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麻耶雄嵩の最高傑作の1つ。面白かった。でも、ミステリに不慣れな人だとどう感じるのかがちょっと分からない。3章まではチュートリアルのような感じなので、そこで挫折しないでほしい。
神様ゲームから先に読むことをオススメするが、本書が先でも問題はない。
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このミス、2015年版2位。神様シリーズ2作目の連作短編集。小学生の探偵団の身近で殺人事件が連発するのを、同級生の自称神様が「犯人はXX」って告げるとこから始まるやつ。最初はアリバイとかあって無理ってとこから、探偵団が推理していくとやっぱり有り得るわってパタンで進む。まあ、小学生探偵がやけに大人びてる設定自体があり得ないし、純粋本格ものとして推理を楽しむべきものだけど、その推理自体が乱暴でそんなんなら他の仮説もいろいろ成り立つやんって思ってまう。なかには、なるほどってのもあったけど、あんまりすっきりしない。まあ、展開は意外性があって、サクサク読めるのは吉。同じシリーズもので一作目が講談社で二作目が文芸春秋ってのが謎。
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神様ゲームの続編。
私的には前作より含みがない感じ。
正統派を好むひとや、ドロドロ感が好きでは無いひとにはオススメしませんが。
ひと昔前の少女ミステリーや黒本が好きだった私としては、なかなか面白かった。
特徴としては神様とされる鈴木くんの設定がだいぶ変わってます。
続編が制作されるなら、また全然違うパターンの鈴木くんも読んでみたいですね。
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神様ゲームの続編。
前作から1年後、小学五年生の神様・鈴木と同級生・桑町を主軸とした連作短編集(6編)
最終編を除き「犯人は○○だよ」と神様の鈴木のセリフから物語は始まる。
そのセリフを聞くのは必ず桑町。
被害者はいつも周囲の人間。
桑町を含めた同級生で結成した探偵団が事件の調査を行う。
大体探偵団では究明出来ず、警察など別の所から真相が判明し事件が解決する。
作品の中盤あたりから桑町が女子であることが判明。
探偵団のリーダー・市部と女子との三角関係など、クラス内の惚れた腫れたが絡んでくる。
最初は鈴木のお告げに翻弄される様子が描かれるが、徐々に桑町が物語の中心となっていく。
そして最終編では鈴木はあっさり転校。
今まで桑町の周囲で事件が起きていたから、という理由で桑町は”悪魔”と呼ばれイジメられ、、、
それでも唯一味方になってくれたのは探偵団のリーダー市部。
時は流れ、高校に進学した桑町。
市部も同級生でお互いラブラブ。美女と野獣。
そしてある時ふと気づく。
市部が桑町の味方になってくれた理由を。。。
真実は闇の中だけど、神様に真相を聞くのはヤボ。今を楽しもう。
という桑町の最後のセリフが本作のタイトルとなっている。
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頭のキレる小学生の男の子が自らを神であると称し、町で起きる事件の犯人を言い当てる。そしてそれに振り回される小学生探偵団。のお話。
短編集。
どれもあいまいな結末。
こんなにいろいろモヤっとした表現ばかりの内容で本格ミス大賞とか取れちゃうの?と疑問です。
各キャラクターも定まっておらず。
わざとややこしい表現にしてる様子あり。
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本格的な感想はまた書くかもだけど、取り合えず読後の感想としては、
主人公蹂躙完墜ちモノ(精神的な意味で)。
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前作の神様ゲームに衝撃を受けて、そのまま購読。まさか、あれを越える衝撃とは…
全六編からなる連作集ですが、本番は後半の「バレンタインの昔語り」から
前半の三編も短編としてしっかりしているので、前作の世界観・設定を引き継ぎ、今回は推理やトリックに重点をおいた本格ミステリーかなぁと思わせられますが、これが既に罠です。
後半は怒涛の展開・伏線の回収。
これらは人物一人一人の背景・思考・感情を丁寧に設定し
「この思想の人物が、こういった出来事に会うと、こう感じ、この様な行動に出る。」
といった具合に細かく理詰めで練られているからこそ成せる業なんだと思います。
そして、物語は終焉に向けて進み
最後の一文(二行)に終着します。
一行どころか記号一文字であんな得たいの知れない禍々しさを表現できるとは…
恐るべし麻耶雄嵩
ここからはネタバレ考察を
・最後の「残念でしたハート」の意味について
そのまま考えると、神様は神様を利用した市部の思惑を更に利用し、二人が結ばれたタイミングで壊しに来たけれど、淳の(人間の)感情が倫理や正義を越えて予想外の思考になり、神様を出し抜いたというラスト。
(予定調和を退屈とする神様にとってはこれも退屈しのぎとして成立している)
但し、神様は未来を見ないことも出来るが、全知全能であり、またあの性格上、まんまと出し抜かれるとも考えにくい。
何よりハートの禍々しい読後感。とてもハッピーエンドとは思えない。淳をあのように洗脳するのが目的だったのか?
