもしろかった。これまでの駄ジャレがかなり減り学術的な内容が増えて読みやすい。研究のドタバタや新種発見エピソードとか盛り沢山。本人のキャリアの話がよかった。研究職にも受け身進路があるとは(おわり
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初っ端からエンジン全開で梅干しと酢豚のパインへの愛憎を語り、絶妙なタイミングでサブカルネタを繰り出す海千山千最強の理系蛮族にして鳥類学者川上和人。
彼のグイグイと読ませる文章が、我々を火山や絶海の孤島に生きる鳥たちの世界へと誘う。
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ネットで見かけて。
笑えた。
どらえもんやガンダムや迦陵頻伽、昔話などが、
絶妙なタイミングで飛び出てきて、みぞおちを突かれる感じ。
だんだん慣れてきて、この角で秋元康が来るな、と思っても、毛利元就だったりとか。
とはいっても鳥類研究の話も面白かった。
ズクロミゾコイの調査をしていて、その声に似ている牛舎の前にたどりついたり、ホンダのバイクの後ろにいたことがあるとか。
環境保護地域の南硫黄島への調査に向かうために、一週間前から種子のある果実は食べず、道具はすべて新品を用意し、クリーンルームで準備をして、地域外の動植物をもちこまないように気をつけたとか。
ボルネオ島の研究対象地がコーヒー農場や違法な石炭採掘場になってしまったとか。
こういうタイプの本は、最初飛ばしても、最後に失速してしまうことが多いが、最後まで美味しかった。
そういう意味では、最後までアイスクリームがつまっている抹茶パフェというべきか。
チョコパフェほど甘くはない。
抹茶アイスとか生クリームとか抹茶シフォンとか白玉とかあんことか、それぞれ美味しい鳥ばなしがてんこもり、そこにアクセントが効いてる感じかな。
でも、そのアクセントは、例えるなら何だろう。
コーンフレークじゃないとは思うんだけど…。
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<目次>
はじめに、或いはトモダチヒャクニンデキルカナ
第1章 鳥類学者には、絶海の孤島がよく似合う
第2章 鳥類学者、絶海の孤島で死にそうになる
第3章 鳥類学者は、偏愛する
第4章 鳥類学者、かく考えリ
第5章 鳥類学者、何をかおそれん
第6章 鳥類学者にだって、語りたくない夜もある
<内容>
鳥類学者の仕事ぶりを書いたエッセイ(「新潮45」に連載)。読書好きなのか、筆が過ぎて、悪ふざけがすごい。」が、いつしかそれが快感となって、引き込まれている。鳥のことに詳しくなっている…。
逗子市立図書館
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読みやすく面白い。
ちょっと例えが、どうかな〜と思うことがしばしば、いやかなりあったけど、鳥類学者と友達となってもいいかな、と思った。
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『鳥類学者だからしたがって、鳥が好きだと思うなよ』(川上和人)
普段使わない読みの漢字
戦隊モノやらアニメや物語そしてアイドルまで
村上先生の放つ弾は、あちこちに飛び過ぎです。
でも、
“回転運動”“キョロちゃん”に関する妄想というか、観察が素敵でした。
「ファーブル昆虫記」を読んでいた感覚を思い出しました。生物学者、いや科学者たちは素敵な眼(観察眼、妄想癖)を持っている。
私たち一般人よりはるかに、ロマンチストなのにそう思われないのは、それを覆い隠してしまうほどの、『科学的な考察力が凡人には理解できない』のだろう。
『川上先生!鳥類学の敷居を低くしてくれるのはいいのだけれど、私はもっと純粋に鳥の魅力に触れたいので、次回は本気で、鳥の世界へ誘惑してください。』
ファーブル昆虫記を読んで生物学者に魅了されて、虫嫌いな妻に、必死に昆虫の魅力を説いているが無視され続けている健気なオヤジです。
○極アジサシ 北極圏で繁殖して南極圏で越冬する。8万kmの大移動(なんの意味があるのか?)
