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前作に引き続きとても面白かった!あまり触れられていないジュリアン、クリストファー、シャーロットの裏話。ジュリアンの親が、絵に書いたようなモンスターで、面白かった。クリストファーにも友だちがいて、考えさせられた。シャーロットは、少し、自分と似ているところがあって、面白かった。ワンダーのシリーズは大人になるまでに読んだ方がいい1冊です。
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前作「ワンダー」のスピンオフ版。
前作では、語ることがなかった、オギーを取り巻く3人の物語。
それぞれの視点、一人称で書かれている。
前作「ワンダー」では、いじめっ子として登場したジュリアン。
読者達の間で、「冷静を保ち、ジュリアンになるな」というスローガンまで生まれてしまった。
著者のパラシオさんは、これに違和感を抱き、ジュリアンの物語を書こうと思ったそうだ(ジュリアンの行動を正当化するわけではなく)。
ジュリアンは根っからの「悪い子」ではなく、彼が要所要所で道を正すべき時に、適切な支援を両親が出来なかったということが分かってくる。
また、前作ではほとんど出てこなかった、生まれた時からの幼なじみであるクリストファーの物語。
いい子ぶりっ子と言われてしまう、シャーロットの物語。
オギーとは少し距離があった中で、彼らなりに悩み事、辛い経験があった事が分かる。
学校は、ただ勉強をするだけの場所じゃない。
ある意味勉強というのは、学校が果たす役割の本の一部なのかもしれない。
コロナ禍の今、その存在の大きさをより感じる。
学校に行き辛い子ども達を否定するのではない。
誰もがその子自身をありのままに受け入れてもらえ、成長できる場所として、必要とされる学びの場であってほしいと願う。
2020.5.14
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名著「ワンダー」のスピンオフ作品。
昔、エレファントマンという映画がありました。あの子ども版というか、外見に「普通ではない」ものを抱えた男の子と、周囲が織りなす物語が、ワンダーでした。主人公オーガストの困難に対する姿勢が心に残っています。力強いとも違う、しなやかな強さ。
今作は、3人の「普通の子」がオーガストとの出会いから、自分の人生をどう生きていくのかが描かれています。
いじめっ子ジュアン、幼なじみのクリストファー、同級生のシャーロット。小学生ならではの幼さと純粋さとしたたかさ、ずるさを追体験できました。
ジュリアンを溺愛し、傲慢に育てた両親、かつて自分を助けてくれた少年がナチスに連れ去られガス室に送られたと語る祖母。名前に込められた思い。
前作を再読したくなりました。
世界はワンダーに満ちている。
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読後に「本編より好きかもしれない」と思ったのは、結局私はオーガストではないから、なのかもしれない。
私にとっての「よりリアルな方」はこっちだし、なんというか、うーん、私もジュリアンと同じでオーガストの強さを受け止めきれてなかったのかもしれないな。怖かったのかもしれない。オーガストがありのままで生きていることに畏怖を感じていたのかも。自分は絶対に出来ないことだから。オーガストがたくさん傷ついて、それでもなお頑張っていたことを、本編を読んだことでちゃんと理解していたはずだったのに。情けない考えだよね。
肌が荒れただけで死にたくなるし、本来は一重の目を無理矢理二重になるようにメイクしているし、眉毛はスッピンのときの原型をとどめていないのが私だ。
私はありのままの私を出すのが怖い。だから化粧なんかしなくていい職場なのに、私は周りに笑われるくらいちゃんと化粧をして出勤している。
でもオーガストは、本当に、とんでもない勇気を持っていて、勉強も出来て、めちゃくちゃいい子で、友達だっているし、新しい友達だって作れるんだ。眩しかった。自分は絶対そうはなれないという嫌な自信がある。
ジュリアンの話でめちゃくちゃに泣いた。嗚咽が出るほどに。
そもそもナチス関係の話は小学生のときにアンネ・フランクの伝記を読んでからずっと心に残っているので余計かもしれない。展示会みたいなものにも連れて行かれた覚えがある。
子どもの頃から大人になった今まで、同じ温度でずっと恐ろしいんだよな。おばけも真夜中も怖くなくなったけど、やっぱり戦争やナチスの話は怖い。
全体的にめちゃくちゃガッツリ集中して読みました。すごく好きだ。大事なことがたくさん書かれている本だ。