・なぜ、桑町淳が神様に選ばれたのか。
淳本人は「反応が面白いのだろう」と分析し、神様は「好意」と答えている。
この「好意」という言葉をどう捉えるかが鍵になっていると思われる。「好意=興味」とするならば喜ぶ、笑うだけでなく悲しむ、苦しむ、泣くといった負の感情すら知りたいと思うのではないか。それならばあの仕打ちも筋が通る。
上記のハートは愛すらコントロールされたということか。
また、比土の「愛を知らないようね。だから絶対的な神にも近づけるのよ」発言から他の生徒は神様を崇拝したり、疑ったりして距離をおいているなかで一人ヅカヅカと近づいてくる淳に興味を持ったとも考えられる。(比土の発言の真意は分からないが…)
・「さよなら神様」の意味
まず浮かぶのがニーチェの「神は死んだ」である。最終章の冒頭の「犯人は君だよ」は神殺しの犯人ということだろう。
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何これ怖い!純然たるミステリだけど、カテゴリをホラーにしたくなる。押切蓮介氏あたりで漫画化したら素晴らしいトラウマンガになりそう。
ハートマーク1つでこんなに怖くできるってすごい。著者とは絶対友達になりたくない(すごく褒めてる)。
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面白かった……けども個人的には話題になったこの続編より、前作の方が好きです。
多分短編が苦手なのかな??
短編っていってもボリュームはありますが。
前作平凡地味だった鈴木神様が、今作ではイケメンパーフェクトに。表紙イラストで「え??鈴木地味じゃなかったの!?」って思ってましたが納得。イケメンにしたことによる影響(女の取り巻き)やクラスでオープンにしてることでの影響(いなくなったあとの悪魔扱い)が、前作との違いで生かされてていいなぁと思いました。
毎回始まる同じ出だしも3章目から先にカンニングしちゃうほどドキドキしてました。
個人的に一番好きな話はアリバイくずしで、
一番オチが後味悪くて好きなのはダムまでの~で、
トリックにあ然としたのはバレンタイン~でした。
短篇苦手といいながら、いろんなミステリが次々と楽しめるのは短編ならではですね(そして全部意表をついてくる濃い内容)
あと神様の応答全てが面白い。
以下ガッツリネタバレと個人的苦手要素ですが、
市部→主人公への『友情以上のものを認めてしまった~』)ら『男の眼差しだ』で、てっきりまさかのホモ展開!?って思ってたら雲行きが怪しく……完全に途中まで男だと思ってたわ……
申し訳ない……ミステリ系にガッツリ恋愛入れられるのは苦手なんだ……あと『男に見せかけて実は女でした!』展開も苦手なんだ……
女バレしてからガクッとテンションが落ちつつも、ラストが気になって読み終えました。
途中ミステリ要素強くなると気にならなくなるのに、結局ラストまで恋愛絡んだドロドロのオチで……ん、んーーーーーー……(ˉˡˍˉ )といった複雑な感情。女の子ってわかるとどうしてこう全部別の気持ちで見えてくるんでしょうね。
ドライブに誘った先生も気持ち悪いし(男の子だったら別にいいのに)使い魔呼ばわりされるヤンデレ市部も怖いわ……
前作もまあ恋愛絡んではいたけどなんだ……第三者だからよかったのかな……んんんん、
バッドエンドでスッキリしないならいいんだけどなんというか微妙な気持ちになる終わりだった。
星4にしたくせに愚痴っててすみません。
でもまたこのシリーズが読めるのならぜひ読みたいです。
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『神様ゲーム』と同様、「鈴木太郎」と名乗る自称・神様が登場するミステリー連作集。