○1億5000万年前に鳥類が誕生し、飛ぶ技術とそれに適応した身体を進化させていった。
○小笠原諸島は海洋島、海洋島とはかいようの底をなす海洋プレートの上にぽっかりと生まれた孤高の島。(ハワイ、ガラパゴス)
これに対して、大陸棚の上にあり大陸と繋ながりやすい島を大陸島と呼ぶ。(本州、沖縄)
*ビュルム氷期
「先に適した生活の環境が必ずあるとは限らず、移動は命がけのギャンブルとなる。そもそも飛ぶことは重力に抵抗する高コスト行動である。必要がなければ飛ばないにこしたことはなく、その性質が進化するのだ。』
*妖鳥シレーヌ
○夜間に長距離を移動する渡り鳥はタカやハヤブサに襲われないためとも、気温が低く気流が安定しているためともいわれている。
*チュカパブラ
糞には消化管の内壁に由来するDNAも含まれている。糞内の化学成分を分析すれば。糞によって土壌にどのような栄養分が供給されるかもわかる。
糞: 食物が口から消化管を通過する過程で栄養分が吸収され、吸収されなかった残滓が総排泄腔から外界に排出されたもの。
(消化管は体を貫くチューブ、ドーナツの穴にのようなもので、食物は体内の外界とも言えるチューブを通過しているだけ)
尿: 一旦体に吸収された成分が体内での役割を終え、腎臓を経由して老廃物として形を変えて排出されるもの。
鳥は体を軽くするため体内に余分な水分を蓄えていない。なので、水分の含有量が少ない尿酸という形で排出するのが得策。
かすみ網
鳥は捕まると糞をする。(捕獲されたショックと緊張。体を軽くして逃走の準備をしているのか)
鳥が食べたものは短時間で消化管を通り抜ける(飛翔のため体を軽く保つ必要性があるから、メジロで概ね1時間弱)
*ウィトルウィウス的人体図
*窘の読み
野生生物では効率の悪さが死に直結する。野生生物は敵対関係で、運動性���を洗練させてきた。
飛翔の無駄な手順
羽ばたき、前進に必要なのは翼を下ろすときのみ、持ち上げるときはその準備に過ぎない。
動物の歩行の無駄な手順
前に出した足は、地について、後方に蹴ることによって進む。足を出す間は宙に浮いていて推進力は得られない。
回転運動は前進のための行為がそのまま予備動作を兼ねていて無駄がない。極めて効率的。
空中で回転する物体はジャイロ効果を生み安定した起動で飛ぶ。
★ニワトリやハトが歩く姿で、まず首を前に伸ばし、頭の位置を固定した上で体を前に移動させる。体が移動したらまた首を伸ばし、同じ行為を繰り返す。これは首を動かす一瞬以外は頭の位置が静止し、安定した視界が長時間維持できるからだ。つまり、首を振っているのではなく、空間に頭を固定しているのだ。
鳥類は視覚に頼る動物、食物の発見でも、捕食者の警戒でも視界は重要。だが、ほとんどの鳥は目が横についているため、普通に歩くと視界の中で風景が前方から後方に流れて安定しない。
★【科学的とは何か】
「反証可能性」証明したい事象に対してそれが正しくないことを証明する方法がありうるということ。これが担保されているということは化学的な信頼性を得る重要な要件となる。
「再現性」同じ条件をきちんと揃えれば必ず同じ結果が得られるということ。
クマの前で死んだフリ策は、古代ギリシャの、アイソーポスの報告の語り継がれ。
*ミズナギドリ
陸海空の環境に適応。飛べば数百キロ、潜れば50m、陸では1m以上の穴を掘る
アルマジロの鎧は、ピストルの弾を撥ねとばすことがある。
鳥の三前趾足(さんぜんしそく)は木の枝を掴むために進化した)樹上生活者の典型。
恐竜は 趾はすべて前向きについていた。(地上生活者であったため)
恐竜から鳥が進化した。
オーストラリアのエミューは第一趾がなくなり三本趾に、アフリカのダチョウでは第二趾まで退化して二本趾になっている。
鳥が飛ぶ理由
食物探索、季節的移動、捕食者回避
(多くの時間は飛ばずに過ごしている。コストがかかるから)
*偶さかの読み
人間の生活するそばには必ずネズミがいる。
