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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこにも居場所がみつけられない人が増えていると思います。新書なのですぐ読み終えてしまったので、もっと掘り下げた内容で読みたかった。
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割と面白かったですが、少しアンダーすぎる感じが。
東京新聞の記者でトランスジェンダーの著者が
書いたいろいろな社会とその居場所について。
もっと軽く生きている私ですが、心底では共感することも
多々ありました。
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借りたもの。
社会に翻弄され、つまはじきにされた人間たちの慟哭を集めたもの。
「自己責任」という言葉でひとくくりにされ、偏見から社会の居場所を失った人々の集合体……それが社会の底辺(貧困、社会問題、社会の基盤、その全て)を作っている。
グローバリズムは本来、「多様性を認める」という意味だったが、細分化されあまりに漠然とした世界は尺度を求め、結局そこから外れた者は抹殺される。
それ故に、漠然と何かが「違う尺度」をあてがわれても、その毒まんじゅうを喰わざるを得ない。
それは単発でふっと沸いたものではなく、連綿と続いてきたものであった。
現代の社会問題が、そうしたものでできていることを――シリア人の祖国、AKB劇場、三里塚闘争、LGBTブーム、アジールとしての暴力団、新宿ゴールデン街のバー、子ども食堂、刑務所、イスラム法学者とその周辺、磯釣りなど――著者の視点から垣間見る。
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いろいろな人間、価値観、コミュニティー、知らないことは沢山ある。
作者は世間的にマイノリティーで、時によっては向き合うのを躊躇したくなるかもしれないところを含めた色々な人間とコミュニティーの存在と現状を本書で紹介してくれている。
無理にそれらに真面目に向き合う必要は無い。ただそういった”多様性”の存在を知って、それに対しまず自分自身で考えていくことがすごく大事だと思った。浅はかな生理的な拒絶は稚拙以外何物でもない。
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シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、刑務所、イスラム国、釣り場。弱者や少数者や社会から外れた人々がそこに居る。その様子を描き出す。
著者がその場の内にいるか外にいるかで論調が変わるのも居場所ゆえか。
読み応えあり面白かった。
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アイドルの応援現場、ゴールデン街のバー、こども食堂、ヤクザ等々の居場所について、著者が自身の関わりを交えつつ書いたルポのようなエッセイのような一冊。現代アジール考といった趣。
居場所について書いた本は「今は多くの人が居場所を失っている!なんとかしないと!」というスタンスのことが多い。この本にもそういう視点はあるが、単に肯定的には描かない。著者は個人主義的な考えが大きいようで、そういう居場所を冷めた、引いた視線でも見ている。そこがこの本の読みどころだと感じた。こども食堂について他の人が描いたら、肯定一辺倒だろう。
中田考界隈について書いた話は、中東関係の記述が不勉強故によくわからないものの、えらてん、リサイクルショップとの関わりなど興味深く読んだ。