紙の本
美しく、儚いおとぎ話
2024/02/29 20:14
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しく、儚いおとぎ話。
スヴニール
ワンフォーミー・ワンフォーユー
マンダリン
モンデンキント
が好きでした。
ガラス細工のように繊細で、怜悧で、硬質で、
煌めいた光が一瞬の熱に変わるような物語でした。
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千早さんの描く不思議な世界に浸れて良かった。
青いリボンが、ちらちらとよぎる感じが幻想的で良かった。
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時間が止まったような薄いグレーの世界に鮮やかなブルーのリボン。
居心地が悪いけれど立ち去れず、傍で覗き見しているような妙な感覚。
現実味がない実体感が残る。
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青いリボンと人形と、繰り返される深い夜。
12の、夢うつつの物語たち。どれも美しく、どれも切なく、どれも血の匂いがする。
どの話が一番好きかと聞かれたら、どれも好き、としか答えられない。国も時代も違うけれど、どのお話もみんなどこか一点でつながっているような、いや、どこかの一点に向かって伸びていくような、不思議でリアルな物語たち。
毎朝、きれいな箱をあけて、一つの物語を取り出してそっと口に含む。恍惚とした甘さと冷たさが身体に染みて来る、そんな風にいつまでも楽しみたい一冊。
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12の短編集で、7作は初出 2015〜16年の「WEB文蔵」と「ダ・ビンチ」、5作は書き下ろし
時代も国もまちまちで、人形と青いリボンがよく登場するファンタジーっぽいお話(しない話もある)
・コットンパール(蜘蛛の繭玉) のネックレスをした女
・プッタネスカ(娼婦風スパゲティ) 赤い服の娼婦に育てられた女の子
・スヴニール(記憶) 招待された食事には子供の頃に行った家(実はカウンセラー)の記憶が
・リューズ(竜頭) 時計の竜頭を巻くのが上手で戦地から救出された女の子
・ピースト 雪の化身マムウ(マンモス?)のいる山に暮らすヌカラの女の子
・モノクローム 修道院のような精神を支配する刑務所
・アイズ まるとてん(よくわからん(苦笑))
・ワンフォーミー・ワンフォーユー 女の子に見いだされ心を通わせ合ったティーポット
・マンダリン 孤独で冷酷な中国の皇帝の話を書く残酷な好みの男の子
・ロゼット 時計職人が戦争で殺された女の子の頭に機械の体を付けて軍隊に復讐させる
・モンデンキント(月の子) 作者の私小説? 小説家になった私は、中学の隣の席の長身の男の子もエンデの「はてしない物語」が好きだとわかり、たくさん本の話をしたが、他の女子の計略で疎遠になったが、月を見ながら「きれいで、面白い話を書ける」と言われた記憶を大切にし続ける。
・ブラックドレス 夜に紡がれた物語はくるくる回るというエピローグ代わりの詩
ストーリーとしてはモンデンキントが面白いが、クラウンとロゼットが繋がっていそうで、になる。
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連作短編。全てに青いリボンが登場。好きな話もあったし苦手な話もあったけどやっぱり好き。デビュー作の魚神の雰囲気を思い出した
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千早さんらしい、リアルと幻想の境目を行き来するような短編。どの作品にも人形と青いリボンが象徴的に出てくる。
ん~だけど、共通点はそれだけのバラバラの短編、掌編を何故、同じ作品に編んだのかがわからない。
時代も、国も、登場人物もそれぞれ違って、統一性も感じられず、これらの物語が連なる必然性が感じられない。私の読み込み不足なのかもしれないけど・・・
大半の作品に共通する童話のような語り口も好きになれず、最後まで戸惑いの中で読了。千早さんはもういいかな・・・
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短編小説12編
人形たちあるいはこの世の不思議な存在あるいは唯一無二のものと関わる少し不思議な物語,切り口が洒落ていて,とくに「ビースト」が良かった.
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バーでの出会い、裏町に住む女たちの悲哀。どこかにひっそりとあるレストランのフルコース。山に住む少女と生き物たちの死と生を、囚われた人たちの一筋の自由を、えがいた短編集。青いリボンをつけた人形が時代も空間も超えてそこで微笑んでいる。
青いリボンで繋がれた哀しくて美しい短編集。女たちの悲しみが濃い『プッタネスカ』優しさの滲む『スヴニール』現代劇のような『マンダリン』が好きだった。
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表紙に印象的に描かれている「青いリボン」が紡いでいく12の短編集。
どの短編にも出てくる「人形」が幻想的で美しくも儚い世界観を醸し出す。
何も喋らず表情のない人形たちに誘導されるように千早さんの世界観にどっぷり嵌まる。
見事にどの短編も違うタイプの物語で、千早さんの引出しの多さに驚く。
けれどどの短編も独特の雰囲気を纏い、各々の頁数は少ないのに読後の余韻が波のように押し寄せるので、次の短編に行く前に一息つかなければならない。
湿っぽい薄暗い世界の中に一際鮮やかに澄んだ青いリボンは眩しすぎて、思わず目を逸らしてしまいたくなる。
「プッタネスカ」「スヴニール」「ワンフォーミー・ワンフォーユー」が特に好き。
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幻想的な雰囲気をまとった大人のための童話を集めた小説集、というのでしょうか、台詞や展開を楽しむというより、描かれる世界の設定やディテールを味わう物語のように感じました。
たとえば想像力をかきたてる料理の描写だとか、人形たちの姿だとかに、完全な異世界ではなく鏡の向こうの近くて遠い世界を覗いているような感覚を抱くのです。
それは普段見えない世界を見てしまったかのようで…まるで禁忌を犯したかのような魅惑だともいえるでしょうか。そういう日常から切り離された雰囲気に浸れたお話でした。
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荒廃した世界。空爆から身を潜め、何者かに
導かれるようにして目を開けると、
自動機械人形が現れ…。「リューズ」をはじめ
全12編を収録。幻想と現実が溶け合う美しき短編集。
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短編12編それぞれが独立していて、でも何かを象徴するかのように青いリボンで繋がれている。漂うリボンと、無機質な人形。残酷で美しい幻想的な世界。千早さん、好きだなぁ。最後に読んだからか、「モンデンキント」が良かった。はてしない物語、読み返したいな。
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幻想的な情景が広がる短編集。読み終えたあとほおっと余韻に浸れました。 『ガーデン』、『あとかた』を読んでおり、現代小説の印象が強く、その中で幻想的な描写や情緒ある表現が魅力的でした。そんな儚くも強烈な印象が残る世界が全面に出た作品集でした。
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2018.7.30 読了
人形と青いリボンがモチーフとなった
短編集。
私は 最後の方の『モンデンキント』が
よかったかな。