(日本ではもっとも個体数の多い哺乳類。捕食者に食べられ食べられ、それでもドッコイ生き残る小型で増殖率の高い動物)
人間社会から発生する食物や環境が有益だからだ。農作物は大好物だし、ヒトの居住地にはテンやフクロウなどの捕食者はいない。
*ミラ・ジョコビツチ
クマネズミは植物性を好み、特に種子をよく食べる。採取効率の良い大型種子は狙われやすく。大打撃を受ける。
種子だけではない。稚樹もかじって枯死させる。ネズミは夜行性なのでその影響は潜伏性が高い。しかし、クマネズミは木登りも得意で樹上の種子までも食べてしまい、次世代育成を阻害して少子化に拍車をかける。
そして恐ろしいのは突如好みをスイッチさせて、突然動物を襲い始める。
*ダイファシノン
死んだフリの例)
*北米のキタオポッサム
シシバナヘビ
コガネガエル(ブラジル)
死体は時間の経過とともに腐乱し質が劣化していく。死肉を分解するバクテリアはしばしば毒素を分泌する。
コンドルなどの死肉食者では毒素に対する耐性が発達している。
通常の捕食者にとっては有害となる。
*クラーケン(美脚?)
背を下にして体を圧迫されると擬死状態になる鳥の種がある。(ニワトリ、カワセミ、(*一部地域のヒヨドリ、メジロ))ナミチスイウモリ
吸血鳥
ハシボソガラパゴスフィンチ(ガラパコス諸島)、マネシツグミ(二種)、ウシツツキ
(いずれも、死肉食者)吸血行動は死肉食から進化する。
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地味でマイナーな鳥類学という世界に、光を当ててくれそうな1冊である。鳥に関しては全く無知でも、興味さえなくても、著者のユーモラスな文章に引き込まれ、十分に楽しめる。内容の専門性は高くないが、鳥類学というものや鳥類学者の一面を垣間見ることができ、面白ろおかしく勉強になる。鳥類学という分野への興味を喚起する点において、本書は非常に優れた科学系の1冊である。
面白いだけではなく、環境保全や生態系の多様性についての記述は、考えさせられることが多い。特に、外来種の侵入によって絶滅する種がなくても、生態系の多様性や固有性が失われているという点において深刻であるという指摘は、環境への視野を広げてくれた。
本書内において、「欧米人やカナカ人による~」という記述がある。これはカナダ人の間違いではと思ったが、誤植ではなくカナカ族のことである。
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おにぎりを食べていると、しばしば愕然とさせられる。なんと、梅干しが入っているのだ。ウメはアンズやモモの仲間、紛れもない果物だ。フルーツを塩漬けにして、ご飯に添えるなど、非常識にもほどがある。私が総理大臣になったら果物不可侵法案を可決し、梅干しを禁止、フルーツの基本的権利を守ることを約束する。ついでに酢豚からパインを排除しよう。(p.1)
時間は空間と同じく、生態系に存在する資源である。昼という時間は暖かく明るく質が高い資源であるため、競争率が高い。これに対して、夜はその暗さと寒さゆえに利用者の少ない不人気な資源である。夜の鳥たちは、このマイナーな資源を選ぶことで利益を得ているのだ。(p.42)
持ち帰ったサンプルを分析している頃、南硫黄島の映像がテレビで放映された。調査には映像記録班が同行していたのだ。そして吃驚仰天敷いた。なんと、画面に映った南硫黄島は非常に美しかったのだ。これは私の知る島じゃない。足元の死屍累々、未だ口内に完食の蘇るハエ呼吸、波打ち際にのたうつ地球外生命体こそが、あの島の真実である。
騙されちゃいけない。美しいだけの自然なんてない。テレビの風景は嘘ではないが、真実の一部でしかない。裏切りのない不二子ちゃんなぞ魅力は半減だ。美とは、毒に支えられてこそ真の魅力を発するものと心得てほしい。(p.65)
