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土地の所有権の登記が怠られている結果、所有者不明の土地が多数存在する。
その根源には、地籍調査が一向に進んでいないことがある。特に都市部の地籍未調査面積は40%近い。
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空き家問題から派生して、この本。
空き家対策の解決が難しい理由の一つとして、日本における登記制度の不完全さがあるのです。
それは、日本における不動産所有権の登記は効力要件ではなく対抗要件にすぎないことから、相続時における名義変更が義務ではないこと。
そんなことから、50年以上名義が変更されておらず、登記簿上の所有者がこの世にいないということは珍しくありません。
また、自分がそういった土地を相続されていること自体を知らなかったり、自治体の固定資産税事務の担当者も、不在地主の相続人を探すことに費用と時間がかかってしまいます。
そしてこの問題は、解決の糸口がないままどんどん拡大していってしまうのです・・・
この本で言いたいことは「第4章 解決の糸口はあるのか」でまとめられているので、そこを読むだけで本書の意図は伝わります。
自治体アンケートの結果は、その基本知識に厚みを持たせるためのもの、という位置づけでしょうか。
ワクワクするような話題ではありませんが、こんな問題が日本に残ったままでは、地方創生の足かせになることは自明であると感じました。
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人と土地のつながりについて、
考えを深めるため購読。
以下印象に残った点。
・登記簿と台帳の一体化は、それまで土地台帳が独立して担ってきた土地の物理的な現状の把握という公的な役割が、私的な権利を保護するための登記制度に吸収された過程だったともいえる。
・土地の測量の意味も、国の税務の基礎情報の把握という公的なものから、個人の権利の客体(対象)を明確にするためのものに大きく変わっていった。
・強い所有権。
・土地の利用よりも所有が優先する日本のような状況は、現在、先進諸外国では類を見ないものだ。
・本来、公共性の高いはずの土地(国土)が、境界もあいまいなまま、売り手と買い手の合意だけで売買され、開発されていく。
・土地(国土)が持つ公益的価値を十分に担保できる制度が整っているとはいい難い。
以下は私の読んだ他の本とのつながりと、私見。
司馬遼太郎も、
「土地の日本人」の中で、識者たちと歴史を振り返った上で、
日本における、絶対的な個人の土地所有権の強さと、
それに伴う国土の公益性の軽視を、危惧している。
やはり、特定の人間のB/Sに資産として土地が載るなんて、おかしい。
土地は所有することができるものでなく、生きている間借りている、
というのが正しいあり方なのではないか。
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身につまされる。三代さかのぼるだけでもひと騒動なのに、その間になんかわけのわからないイベントでもあった日には。土地の値段が上がる前提のシステムは難しいなあ。