各エピソードで起きる事件そのものも面白いけれど、それらに絡めて主要人物たちの事情や心情が、さり気なく隠されたり明かされたりするのがスリリング。伏線の回収が鮮やかで、後半に読み進むにつれ、読み応えが増していく。
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〇 総合評価
全知全能で,ミステリとしては真犯人を見抜き,明らかにしていまう神様=鈴木太郎の存在を前提とした特殊世界のミステリ。どの作品も神様の存在を生かした作りになっている。「少年探偵団と神様」は,明かされた犯人と被害者との間のつながりを探すという構成。真相は人違いだったというもの。「アリバイくずし」は,神様が明かした犯人にはアリバイが成立してしまう。アリバイをくずすには被害者が犯人のもとに来る必要があるがその必要性が薄い。しかし,神様の存在を前提とすると,いくら薄くても殺害の可能性があれば犯人は神様が指摘した人物ではないかと感じさせるラスト。「ダムからの遠い道」も「アリバイくずし」と同じ構成。神様が告げた真犯人のアリバイを崩すという構成。「アリバイくずし」と「ダムからの遠い道」の2作のトリックはかなりチープ。神様の存在を前提とする世界観だから許されるトリックだろう。このトリックで普通のミステリを書けばバカミスになるのは間違いない。この構成をあえてはずす「バレンタイン昔語り」は起承転結の「転」に当たる作品。神様に犯人を聞き,捜査したことが原因で殺人が起こるというもの。人物誤認トリックが使われている。神様の存在を生かした傑作といっていいデキ。「比土との対決」に至ると犯人が神様の嗜好を利用し,アリバイを作ろうとする。「さよなら,神様」は市部始が,バレンタイン昔語りをはじめ,全ての作品の市部の行動が桑町と結ばれるためという構成にしている。そして,桑町に「今のわたしには,わたしの心には,かつてのように神様が忍び込む余地は全然残っていないのだ。残念でした❤さよなら神様」と言わせるラストのインパクトは抜群。「比土との対決」のラストが伏線になっている。神様の存在までかすむ桑町のツンデレぶり。神様の存在を生かした各作品の存在。ややチープなトリックの作品もあるが,このラストも踏まえると傑作といっていいデキ。★4で。
〇 メモ
〇 少年探偵団の神様 ★★★☆☆
「神様ゲーム」に続いて自称「神様」の鈴木太郎少年が登場。この学校では,鈴木太郎は2つほど「奇蹟」と思われる力を発揮し,クラスメイトから神様と言われている。
その神様から,主人公,桑町淳のクラスの担任の美旗先生が殺人の容疑をかけられている。殺害されたのは,美旗先生の学生次代からの柔道のライバル青山先生。桑町は神様から真犯人は同じ少年探偵団に所属する上林という少年の父,上林護だということを聞く。
桑町は,市部という少年が作った探偵団の力を借りて捜査をする。探偵団のメンバーは市部始,丸山一平,比土優子,上林泰二に桑町淳を含めた5人。
上林護と被害者の青山にはつながりがない。捜査と推理の結果,上林護は被害者の青山と美旗を間違えて殺害したのではないかというもの。タヌキにびっくりしてとび出し,酔っていたので反対側に戻り,反対方向に帰る青山を美旗と間違ったのでは。道の左右に残っている吸い殻がそのことを裏付けている。
上林護は美旗を襲い今度は現行犯で捕まる。上林泰二は転校。探偵団を去る。
最初に神様から真犯人の名を聞き,神様の言っていることが事���か,捜査と推理をするという構成の作品。この短編では,加害者の上林護と被害者の青山の間には何の関係もないというハードルがある。そこで探偵団が出した結論は,美旗と青山を間違えたというもの。間違えた原因はタヌキと点滅した電灯。鈴木太郎=「神様」の存在がこの作品に強烈な個性を与えているが,トリックはチープ。この短編を単体として見たときの評価は★2~★3・・・★3かな。
