電子書籍
真面目に淡々とノンフィクション
2017/12/13 07:48
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投稿者:緑の街に舞い降りて - この投稿者のレビュー一覧を見る
WOWOWでドラマ化されていたので、原作を読んだ。
原作はノンフィクションのため、淡々と事実を書いているだけ。
先に脚色されたドラマを見てしまったので、面白味を感じなかった。
先に原作を読めば、楽しみが変わったかもしれない。
しかし、歴史小説などフィクションをノンフィクションと勘違いすることがあるので、これで良いと考える。
紙の本
石つぶて
2022/09/18 20:10
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高卒のノンキャリア刑事が、同じくノンキャリアの外務官僚の不祥事を追う。彼ら捜査二課の刑事たちは、「汚職」につよいこだわりをもち、その摘発が国家の利益につながると考え、全力を尽くす。
盛り込まれた多くの操作技術が圧倒的なリアリティを与えているが、それをひけらかすというより、必要に応じて披露されていて、読みやすかった。気になったのは、近年汚職の摘発が減っているということ。それが公務員の倫理が高くなったと見るべきか、摘発しにくくなっているとみるべきか。著者はそのどちらの声も紹介している。
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著者の清武氏は読売新聞社会部記者を経て、読売球団代表を解任され、ノンフィクション作家となった。
これは実際の外務省室長の巨額横領事件を追った、捜査2課刑事の話を全て実名で書いた渾身の本。
事件の捜査だけでなく、刑事の人物像も詳しく書かれており、読んでいてイメージが湧き情景が思い描ける。
しかし着服の手口は単純極まりない。ホテルのレターヘッドをごっそり入手し、部下に適当(宿泊代100万円とか)な領収書を作成させる。それに支配人のサインらしきものを記入し不正に着服する。これで少なくとも1億円を超える金を手にし、愛人用マンションや競走馬などにつぎ込む。部署ぐるみでやっているのだから、当然ながら省全体で大小様々な不正をやって良い風土なのだろう。
だが刑事は本命の汚職を立件できなかった事を悔やむ。
この事件により総監賞をはじめ数々の賞をもらうも、上司にとってアンコントローラブルな昔ながらの2課刑事は扱いづらく、コンビの係長ともども左遷されてしまう。
防衛庁の守谷次官の汚職も捜査していたが、中止させられ、結局地検特捜部があげた。
もう「やってられるか!」の世界である。
耐え切れず定年前に辞表を出した上司もいる。
最近では2課の汚職摘発は年に一件も無いこともある。これは現在の捜査は刑事の行動全てを上司に報告され、対象と会うのも上司の許可を得て行う。こんなやり方では、保秘できず被疑者に警戒され、立件できないらしい。
意味の無いコンプライアンスは官民問わず幅を利かせ、世の中を悪くしているのだ。
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外務省ノンキャリアの詐欺事件の詳細な記録が何とも生々しい。ただ、予想通りキャリアには罪は及ばず。捜査二課の検挙が激減しているという話はかなり気になるね。
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成毛眞氏が絶賛するだけあって、量・質ともに充実した1冊。情報を集め、容疑者を追い詰め、その背後にある闇も暴こうとする刑事の緊張感が伝わって来る。
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今までにない警察がテーマの作品。
警視庁捜査二課という詐欺や汚職などを扱う部署をクローズアップしてあり、こんなにも淡々とリアルな描写が続く作品は初めて読んだ。
しかも、実際に起きた事件を現役捜査二課の捜査員以外は全て実名で書くという取材力だけではない、筆者のエネルギーにも感服する。
他の作品も読んでみたいと思わせられた。
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主人公の捜査2課刑事たちの仕事のように、こういう万人受けしない素晴らしいノンフィクションは本当に貴重です。なかなか証言を取るのも困難な取材対象を相手によくぞここまで調べ上げたと思います。少し冗長かなあと思う箇所もありましたが真実の威力は小説を凌駕します。これからも労多く報われないが力のある良質のノンフィクションを期待しております。
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聖徳太子像から福沢諭吉に変わったのは1984/11
瀆職刑事 職を瀆す(けがす)公務員は社会の敵であり、汚職や公務員犯罪こそが国を滅ぼす。国が衰退しないために、俺たち瀆職刑事がいる
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【209冊目】2001年に検挙された外務省機密費に絡む巨額詐欺事件。これを追った警視庁捜査第二課の刑事を主人公にしたノンフィクション。よくぞここまでインタビューしたり、資料を調べたなぁという印象。政財官界の仕組みや、警視庁、特に汚職捜査を担当する捜査第二課の内情が垣間見える。