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結論から言うと、この本を僕はワンダー本編以上に好きかもしれません。ワンダー本編を読んだ人には是非こちらの本もお勧めしたいと思います。ワンダー本編の方は、そちらの感想に書いたのですが、非常に機能的に書かれた本だと感じました。その各章はそれぞれ新たな視点の気づきを読者に与えるために書かれたというのが読んでいてわかる気がしました。そして、起こしたいその気付きが多いため、結構盛り沢山に詰め込まれていたのだと思います(映画版はそれ以上にぎゅうぎゅうでしたが)。それに対して、こちらの本は、こちらも基本的にはそれぞれのキャラクターを通して気づきを与えたいという意図は作者にあるものと思いますが、1冊で3人のキャラクターしかとりあげなかったこともあって余裕があり、キャラクターの生きている様子を描くというところにより多くのウェイトが置かれているように感じました。お話にあそびや肉付けがあるのか、なんだかじんわりとした温かみを感じました。
ワンダー本編は複数人の視点から描かれているとは言っても、外見が普通ではない少年オギーを中心とした物語で、それぞれのキャラクターのエピソードはオギーに関するものばかりでしたが、本書ではそうではありません。本書の3章はそれぞれジュリアン、クリストファー、シャーロットという3人の脇役を主役に描かれていて、オギーはほとんど登場しません。オギーとはまったく無関係なエピソードがかなりの割合を占めます。そのことは、オギーという「特別な子」はまわりに影響を及ぼすけれどもそれは普通の子がほかの子の生活に影響を及ぼすのとそんなに違うことではなくて、他の子の生活には他にもいろいろなことがあってオギーはいわば脇役にすぎない、ということを思い出させ、オギーがやはり普通に一人の子供でしかないことを自然な形で読者にしみ込ませます。つまり本書ではオギーはますます特別ではないんです。
3人の章はそれぞれまったく違うお話で、それぞれ面白かったのですが、読む前からどんなお話なのかとても気になったのはジュリアンの章です。というのは、ジュリアンは本編でオギーを最後までいじめていた言わば悪役の子だからです。いじめっ子の一人称視点は一体どのように描かれるのでしょう。そして、彼は改心するのでしょうか。ネタバレしないようにここでは明かしませんが、それを明らかにするこの物語は安易ではなく、僕には納得感があるものでした。そうか、そういう気持ちがいじめっ子の彼の根っこにはあったんだね、と子供と話し合ったりしました。シャーロットという子は本編で出番がそんなに多くなく、映画版では出番が多くない割りにその出番でちょっと極端に描かれていたので、本編を読んで映画版を見てから本書に来た僕らは、映画版のイメージが抜けず、少し混乱することになりました。映画版のシャーロットはちょっと忘れるようにした方がいいと思います。それはともかく僕がなんとなくいちばんほっこりしたのはシャーロットの章でしたね。
小学生の子への読み聞かせに読みましたが、彼の感想は「ワンダーよりも細かいことが書かれれていた。いろいろな物の見方を教えてくれた気がする。これからもずっと役に立つ本な気がする」とのこと��した。
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ワンダーに出てきたいじめっ子のジュリアンとその両親の行動や言動も、視点が変わるとまた違う印象で受け取る事が出来ました☆
意地悪な子やわがままな子、思いやりの足りない子、ずるい子、きつい子、プライドの高い子などなど、いろいろな子が居るけど、どんな子にも良心が備わっているんだなと思える本でした♪ただ、やっぱりジュリアンのおばあちゃんの話は最高!!しばらく鼻水がとまらなかったほど感動したし、もう一度そのシーンを読み返しただけで涙が出てきます☆たくさんの人にこの本を読んで欲しいな~♪
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『ワンダー』のスピンオフ的な作品。
いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、中立の立場を通したシャーロットが、オーガストと出会ってどんな日々を過ごしたか、そしてどんな風に変わっていったかの物語。
まずジュリアンの章で、前作の『ワンダー』では描かれていなかった、ジュリアンに対する学校側の対応にとても驚いた。いい意味で。
ジュリアンの両親の言い分を聞いていると胸の奥からムカムカしてイラついてしまう。
だからジュリアンみたいな子になってしまうんだ、と彼らを責めるのは簡単だ。でも同じ子を持つ親として、自分はそうならないと言い切れるだろうか?
