紙の本
最澄帰国
2017/06/23 19:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻は、空海・最澄・霊仙・橘逸勢等の一行が唐の都長安の門をくぐったところから、最澄の帰国まで。
長安では、空海は外に出て白居易を始め様々な人々と活発に交流する一方、最澄は書庫に籠もり経典の写経がメインの生活。そして桓武天皇の覚えめでたい立場であるが故に、自由な修行もままならず、帰国せざるをえない最澄。前巻まで以上に、「動」の空海と「静」の最澄、そして両者の明暗が対照的に描かれているのが印象的でした。
唐に残った空海と霊仙、片や帰国した最澄、それぞれどのような人生が待っているのか。次巻が楽しみです。
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仏教も、最澄も空海も、殆ど教科書に出てたな、程度の知識しか持ち合わせてなくても、読み始めると周りの音が消えると言うか、脳みそがこの漫画に吸い込まれそうになる。経典に集中し、その文字情報に没頭する最澄の様、知識の海に文字通り潜り込んで行く空海、この「感覚」は凡人の自分にも「解る」感覚なのだ。正に『阿・吽』を読んでいる時の自分がそうである様…知らない事を知り喜びへと集中する感覚、あの快楽は何ものにも代えがたく、自分が自分である限り衰えないのでは、と思うのだ。
小難しい事は全く解らないんだけど、もうなんか得体の知れないものに引っ張られる感じで読んでしまうんだよなぁ『阿・吽』。ナチュラル天才の空海、本人は努力の積み重ねで今がありますとしか考えてなさそうな最澄。才能の有る・無しは「集中力」を意識せずとも発揮できる者の事を言うんだな…と思う。
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活気のある国際都市長安が上手く描いています。契丹人リフィフォアと橘逸勢にはどんなドラマが待っているのでしょう。入唐後の空海は、恵果から直ちに法を受け継いだ話を聞いていたので、まず、高僧般若三蔵・牟尼室利三蔵の教えを受け、認められてからというのは、腑に落ちるエピソードでした。空海と最澄の唐での修行は、まるで、陰と陽です。この違いが、日本に帰ってからのドラマの伏線ですね。面白い。次巻が待たれます。
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紐(でも縄でも紙テープでも)を輪にしたら両端が出逢ったよ、みたいな……?(わかってない)
橘逸勢、かなり気になるキャラクターになってきたぞ
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初っ端から霊仙和尚毒殺で辛い。
でも途中のサイバーな般若三蔵のところといい、霊仙和尚の巻でした。
三蔵さんたちみんな管付いてるし、霊仙と空海が降りていく法界への扉も魔方陣みたいでかっこいいです。
一切は虚妄。色即是空、空即是色。対象化する己の阿頼耶識も「空」。うーん、わかるようなわからんような。。
でも、霊仙和尚が橘にかけた「全ては変わるゆうことや」には、わたしもこれからこれから!と思えました。
ここで最澄と空海の道が分かれるのか。続きも楽しみです。
白居易も出るのか…すごいな。
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怒涛のごとく展開する「長安編」。まず一ページ目から度肝を抜かれる。そして豪華絢爛な長安の描写は、著者の緻密かつ豪快な画力で、日本人留学生たちの驚きを追体験できる。
さて、しかしだんだんわからなくなってきた。「すごい」人物たちがぐわーっと一気に登場し、なにが「すごい」かもわからないまま、印象だけが一人歩きを始めてしまったような気もする。
それがいいのか悪いのか、現時点では判断がつかない。