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ディープラーニングのお勉強。
ディープラーニングに利用されている基本技術は脳細胞の動きを模したニューラルネットワークで、与えられたデータからコンピュータが答えの解法を自分で見つけて学習する「機械学習」の一種です。機械学習には「教師あり学習」と「教師なし学習」があります。ディープラーニングは基本的に教師あり学習です。
ディープラーニングが面白いのは確率的な処理が入らない点です。ディープラーニングは、いい悪いはありますが、一つの正解を判断するのです。そして、それがたぶんディープラーニングがうまく動いている理由です。
ただ、現在のところ、ディープラーニングの強みは、これまでの人間の知識(先入観)を徹底的に捨てたところにアドバンテージがあるのです。「世界はこういうルールで成り立っている」「ある種のルールの体系で世界はできているはずだ」という前提をなしにして、データを真正面から見ようとするのがディープラーニングです。世界にある複雑なデータを複雑なまま直接説明できる方法論を、少し無理してもいいから作ろうとしているところが、現在のディープラーニングが成果を上げている理由なのです。
記号的な処理という意味では、現在のRNNは非常に高い精度の翻訳を行うことができます。学習後、ネットワークの解析をすると、その内部に文法的な構造を自己組織化しています。しかし、その文法の存在にRNNが”気づく”ことはできません。
記号とは、現実の世界(時空間)と独立した一般性を持つ形式世界の体系なわけですが、ディープラーニングはむしろ、一回性、ここに現れた表現とまったく同じ表現はもう現れない、といった問題に強みを持つように感じています。
いまのディープラーニングにはできないことをたくさんあります。中でも、一番の問題は「説明がつかない」ことです。これまでの機械学習もしくはAI(人工知能)のような、出力の理由(因果関係)をディープラーニングでは明確にすることが一般には困難です。
人間はコンテンツではなくコンテキストに意味を見出す存在ですから、コンテキストに訴えるような制作物をうまく作ればいいわけで、感情的に受け入れやすい応用アプリケーションの制作には大きな可能性があるでしょう。
アンドロイドが不気味の谷を超えられるかどうかはわかりませんが、もし超えてしまえば人間よりもアンドロイドを好む人は必ず出てくると思います。
※不気味の谷 1970年に森政弘博士が命名した経験則。人の受ける印象はその忠実度と深い関係があるとする。