鳥類学者としての私の仕事は、自然界に埋もれた真理を見つけることだ。それは、未知の事象との出会いである。まだ説明のない事実と向かい合い、要因を推定しメカニズムを解釈することこそ、自然科学者の責務である。つまり私の後付け行為は、まさに科学者としての振る舞いなのだ。対象が自然界にあるか自己の内面にあるかの違いだ。(p.75)
小笠原で捕獲されたネコは、小笠原海運の協力により内地に送られ、東京都獣医師会の協力で里親を探すという体制が取られることとなった。多くの関係者の協力により、ネコを殺さずに取り除くシステムが作られたのだ。簡単に数行で書いたが、ここに至る道は険しかったと想像してもらいたい。(p.90)
変わりが無いというのはすごいことなのだ。クラゲに取っても、周囲の環境は大きく変化してきたはずである。三葉虫が滅び、クビナガリュウがはびこり、竜宮城の建設ラッシュを迎え、海中は激動の歴史を経験した。変化に耐えられない者は全滅し、あるいは異なる姿に進化して凌いだのだ。
そんな中でブレることなく姿を保てたということは、原初の段階で彼らの形態が既に完成されていたことを意味している。サメやカメも中生代にはすでに現生種に近い形態が見出される。変化こそが流転する世界で生き残る術のようにも言われるが、完成体に至っている生物にとっては戯言にすぎない。(p.204)
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理系蛮族こと鳥類学者の川上先生の愉快な本。
いわゆる「ネタを挟まないと死んじゃう病」に
かかっておられる。
基本バカ話のようなのだが、
「研究とは」「学問とは」というエッセンスも
ちゃんと感じさせてくださるのはさすが。
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鳥類学には興味がなく、著者の文体も面白さを感じなかったが、島のような閉鎖的な環境下で特定の種Aを駆除すると、その種Aを天敵としていた種Bが途端に増殖する点や、それを踏まえるとAを駆除するには、まずBを駆除してからの方が良いという部分は大きな気づきを得た。
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テンション高めの文章と畳かけるおやじギャグに目がくらんで、なかなか内容が頭に入ってこない。いにしえのテキスト系サイトだと思うとしっくりくる。
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HONZで激賞されてたので、つい。「難しいことを簡単にいう」に留まらず「しかも面白く言う」人が、一見マイナーな領域で増えてて嬉しい。そして概ね同世代。美しい噴火写真で話題の西ノ島も登場するので、これからも売れ続けるかも。「鳥と人間には共通項が多い。二足歩行で、昼行性で、視覚と音声によるコミュニケーションをとり、主に一夫一妻制。そんな動物は鳥と人間しかいない」。ね、面白そうでしょ。
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吹き出した箇所多数。ほんの少しわからないサブカル小ネタもあったが、基本同じ世代なので、マシンが狂った朝の光にも似た咆哮をあげても、ちゃんとあの画像が頭の中にムスビますし、永井豪ファンなのでジンメンネタも非常にわかりやすく説明が腑に落ちること多し(笑)。というか、鳥関係の真面目な話やフィールドワークの苦労などはあまり残らずにそんなところばっかり印象に残っているのがある意味残念といえば残念な本ではあるが、、息抜きには最高かと思う。なかなか世の中好きなことやって食うていけないが、逆に飯の種が好きになれば人生のサクセサーと呼べるのではないか。タイトルはうまいことつけているが、読了すると「(現在)鳥類学者だからって、(幼少時から)鳥が好きだ(った)と思うなよ。」てことやん、鳥好きなんやん、、ってコトですねぇ。ええことやと思います。