〇 アリバイくずし ★★★☆☆
この作品で「神様」=鈴木太郎が主人公に告げた犯人は丸山聖子。探偵団のメンバーの丸山の母親だった。被害者は里子という老女。桑町淳は拾った柴犬を上津里子に引き取ってもらっており,その犬も殺害されたことから,鈴木に犯人を聞いたのだった。
捜査をするが,丸山聖子にはアリバイがあり,上津里子を殺害できない。探偵団はアリバイをくずせないか推理するが…。上津里子の家に忍び込んだのは上津里子の甥。上津里子はカレーを作ってからラッキョウを買いに店に行ったことで,たまたま,丸山聖子がいる場所に行き,丸山聖子に殺害されたというもの。丸山聖子に犯行はできる。しかし,警察は上津里子の甥を犯人として捕まえる。桑町淳が殺害した犬を殺したのはこの甥だった。
丸山聖子は普通に考えると犯人足り得ない。しかし,神様が犯人だと言っている。そこで,犯人足り得ることができるか推理するという構成。面白い構成の作品である。しかし,真相はあまりにチープ。たまたま甥が忍び込んだ時間にラッキョウを買いに丸山聖子がいる場所のとなりの店に,わざわざ行く…というもの。普通に考えればあり得ない結論で,警察もその真相に辿り着けなかったというオチ。ある意味,麻耶雄嵩らしい人を喰った作品で,バカミスといってもいい作品。出来としては嫌いな人は嫌いだろうが…★3かな。
〇 ダムからの遠い道 ★★★☆☆
鈴木が桑町に告げた犯人は美旗進。第1話で容疑者になった桑町のクラスの担任の先生。桑町が慕う人物だ。被害者は美旗の恋人だったが二股をかけていた。その二股をかけられていた二人が容疑者で,かつ,美旗にはアリバイがあるがもう一人にはアリバイがない。
被害者の死体はダムに投げ込まれている。美旗のアリバイを探偵団が崩しにかかるが…崩せない。
最後に主人公は美旗の車が外車,左ハンドルの白いクーペだと知る。そして助手席に死体となった被害者を乗せていたのではないかと推理する。そうすればアリバイは崩れる。
「さよなら神様」としてはオーソドックスな構成。鈴木から犯人とされた人物にアリバイがあり,それを崩すというもの。トリックは左ハンドルの自動車。これもバカミスともいえる程度のトリック。作品全体の雰囲気よいのでそれなりに楽しめるが,ミステリとしてのデキは平凡。ギリギリ★3かな。
〇 バレンタイン昔語り ★★★★☆
鈴木が桑町に告げた犯人は「依那古朝美」という主人公が聞いたことがない人物。この作品は,主人公,桑町淳(女性)が男装し,男言葉を話すようになった事件ういて語られる。桑町淳は,少年とも少女ともはっきり書かれていない。しかし,性別誤認の叙述トリックをこの短編集全体を通じたメインのトリックとはせず,捨てトリッ��としている。桑町は川合高夫と赤木正紀の二人から同じ日に告白される。川合と赤目は同じ産院で同じ日に生まれた親友どうし。桑町はからかわれたと思い,起こって川合に辛辣な言葉を投げかける。その日に川合が殺害される。桑町は川合を殺害した犯人が赤木ではないかと思っている。そこで鈴木に確認するのだが…鈴木が告げたのは桑町が全く知らない「依那古朝美」という人物だった。桑町は赤目が犯人でなかったことにほっとする。1週間後,伊那古雄一という少年が転校してくる。その母親は伊那古朝美。桑町は赤目と捜査をする。捜査したところ,伊那古朝美が川合を殺害したとは考えられない。赤目は伊那古朝美が川合が死んだ神社で丑の刻参りをしていた。伊那古朝美は見つかったことから赤目を殺害。桑町も殺害しようとするが,すんでのところで,市部に救われる。市部が推理する真相。それは産院で取り違えが起こっていたというもの。伊那子朝美に殺害されたのが本当の川合高夫だった。桑町が鈴木に川合高夫を殺害されたのは誰かを聞き,捜査をしたことが原因で伊那古朝美が川合(赤目)を殺害したという結果が生じた。桑町が本当に知りたかったこと,赤目(川合)はなぜ死んだのか,殺人なら犯人は誰かは謎のまま終わる。
