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この食コメディも、そろそろ、ドラマ化してほしいなぁ
『コンビニお嬢様』は、『紺田照の合法レシピ』ほどじゃないにしろ、確実に面白さが上がり、松本先生は地力を高めている、と私はこの(3)に感じた
コンビニに行く理由は、人それぞれだと思うけど、やっぱ、コンビニグルメの魅力に抗える人は少ないはずだ
今だからこそ、コンビニの魅力を、アレンジ料理で再発見するべきじゃなかろうか?
そんなアイディアの数々も見事なんだけど、この『コンビニお嬢様』は、人間ドラマとしても、しっかりしている、と思う
ヒロインの翠里が、自身の調理したコンビニグルメに恍惚となるだけでなく、決意を新たにしたり、友情の尊さを再確認したり、新たな友達と絆を築いたり、と読み手の心を掴む、展開が
何せ、私も驚いた、この(3)は今まで以上にストーリーの深みが増している
憧れを抱いていたクラスメイトが、自分をどのように見ていたか、を知った翠里
自分が変わる事で、その影響を受ける人は少なからずいる。けれど、人は変わっていく生き物。誰かが、自分の変化に悲しみを覚えたとしても、躊躇っちゃいけない。自分の姿を決めていいのは、自分だけだ
進化と退化をひっくるめて「変化」とするなら、その対義語は「不変化」であり、人は周囲からの影響を受けられなくなった時、成長できなくなるのかもしれない
自分の中に、多くの色を取り込み、自分だけの色になりたい、そう願う翠里はとても眩しい
また一つ、人間的に成長した翠里、次巻では、どんなコンビニグルメに挑戦するのか、実に期待が持てる
ただ、もう、そろそろ、恋愛要素も欲しいかな、と思っちゃう、ファンとして
正直なとこ、表紙に登場しているバイト君じゃ、初心い翠里の恋のお相手にゃ、役者不足だ
個人的なイメージに過ぎないが、コンビニと言えば、ヤンキーだ
なので、翠里の恋心を掴むのは、彼女よりもコンビニグルメの腕が優れている、喧嘩にゃ強いが、美少女にはめっぽう弱い、硬派なヤンキーであってほしい
他のヤンキーに絡まれている翠里を、そのヤンキーが助けて、お礼に翠里がコンビニグルメをご馳走し、その際、改良点を指摘され、「この人になら、あるがままの自分を晒せるかも」って思う展開には、きっと、グッと来る
個人的に一推しな回は、ごちそう15「いなり寿司×駄菓子」だ。サブタイトルだけ見ると、「え!?」と思ってしまうが、このアレンジは神ってる。もし、この作品から商品化されるのなら、この紅白いなりにしてくれないかな
この台詞を引用に選んだのは、兎月翠里って人間が見えたからだ。一人で生きて行く強さを持つのは、実に大事だ。けど、周囲の人らから、良い影響を受け、それを積み重ねたからこそ、今の自分が出来ている、ってのを忘れちゃいけない。自分って人間を見せてくれるのは、他人なんだから。一線を引くのもいいが、何でもかんでも拒絶していちゃ、世界は広がらない。たった一歩、円の外に出るだけでも、美しいものが見えてくるはずだ