紙の本
人形制作及び女形の俳優として人生を駆けた四谷シモン氏の自伝です!
2020/09/03 09:20
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、10代の頃から人形制作を始め、その後、唐十郎氏率いる状況劇場の女形として、また映画やドラマで活躍する俳優として1970年代の熱気の中を駆け抜けてきた四谷シモン氏の自伝です。同書には、個性の強い母に翻弄された著者の少年時代、コシノジュンコ氏、金子國義氏らとの出会いと友情、「ハンス・ベルメール」という球体関節人形との衝撃的な出会い、そして独自に製作した人形「シモンドール」のこと、さらに、心の支えとなった渋澤龍彦氏からの励ましなどが、回想のように綴られています。華やかな活動の裏側で、幼い頃よりこつこつと続けてきた人形作りを軸に自らの半生を率直に綴った作品です。
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四谷シモンの自伝エッセイが文庫化。
掲載されている図版を見ると、四谷シモンの人形というのは独特の雰囲気があるなぁと思う。なんというか、不思議な読後感があった。
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人形作家として知られる四谷シモンの半生を、嵐山光三郎が二年半を費やした聞き書きから構成された自伝。
それが最近、中公文庫として生まれ変わった。
(中央公論新社はまた、貴重な文化財を世に残す事に多大なる貢献を果たしたと言える。)
男を渡り歩くストリッパーの母、音楽的才能に恵まれた生き別れの父、ロカビリー歌手としてのデビュー、状況劇場で女形として熱狂的とも言える人気を博した時代、人形作家として生きてきた人生、そしてこれから歩んでいく道…
本書でしか知る事の出来ない事柄が惜しみ無く語られ、人形のカラー写真も散りばめられている、とても貴重な資料だ。
著者を取り巻く人々は目を見張る程豪華で、1960〜70年代辺りのアングラ文化を愛する者にも読まれるべき一冊である。
名前を挙げる事は切りが無いので控えるが、著者しか知り得ない彼等がページの上で生きていて、感動せずには居られなかった。
それは文字を追うのみで十分に伝わってくる、著者の興奮した語り口に拠る。
Twitter上でも同じ事が言えるが、彼は当時の事をいつでも青年に戻り語る事が出来るのだ。
お陰で、死者達が暴れまくる様子が、可笑しくて堪らない。
出自、アングラ劇団に所属していた事をも知る以前に四谷シモンの人形に惚れてしまった私は、彼と同時代に生きられている事に改めて感謝をした。
あぁ…四谷シモンが死んだら、ショックだろうなぁ。
<Impressive Sentences>
僕は同じものを繰り返し作ることが苦手です。
自分に対してクエスチョンが無いということに耐えられないのです。
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図書館で何気なく借りた本。
アングラ文化を知る上でとても勉強になりました。
そして四谷シモンさんの半生を知り、あの不思議なお人形の誕生も知ることができました。
ぬいぐるみや人形が大好きな私としてはシモンさんの教室に通おうかと本気で検討しているところです。
これは書店で買い直そうと思います。
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母に翻弄された少年時代、状況劇場での活躍、澁澤龍?との親交。観る人を甘美な世界に引きずり込む天才人形作家が綴る波瀾万丈の半生記。〈解説〉嵐山光三郎