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"かそけきサンカヨウ"と"ノーチェ・ブエナのポインセチア"が素敵なお話だった。それぞれの家族が形は違うけど、幸せになろうと、あったかい家庭にしようと頑張ってる感じがほっこりした。自分が高校生の頃に義理の妹に大事な本を破られたら1週間はふてくされてるなと思った。陽ちゃん大人だな。
"ちらめくポーチュラカ"はなんかベタなママ友同士の話だった。
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「家族」を題材として書いた6つの短編集。日常にありそうな一見小さな悩みだけど、当人達からしたら家庭生活を壊してしまうくらいの大きな苦悩というのはある。ママ友間の付き合いから生まれる僻みや妬みであったり、家事や育児の押し付け合いであったり、父が再婚したことで突然やってきた義親を受け入れられなかったり。
隣の芝生は青く見えるとはよく言ったもので、幸せそうに見える家庭であっても案外苦悩を抱えているものなのかもしれない。それでも皆折り合いをつけながら、だれがどれだけ悪いかを有耶無耶にして、期待に答えてくれない相手と相手のせいにしてしまう醜い自分に失望しながら生きていくんじゃないんだろうか。
「水やりはいつも深夜だけど」
愛情を与える(=水やり)のはいつも後回し(=深夜)になってしまう。自分のことで精一杯で、相手の鬱憤を晴らすことや家事をこなすことが遅くなっても、時間をかけてきちんと愛情をもって、相手のことを思って水を与えられたらそれはそれでいいんじゃないか?水やりは誰にでもできることじゃないから。
遅くなっても相手の為に水やりをしたいと思うかどうか、そこに愛があるかどうかはわかるんじゃないか。そんなことを考えさせられる作品でした。
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よかった。
決して変でも特殊でもない小さな、しかし確実に傷を与える力のある刃が、登場人物たちの日常に、心に、佇んでいるのを見た。
完全に救われたりなどしない、それがリアルだと感じた。
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いろんな家族の形があるなあ
外からは同じように見えても中身は全然ちがうんだよな
人間は心の持ち主だと改めて感じさせられる
結婚はゴールでもなんでもなくて新しい人生の始まり
そして新しい今までとは違う努力の始まり
一人で頑張ってもどうにもならないし、頑張ったところでどうしようもないこともあるのかな
この本で記憶に残ってるのは妹がしょうがいを持っていた女の人。妹との記憶として残っている過去の記憶が苦しいから自分の子どもは妹とは違うことを願う
心苦しい
つい最近みた映画も耳が聞こえない女の子の話だったけど同じような気持ちになった。
どうしようもない先天的な部分は人間をもがかせる
それでもどこかに光を見つけて希望を持って生きて生きたい
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窪さんの短編集。
彼女の作品は直情的に胸を抉るものが多い中、
この作品はひしひしと胸を圧迫するような感覚だった。決して絶望の中にいるわけではない。大切な人を亡くしたわけでもない。それでも心の隅にある小さな闇は人をここまで弱くする。怯えさせる。
けれどどの短編も最後は人の優しさや、弱さを受け入れる穏やかな心に救われます。
全ての短編が『家族』がテーマになっており、親目線の現実の厳しさ、切なさ、寂しさを語っているモノもあれば、ラスト2作は子供目線のリンクした作品となっている。子供とはいっても高校生、既に大人の目線を手に入れることができる語りだったが。
この2作は興味深く、『かそけきサンカヨウ』では、主人公の陽が大人びてしまっているが故の心の負担を、無理をせず子供らしくあることで気持ちを楽にし、
反対に『ノーチェ・ブエナのポインセチア』では陸君がどうしようもない現実に不満を持ちそれを家族関係にも昇華してしまうが、最後は達観的な考えを持つことで大人びた印象がある。
親目線の作品を並べた後に、この2作品を繋げ、そして反発させた窪さんの意図を考えたい。
言葉にできない不満や葛藤は年に関係なく、悩みの根源もまた違う。そしてその解決へ向かうプロセスも。この作品の中で其々の物語があるように、私たちにも其々気持ちを清算する方法は違う。折り合いをつけながら、苦しみながら、楽になりながら生きていく人々はなんて情熱的に生を謳歌しているんだろうと私は感じた。