「神様」の悪意を存分に感じさせる作品。桑町の過去が描かれ,桑町が男装を始めることになったきっかけが分かる。神様に川合を殺害した人物を聞き,捜査をしたことが原因となって本当の川合が伊那子朝美に殺害されるという展開は,もはやミステリというよりSFに近い。神様ゲームで始まる「神様」の存在を生かし,裏を書いた作品になっている。さよなら神様という短編集の中でに位置付けは起承転結の「転」。サプライズはそれほどでのないがインパクトがすごい作品。★4としたい。
〇 比土との対決 ★★★☆☆
桑町の最大の理解者である新堂小夜子が殺害される。神様に言った犯人は探偵団の仲間の「比土優子」。桑町淳対比土優子という対立構造で捜査・推理がされる。しかし,比土が新堂小夜子を殺害するためには,どうしても時間が足りない。よって,アリバイが成立してしまう。比土は自分は呪いで小夜子を殺害したが,実行犯は別にいると言う。小学一年生と小学二年生の地動説と天動説のケンカを仲裁しているうちに,桑町は真相に気付く。小夜子は比土を脅していなかったし,殺害される理由もなかった。比土は無差別殺人をしたのだ。殺害する相手は小夜子でなくてもよかった。そう考えることで比土のアリバイはなくなる。比土は神様の力を利用し,桑町と市部を仲たがいさせようとしていた。「あなたは愛をしらないようね。だから絶対的な神にも平気で近づけるのよ」という比土のセリフで終わる。この作品に至っては,犯人である比土が,神様の力を利用することでアリバイを得ようとする。その目的は桑町と市部を仲たがいさせようとすること。無差別殺人であればアリバイは成り立たないが,脅迫・恨みという偽の動機を植え付けることでアリバイを得ようとする構成はミステリとして面白い。★3~★4のデキだけど…★3かな。
〇 さよなら,神様 ★★★★★
比土優子が死ぬ。自殺か,事故か,他殺か,はっきり分からない。神様は転校する。最後に,桑町が一番知りたい���との代わりに,比土は自殺をしたという真相を告げる。その後,桑町に対するイジメが始まり,ひどい目にあった桑町は最後に転校する。数年後,桑町と市部は
同じ高校に進学する。桑町は小学5年生のときのままの鈴木少年の姿を目撃する。そして全ての真相に気付く。当時の桑町が本当に知りたかったことは,川合高夫を殺害した犯人。そして,川合を殺害したのが市部だったのだと気付く。比土は市部が心中を持ちかけたのだろうと推理する。比土も市部も鈴木の嗜好に気付き,飽くまで鈴木が楽しめる方向で危険な賭けに打って出たのだろう。特に市部は鈴木が川合殺しの犯人を桑町にまだ明かしていないことに掛けた。鈴木転校後のいじめにも市部工作があったのかもしれない。桑町の感情を市部にだけに向けさせるために。しかし,バッドエンディングには向かわない。最後は「今のわたしには,わたしの心には,かつてのように神様が忍び込む余地は全然残っていないのだ。残念でした❤さよなら神様」という桑町の心のセリフで物語は終わる。「比土との対決」のラストから,この最後に向けての伏線は張られている。とはいえ,このラストは圧巻。神様=鈴木の存在を薄いものにしてしまう強烈はインパクトのラストである。「神様ゲーム」から始まる神様シリーズは「神様」の存在を存分に生かした作品がそろっているが,最後の最後で主観的ではあるが神様の存在を否定するようなラスト。ある意味見事なラストである。読後感もそれなりによい。★5で。
