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彼に初めて出逢った2000年の春。彼は今も『どこかでベートーヴェン』を弾いているのに違いない。大好きなシリーズ。文庫化にあたって書き下ろしが加筆される。むむむ。買わないわけにいかないよね?ってまたまた七里さんの戦略に?まんまと?喜んで? そんなシリーズ。岬洋介高校生。はじめての事件です。再読。何度読んでもおもしろいのである。いやー、ぶれませんな。岬洋介。
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岬洋介最初の事件らしい。
なんだか岬洋介が、浅見光彦みたいでちょっと笑ってしまったけど、本作は才能を持つ者と凡人との差、お互いの見えない辛さ、若さゆえの残酷さなどが丁寧に描かれていて胸を突かれた。
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このシリーズを読むとクラシックを聞きたくなる。
これは岬洋介の挫折の物語。この後どうやって復活するのかも読みたいですね。
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高校時代の岬洋介、出会った災害と事件。子供の頃から独特な人だったのね。月光と悲愴、読みながらメロディーが聞こえるなんて不思議。
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最初の事件。と、最初の絶望。
おもしろかったです。そしてつらい。
なんだかどんどん光彦さん化してる気がしますが・・・
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好きな作家の一人だ。
少し使い慣れない漢字で表現したり、言葉の使い方が魅力的だったりと文章が素敵だ。
ストーリー展開も上手いし、中山七里ファンであれば他の作品との絡みが読み手の気持ちをくすぐる。
また主人公の高校生の時の話であり、前の作品群に繋がるので興味深く読める。
ただ推理の所の捻りが多少物足らない点が残念だ。
贅沢な要求なのかもしれない。
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このシリーズを読むときはいつも、ストーリーよりも音楽を文字だけでここまで鮮やかに表現できることに驚く。言葉が唯一の媒体なのに、五感をフルに刺激されて、聞こえないはずの旋律が聞こえるような、音色や質感に触れられるような気がする。
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岬洋介の最初の事件簿。岬少年が殺人の容疑者となる。
彼の作品はいつまでもショパンから入りました。なので、岬洋介の立ち位置が良くわかりませんでしたが、今回はよく理解できました。
一言で感想を言うと少年少女の残酷さが際立っていたと思う。オブラートに包まない言葉の狂気。
鷹村君が葛藤しながらも、最後まで岬洋介の味方で良かったと思う。
才能はひとを魅了するが時には凶器になる。天才と凡人との努力では埋められないものって、やっぱりあるんだなと思う。それが、本当の意味でのスタートラインだと思うし、棚橋先生が言う正しい努力もしなければいけない。
結局は、努力は報われないかもしれないけど、努力し続けるしかないんだなと。
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今回は中学時代のお話でしたね。今までと同じように、ベートーベンを聞きながら読みたくなりました。というか聞きました。
今までの中で、1番好きかもしれない。
どこかであきらめなければならないこと、でも受けいられない。もしかしたらと思ってしまうし、目を背けたくなる。
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6\11 読破
天才ピアニスト岬洋介のお話。天才であるがゆえに周りからの嫉妬や嫌がらせもあり描写としてとてもリアルだった。
音楽をかじっていた自分にとっては小説内に出てくるクラシック音楽の描写から曲調がイメージしやすかった。
このミス大賞とゆうだけあって最後の謎解きまでは一気に読めた。
エピローグの最後の一言に大変驚いて読み終わった後もしばらく余韻が残った。
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シリーズの推理小説。
ドビュッシーを読んでのベートーベンです。
ベートーベンが登場するのはごく僅かで、ストーリーは平坦で少し物足りません。
登場楽曲が悲愴だったのは嬉しいなぁと。
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前作で話のスケールが大きくなりすぎて、もうシリーズ新作を拝むことはできないかと思ったら、エピソードゼロ的な高校時代のお話が登場。
前三作の岬洋介は落ち着いた大人な印象でしたが、高校時代は意外とエキセントリック(「前奏曲」でその片鱗を垣間見ましたが……)というか、極端な合理的な考え方で周囲からかなり浮いた存在。そのため、かなり陰湿ないじめにあうのですが、これが読んでいて相当に胸糞悪い。
それが故に本作の主人公である鷹村と岬への感情移入度は相当高まりますが、あまり良い気分で読み進めることはできなかったのが微妙な点。岬に嫉妬するパンピーたちの情けない言動は多少理解できます(自分もパンピー側の人間なので)が、感情的には彼らに共感できず、むしろ憎しみと怒りが募っていきます。
合わせて収録されている「協奏曲」ともどもスッキリしない読後感がとても歯がゆく感じます。ただ、感情を強く揺さぶられたという点で、ある意味質の高い作品なのかな、とも思った次第です。
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ミステリーではあるけれど、謎解き要素は薄め。クラシック濃度が高め。あの岬洋介、高校生の物語。
本作品を通してつきつけられる「才能ある人の存在」。もつ者ともたざる者、その差は残酷だ。私はもちろんもたざる者で、語り手に同調する部分が大きかった。現実から目をそむけて、諦めて、諦めきれなくて、嫉妬して、距離をとって…。岬が才能に自覚的でもっと嫌な奴なら良かった。無自覚だからこそ、クラスメートの嫉妬・憎悪をいっそうにあおってしまったのかもしれない。人の嫉妬を、読者という一歩引いた立場で見ると、とても醜い。でも、これが当事者であれば、その醜さに気づけるだろうか?案外、彼らに同調してしまうのかもしれない。ずっと、胸に小さなしこりを感じながら読んでいた。
でも、もつ者であるはずの岬も、一方ではもたざる者。この展開、満を持してのベートーヴェンなのだったと思う。
そう、確かにミステリー要素は薄め。でも、さすがは中山七里さん、粋な仕掛けをありがとうございます。
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何も考えずに手にとって読んだら岬シリーズの4作目だった、とはいえ岬洋介の高校生時代の話しなのでここから読んでもまったく問題はないみたい。
ミステリーとしてよりは、才能を持つものへの憧れや嫉妬、生き方育ち方、それらの関係や描きが自分にはザクザクときて濃い読み物になった。
相変わらず他のシリーズと少しずつ絡ませるのだが、エピローグ最後の一行で、えー!それはないわ!ちょっと混乱する 笑
クラッシックに造詣が深ければもっと違った読み応えになるのだろう。
文庫本の特典で最後おまけの岬検事の短編よかった。
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超久々に読んだ岬洋介シリーズというか中山七里。相変わらず音楽の描写は上手です。読んでいて実際の音源を想像するのが苦痛になりません。ミステリー自体はあまりどんでん返し感は得られませんでしたが、高校時代のエピソードは興味深いものでした。書き下ろしのコンチェルトも父親視点で穴埋め出来て面白く読みました。