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わかる!
2019/05/02 00:48
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある時、絶望というより怒りが押さえられなくなって、落ち着く為に本を読んだことがある。
こういうブックカフェが本当にあったら良いなぁと思う。
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2冊ずつセットで紹介する書評エッセイ集。特に印象に残ったのは川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」と米国作家フィッツジェラルドの「若者はみな悲しい」(原題はすべて悲しき若者たち)という作品のテーマの類似性。川上氏が決して既作品を模倣・意識したのではなく偶然の一致、が2人の作家の奥深い心理の普遍性を感じさせてくれるものだった。村上春樹「騎士団長殺し」とエドガー・アラン・ポーの「黒猫・アッシャー家の崩壊」、角田光代「紙の月」とカミュ「異邦人」の共通点の読み解き。
山田航「ことばおてだまジャグリング」とフジモトマサル「ダンスがすんだ」の2冊も楽しい。「絶望に効く」かどうかは分からないが、案内書として興味深かった。
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長期間にわたる連載書評をまとめた本。
ジャンルも幅広く1回で2冊紹介される中で1冊は必ずしも新しい本ではなく、その2冊の関連性に着眼できるのは、著者の深く長い読書歴があってこそと思う。
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失ってなお、私の中に根を張る思い。
思い出になると思ったら甘かった。
執着ともちがう。ただ…。
いや、この先は書くまい。
ともかく、この本にさえ目が向かず、
やっと手が伸びる状況になり…。
ページを捲るのも苦しく、何日もかけて読んだ。
結果として…
押し付けがましくなく、良いブックリストである。
変に救おうともしていない。淡々と紹介されていく本。
本ごときでどうにかなるものかとは思うが、あれか、これかと差し出された中に、はっと読んでみようかと思うものがあるのはさすがだった。
筆者ご自身もかなりの読書家であろうし、選んだ本の抄録は、確かに、紹介された心理に添うものがある。
どれがあなたの苦しみに、伴走してくれるかは、わからないが…少なくとも、ろくに読んでいない本でなく、ちゃんと内容をわかって勧められる本ばかり、気になるものがあればご覧になると良い。
私が読書案内的な本を、無意識に好むのは、自分の気づかない、何らかの明かりを、こっちはどうかな?あっちはどうかな?と差し出され、自分がそれをためつすがめつする間に、自分でも色んな道を探って自分の心に降りていくからかもしれない。
まして、絶望している折。
本を読んでもマシにはならない。
まえがきを裏切って悪いが。
それでも…どうにか二週間でやっと一冊。息も絶え絶えでも読んだ私を、私は抱いてやりたい。
同じだ、という方がいらしたら…よかったらお試しあれ。変な前向きになる本より、ずっといいから。
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ノンフィクションライターの河合香織さんが、
テーマに沿ってお勧めの本を紹介した「絶望に効くブックカフェ」。
書籍のタイトルに「絶望」がついているので、選書のテーマは「孤独に効く」「死にたいに効く」「人間関係に効く」「恋愛に効く」「家族の絆に効く」「不条理の苦しみに効く」「逃避願望に効く」と、ネガティブなものが並んでいます。でも、紹介された本を読んだら「効く」だろうと思わされます。
私は、まだ読んでいない本も多く、初めて知った本もあり、読みたくなった本は地域の図書館に予約を入れました。
休日を前にして、「本でも読もうかな」と考えている方、本選びの参考になる一冊です。
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面白かったです。
最近は地の底まで凹んだりすることはあまりなくなりましたが、ここで紹介されている本があればこれからもなんとかなりそうです。
読んだ本読んでない本…一周目では、マルクス・アウレリウス「自省録」、辺見庸「もの食う人びと」、G、ガルシア=マルケス「予告された殺人の記憶」、アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」、スティーブン・ミルハウザー「魔法の夜」が読みたいです。
著者の言葉も優しくて落ち着きますし、購入して手元に置きたいです。
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絶望に効くかしら。
様々な人生を仮想体験できる読書。
他人の気持ちを我がことのように、他人の体験を我がことのように。
そして自分を見つめ直し、対比し、さらに考えることができる。
その行為が絶望を和らげるのかもしれない。
根本的に解決しなくてもね。
ただ、その体験の全て、人との出会い、それさえできなくなった今のこの世界の絶望は、そうそう和らげられるものでもないだろうなと思った。
それはともかく。
「〇〇だった件。」の「だった。」は過去形というよりは、「気づいたらこうだった」というような、現在の状況を半ば客観的に眺めた言い回しではないかと思いますよ。
著者の解釈を否定するものではないけれど。
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(2021.06.11 3h 読了)
タイトルと素敵な装丁に惹かれて手に取り読了。
取り扱うテーマの面白さはタイトルで分かる通りですが、著者の河合さんの編む言葉が素敵で、すいすい読めます。
紹介される作品を片っ端から本棚の読みたいリストに並べていったら凄いことに。1幕ごとに2つの作品の共通点を照らし合わせていくという紹介方法。紹介された作品を全て読みたくなる魅力あふれる推薦文です。
青い光を切り捨てるのではなく、青い光を見たというその人が語ったということに心を傾けること。一見、見捨ててしまいそうなことを宝石のように丁寧に扱ったこの二作は、他社の尊厳を守り、他社を尊重することの意味を教えてくれる。p.126
言葉なんかおぼえるんじやなかつた
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかつたか
(田村隆一「帰途」より)p.147
寂しさの量の同じ者が恋に落ちる、と聞いたことがある。
心の中の満たされない欠落が共鳴しあうからだ。p.189
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感想
絶望。無力感。なぜ私はこんなに小さいのか。あの英雄も、あの偉人も。皆が同じ絶望を抱く。人類の歴史が肩を押す。そして私も未来を支える。