この本のポイントは、上記事件の捜査が終わった後の後日談が充実している点。事件がメインというわけではなく、あくまでも名も無き「石つぶて」たちに光を当てたいという筆者の思いが伝わってくるし、後日談も味わい深い。
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ドキュメントだけに面白かったです。
佐藤優のインテリジェンス関係の本を何冊か読んだ後なので、
実に興味深かった。
国益には確かに外交官の機密費を使った情報収集能力は大切で、
戦争を回避もできるし、外交を聞きを避けて
有利に行えるのでしょうけど、
長い自民党政権の元、機密費という底のない資金が
何の検証も行われずに使われていて、
その簡易な手続きに目をつけた金の亡者が群がる。
初めての嘘がバレないと、その簡易さや、
自分の地位の特異性による選民意識のもと、歯止めがきかずに。
実際にあった事件は、本当のところは業者との癒着、
収賄の摘発が目的だったのだが、
国会議員、高級官僚、艦艇内部、
果ては海外の外交の現場の警察官SPにまで及ぶ事情徴収は
大混乱を引き起こしてしまう。
その莫大な機密費と言う資金は今でも年間20億円、
事件当時98億円とも。金庫になくなったら補充されるシステム・
そこを死守するために、捕まった松尾は自分の詐欺事件として
泥を全て被った。
抜け穴付きの巨大な財布、元凶の解決解明にはならなかったのだ。
松尾本人の弁で、野党からの首相であった社会党の村山さんは、
機密費について、何も知らなかったようだ、、と言ってる。
あのアメリカGHQでさえ、民主主義でないと言って
禁止しようとした『機密費』は自民党によって
綿々と今も続いているのだった。
そして権力を持った公務員を摘発する
警視庁二課、涜職刑事。
自らのこうした仕事は巨大な権力の前に
ただの石つぶてかもしれないと自嘲するが
その石つぶてさえもなかったら、
言われたままに税金を払って
必死に生きてる我々一般国民は?
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話の途中で登場人物の経歴を述べるために脇道にそれること以外、文句のつけようがない内容。ここまで細かくよく取材をしたなと、毎回驚かされる。清武さんを作家にしてくれた(?)読売巨人軍には感謝。
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過去に起こった、外務省職員の汚職事件をテーマにした事実に基づく内容です。始め読んでいるうちは、フィクション?と勘違いしそうになりますが、それが事実に基づいた話だと分かると、そこまで詳細に書かれている事に脱帽します。ストーリーも犯人だけをメインでなく、事件の真相を追求する刑事たちの苦労や、その事件の背景にあるものと、読み出せば、その話に吸い込まれる事間違いありません。久しぶりに、読み応えと感動した一冊。ここまで上手く纏めているさk品も少ないのではないかと言う印象です。
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フィクションかと思い読み始めたが、実はノンフィクションだと途中で分かった。
汚職や公務員の犯罪を捜査する警視庁刑事2課のお話。高卒の刑事が法律の勉強のため早朝・夜間勤務があるなか夜学に通うという話に刺激を受ける。
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公務員による汚職を取り締まる刑事。なかなかの強者たちが描かれていたのだが、なにかちょっと引っかかる物を感じた。 捕まえる側も捕まる側も公務員。取り調べも相手の精神をいたぶる様な手法、横領だと官邸に影響があるからと、相手側の明細が必要の無い詐欺事件での立件。家族を省みず仕事に没頭する刑事。 様々な圧力から揉み消される事もあるという歯痒さ。そして、事件を担当した刑事世代の退職と、警察組織の変化。
金と権力の魔性に取り憑かれた者たちの生き様をドキュメンタリーで追い掛けた本だが、著書の名前が何処かで聞いたことあるなぁと思ったら、巨人軍のGMで謎の反乱を起こした清武英利氏。当時、なんのこっちゃ?という騒動だけが印象的だったが、今wikiを見ても何かよく分からんかった。
全般を通じて陰鬱な感じを受けた。私小説的で刑事の内面的かつその行動の暗い部分にフォーカスしてたからかな… 逮捕された松尾の方が、私生活が奔放でお金をパーっと使って、逮捕された近辺は兎も角、全体的に明るい感じで書かれていて、どっちが罰を受けてるのか?と戸惑う奥深いものがあった。
現代の社会において、本当に起きた事を知ると言う点では、良い本だと思うが、この本で描かれている範囲では無いと思うが、警察全般がこんな刑事だらけだったとしたら、冤罪だったら最悪だなと。取り調べの可視化は避けられない流れだったんじゃないかとも思える。
どういう世代がこの本を好むのかよく分からんが、若い世代の将来官僚を目指す人たちは、読んでおいた方が良いのかも。
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WOWOWのドラマを見てから購入し、読了した。
ドラマはほぼ原作どおり(もちろんノンフィクション)で驚いた。本当にドラマチックな展開。
清武さんの文章力もあるんだと思う。
読売のドロドロも書いてほしい。