ぜひ、30代になった時にまた読みたいと思う。
今とは違った感じ方でこの作品と向き合えるはず。
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ずっと前に読んだ。リアルでちょっと胸の奥が重くなるような話だけど、読み終わった後に何故かちょっと優しい気持ちになれる。
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植物がモチーフの短編集。外出自粛のここ最近、バイトに行く途中に花の良さに気づいた私には、タイムリーな題材だった。特に最後の2編が澄み切っていた。
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リアルな家族短編小説。結婚後、子供が生まれ生活は様々な形を成していく。夫婦の形、親子の形、周囲の人間関係。小さな気持ちのすれ違いや向き合う姿が描かれている。息苦しい中から、それぞれの方法で関係や心がほどけていく様子に「なるほどなぁ」と感じる物語だった。
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どのお話も良かったです。言葉にできない本音や、生きづらさを表す文章がすっと入ってきた。
傍から見ればどこも悪くない、今の世の中でどれだけ幸せか、そう見える人にも、こう思うことは多少なりともある。「最近僕が、通勤途中の電車の中や、会社のトイレに座っているとき、あるいは風呂につかっているとき、ふと、考えてしまう。あったかもしれないもう一つの人生」砂のないテラリウムより。なんかわかります。トイレに座っているときとか。
高校生「陽」の、父親の再婚相手美子さんとの、揺れ動く心情を描く、「かけひきサンカヨウ」は心に残りました。父親がこのようなことを言うんです。家族や夫婦間では、突き詰めないで、ぼんやりさせたまま続けたほうが良いこともある。と。どちらがどれだけ悪いとかはっきりさせないほうがいいこともある。と。お父さんだなあと思いました。
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あまり知られていない植物を絡めた
5話の短編小説集。
5話とも家族の物語で、どれも心に少し
痛みが走る物語でした。
理想の家族像はあるけど正解なんてない。
父と母、きょうだいと暮らした子どもの頃を
思い出しながら読みました。
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いろんなことがうまくいかなくて、モヤモヤしている短編集
砂のないテラリウムは主人公にずーっとイライラしながら読んだ
妻が出産して子どもにかかりきりになって、かまってもらえずモヤモヤして、他に癒しを求める男の話
ホント嫌だわ。
ふたりのこどもなのにね。
最後の二つの話は連作で
それぞれ複雑な家族を持った高校生の話
二つの話で美子さんがいい感じだしてgood
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とってもいい話もあれば胸がギュとなって落ち込んでしまう話もあったけど読み終わるといい本を読んだなって気分になりました!いろんな家族の形があるし自分では決められないけど、、とても良かったです
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窪美澄さんの作品初読み。
ちらめくポーチュラカが1番好き。
苦痛を伴う環境から逃げる事は必要なことだし、それもかなりの力を使うけど、ずっとそのままでいいのかと覚悟を決めてその場で踏ん張ること。
ちょっと3月のライオンを思い出した。
ポーチュラカとゲンノショウコとサンカヨウって花の名前を初めて知る。
段々と透明になるサンカヨウがきれい。
あとかそけきとか、ちらめくとかの日本語を知らなかったので、使われる言葉も面白い。
砂のないテラリウムで、いいなと思った文章があったのにメモするのを忘れた。
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短編
植物を軸にして語られる、少しギクシャクした家族の物語
男としては、サボテンの咆哮の主人公に感情移入しやすかったです
あとサンカヨウってなんかすごく美しいなって思いました
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いろんな家族のカタチ。植物が印象的だった!
サボテンの咆哮、泣くかと思った
本当に何回も読み返してる大好き