紙の本
明治初期という時代設定をうまく生かしたミステリ
2018/12/04 10:54
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治初期、外国人の技術を取り込みながら新たに鐡道を作っていくという背景がミステリの中に自然に融けこんでいた。時代背景が丁寧に描かれているところも好感が持てる。
現代に置き換えたら到底成り立たない事件が、この時期の、ある意味特殊な状況で成り立っている。ただし、後半はごちゃごちゃ、バタバタしすぎのきらいがあり、ストーリーのおもしろさが減っていた。
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明治初期、鉄道の建設にあたり色々な妨害にあっていた。犯人を突き止めようと元八丁堀同心の草壁が送り込まれるが、とうとう死者が出てしまう。
明治初期を舞台にしていて人物や背景が尤もらしく描かれている。ただその分ミステリ部分は単純でオチに驚きは少ない。一応は鉄道ミステリらしく小道具的には扱われていた。
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外国人技師にたよらず日本人だけで完成させた逢坂山トンネル、その史実に基づきつつ「もし、その工事現場で不可解な事故が多発し、その調査に元八丁堀の同心が挑んだ」というストーリー。
明治~戦前&史実ネタ大好きな私としては、舞台設定がとても好み。探偵役は元八丁堀の同心の昼行灯系おっさん(維新の後も袴で歩くおっさん、割と好き)。
お話の展開・読後感としては、地に足がついた感じで無難というか、面白い時代劇ドラマを視聴させてもらいました、といった感じですね。ぶっ飛んだ奇天烈トリックとかそういうのはない(史実ネタだからねぇ)。
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時代劇なのに鉄道ミステリー。関係者集めて謎解きの展開は本格的。読者への挑戦が欲しかったくらい。提示された問題について、全てきれいに回答されるのは気持ちよかった。史実に基づいてよく調べてある感じが伝わってくる丁寧な一品。
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明治12年、初めて外国人の手を借りず、日本人だけでやり遂げようという京都〜大津間の鉄道敷設工事。その逢坂山トンネルの工事現場で、不可解な事故が多発した。鉄道局長は元八丁堀同心の草壁に調査を依頼するが、直後に現場の最寄り駅で乗客が不審死をとげる…
鉄道黎明期という時代設定が面白い。トンネル工事のやり方、線路工夫と銀山坑夫の対立、敵意を露にする鉄道反対派、そして鉄道に夢を抱き、敷設を推進する鉄道関係者たち。背景には外交や政府内の薩長の勢力争いの影もちらついている。
ミステリとしての驚きはそれほどないが、草壁の調べで事実が明らかになっていく様子はすっきりした。他のキャラもなかなか魅力的で、井上局長のバイタリティには胸が熱くなるし、機関士のカートライトもいい味を出している。
個人的には同じ著者の「八丁堀のおゆう」よりこちらの方が好み。
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藤田伝三郎つながりから。
どこまでが史実か確認したい程鉄道に興味はないが、明治維新から11年、初のトンネル掘りに関わった人達の苦労や葛藤や熱意は伝わってきた。ま、ミステリーとしては可もなく不可もなくかな。
直接関係ないけど、生野銀山って、めっちゃ観光化を進めてます。ギンギラアイドルとかいるし(笑)
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鉄道敷設を巡って起こる事件。探偵役は元八丁堀同心。政治絡み、外国絡みのきな臭さも漂わせつつの、正統派ミステリ。
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明治初期、日本での鉄道事業初期のトンネル工事を舞台にしたミステリー。あとがきを読むとトンネル工事等は史実であるとのこと。ミステリーとしては今ひとつの感もあったが、読み物としてはなかなか面白かった。
この探偵、助手ペアで続編があっても面白いかも。
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ミステリーとしては無難な感じですが、登場人物に嫌味が無く、文章も読みやすかったです。時代設定がとても好みなので続編が出たら嬉しい
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明治時代の鉄道ミステリー。一見難しそうな印象を受けますが、著者が現役鉄道マンというだけあって説明が分かり易いですし、当時の社会情勢を事件の背景に据えた深みのある物語で没入感があります。
ミステリーとしてみると意外性や真新しさはありませんが、犯人を導き出す過程が論理的で良く出来た作品だと思います。
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文明開化の日本。
鉄道工事現場で起こる事件の謎を解くのが、
元奉行所の同心というから驚きましたが
面白かったです。
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日本人による鉄道工事が行われ始めた文明開化の時代、京都~大津間の逢坂山でのトンネル工事で妨害事件と殺人事件が起こる。
元八丁堀同心の草壁がさながらホームズ役で、鉄道局技手見習の小野寺が相棒のワトソン役といったところか。ホームズの草壁がなかなか手の内を明かさないのがヤキモキするが、事件の謎解き部分は筋道立っていて分かり易かったし、さすが現役鉄道マンの著者だけに、鉄道知識や歴史背景もふんだんに盛り込まれていて、興味深く読めた。このコンビでシリーズ化をお願いしたいところ。
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12/21/2018 読了。
図書館から。
初著者作品。
もうカートライトさんが印象強くて…、
美味しいとこ持ってくんだもの。
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明治初期の鉄道工事現場で起こる事件を描いたミステリ。ミステリとしては当然面白いけれど、鉄道ができるまでの歴史や、そこで働く人たちの物語が読ませます。鉄道には興味がないのだけれど、それでも引き込まれました。
今では当たり前に使われている鉄道だけれど、このようにして敷設されてきたんだなあ、と感慨深く思えます。そりゃあ当時は大変な苦労があったことだろうし。便利だけれど、その陰で不利益を被る人たちもいた、ということは案外と盲点だったかも。
鉄道敷設を巡って起こる数々の事件とその動機は、やはりというかなんというか身勝手なものではあるけれど。それに対抗する人たちが雄々しくて素敵。しかしダントツでカッコいいのはカートライトだよなあ。いいところ全部持って行っちゃってますよ。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2017/11/post-2ac8.html