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違和感ありあり〜
「犯人は○○だよ」鈴木太郎に聞くと犯人を確実に名指しする。
なぜわかるのか?だって彼は神様だから。
主人公の桑町淳は鈴木太郎の言葉を表面上は信じないふりをしているが心では信じている。だって本当にその人物が犯人で警察に捕まるのを聞いた。また捕まった犯人が違う人物でも違う筋での本当の犯人だったりする。
主人公を含め周りの友だちも全て小学生、市部始を団長とした久遠小探偵団が結成されるがそのメンバーが次々と殺されていく。
その度に桑町淳は鈴木太郎に犯人を聞くがまさかの名前が鈴木の口から飛び出す。
いったい鈴木は何者なのか。
前作「神様ゲーム」の続きとされるこの小説。
前作は結局最後、共犯者はいったい誰?の状態で終わったので今回も一筋縄では終わらないだろうと思いながら読み始めました。
もう最初から最後まで違和感ありありです。
いくら本が好きな小学生でもこの言葉遣い、考え方は無理がありすぎるでしょ。
主人公も途中で「あら?」ってな感じで変わります。
なかなか頭に入らず最後はネタバレサイトを見てしまいました。
ネタバレサイトには
「小学生が使う言葉使い、考え方ではないがそんな小さい事は気にせず〜」
と書かれているのが多いが……それが違和感があった一番の原因なんですけどー!
と思わず突っ込んでしまいました。
あと、前作と今作で出版社が違うのもほんの少し気になりました。
まぁこれは大人の事情かもしれませんが。
こういう難解な内容が受けるんでしょうね。
読解能力の低い自分は参りました(^^;)
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2018年11月24日(土)読了
終始、少年探偵団(小学生)の会話内容や動きに違和感。
ラストも物足りない。
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この四、五日ある推理小説に悩まされ続けました。
麻耶雄嵩の「神様ゲーム」と「さよなら神様」という2冊の本です。
神様が何故か男子小学生に変身して、周りに起こる殺人事件の犯人を告げるのです。
この2冊の本の主人公は違っていますが、そのお告げは彼らだけに知らされるのです。
で、私は読んでいくうち意外な事実にドギマギし、再び読み直すという作業に何度か迫られました。
すでに読まれた方にはおわかりだと思いますが、読了後も何か釈然としないというか、
サンマの骨が喉に残ったような感じがするのではないでしょうか?
でも、面白いですよ~、推理小説ファンでまだ読まれてない方、
ぜひともチャレンジしてみてください!!!
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これだけは言うておく。後味の悪さは抜群!そして想像していいた後味の悪さではないだけに、余計口の中にイヤな感触が残りまくる。
俺は基本的に後味の悪い小説が好みじゃないので星3つとしたが、想像の斜め上をいく後味の悪さだけを技として評価するなら、あと1つ星を足してもエエと思う。
ロジカルな部分が分かりにくく(俺のミステリー脳が機能してないからなのだが)、読んでてまだるっこしい部分もある。そもそもこんだけ同じ小学校に関連して死人が出まくってるなら、もっともっと騒ぎになってるはずで…とか言いだすとノンフィクション否定になりかねないので、そこはおいといて…
も、やっぱ、後味悪いわ、ウェー