「ただただジュリアンに幸せになってほしいからだ。それがすべて。」
全ての親が我が子には幸せになってほしいはず。その方向性を間違えないようにすることが大切なんだと思う。
『ジュリアンになるな』というスローガンがネット上に現れたらしいけれど、大人の私たちには『ジュリアンの親になるな』なのではないかな?
クリストファーの章もシャーロットの章も、友だち関係の難しさを経験して悩み、苦しみ、自分なりの答えを見つけ出す姿が描かれている。
「都合のいいときだけ友だちってわけにはいかない。いい友だちは、ちょっとよけいに苦労するだけの価値がある」
子どもにも大人にも読んでもらいたい本です。
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タイトルどおり、ワンダーの外伝にあたる本。
ワンダーに負けず劣らず面白かった。
ジュリアンが、自分がいじめっ子だという自覚がないことにとても驚いた。それはジュリアンの親が我が子の幸せを求めすぎるあまり正しさを見失っているせいでもあったと思うけど、こういう子って結構いるんだろうなと感じた。でもジュリアンはおばあちゃんの話を聞いてしっかりと自分が悪いことをしたのだ、自分はいじめっ子だっだのだと自覚し強く反省したとき、オギーが前作で晴れ舞台に立った時と同じくらい感動した。
ジュリアンもジュリアンの両親も、自分たちが正しい良い人間だと思っていたんだ。そしてそういう気持ちや意識は、他ならぬ私自身持っているものだろうと思った。反面教師というか、日々価値観が変わるなかで、誰でもジュリアン一家のようになる可能性があるのだと思った。
クリストファーやシャーロットの語りでも読み取れたことだが(こちらもすごく面白かった!)、自分の行いを常に振り返るようにしなくては。
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同じ物語を別な人の立場から読むとまた違った発見がある。
ワンダーを読んだことがある人は次にこれを読んでみてみて欲しい。
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ワンダーでは書かれなかった3人のそれぞれの事情と気持ち。
痛いほど伝わった。
特に、「友達グループ」について、違うグループに所属していても友達にはなれるけど、グループ同士が交わったり別の子に紹介することはできない、もしくはできない、というのがとてもリアルに書かれていて、自分にも思い当たることばかり。
オギーのその後でなく、こういうふうに登場人物を掘り下げてくれてありがとう、という気持ち。
ワンダーと合わせて自身を持ってあらゆる人におすすめしたいです。
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ワンダーは映画で見たのですが、オギーを巡るストーリーがずっと心に残っていてこの本を手に取りました。
この本ではオギーの周りの子どもたちがオギーから感じとったことや考えたことが率直に描かれています。当たり前だけど、いじめた子や傍観する子にも気持ちがあり、ストーリーがあるんだよねー。
語り手の3人からアメリカの学校生活の様子も生き生きと伝わってきて、日本とは違う学校生活を見せてもらえた気分です。でも親や幼なじみとの関係、友人関係の悩みなんかは共感するところがいっぱいで…。
各章でみんなそれぞれのワンダーがあって、心地よい読後感。読み終えるのがもったいなかった!
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前作の『ワンダー』は、ものすごく心奪われました。もうひとつお話があると知って、ワクワクしながら図書館で借りて読みました。
どのお話も、そういうことあるあると思うような心内がたくさんあって、私もその場にいるような感覚になりました。どんどん読みたい気持ちと、読んだら終わってしまう淋しさで葛藤しましたが、やっぱりあっという間に読んでしまいました!
ずっとずっと『ワンダー』の世界に浸っていたい!2冊とも購入しようかと思っています。
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『ワンダー』を読んだらこれも読まなきゃダメ。ジュリアンの葛藤や成長が見えて来る。オギーとの関わりだけでない、学校での交友関係やら家族関係やら、心の声が聞ける。2冊セットのワンダー!
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読んでよかった。
ワンダーと合わせて読むべき!
いじめっ子には、いじめっ子になる理由がちゃんと存在する、と感じた。
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子供に勧めたくなる一冊。間違いに気付き、認め、乗り越えて行く姿に感動した。自分はこんな風に頑張ってこられただろうか。