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ファンタジーに類される作品ながら、魔法で解決されるのではない。医学とは生命とは、国とはとさまざまな登場人物たちの目と言葉を通して語られ、理解が深められていく。それにしても食べ物の描写も美味しそうなんだよなあ。。
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明かされていく黒狼病の謎
追い詰められてゆく火馬の民が最後にとった策は。
そしてヴァンの決断は・・・
ヴァンとユナ、サエたちに穏やかな未来があることを
願わずにはいられない。
壮大なファンタジー作品でありながら
骨太な医療小説でもあり、
最後までハラハラし通しでした。
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この本を読んでいる間に、手術を受けた。
生と死、生きる意味、人と組織、家族。色々な事を考える機会と相まって、忘れられない一冊になったと思う。
わたしは動物が苦手だけれど、このお話に出て来る動物はみな、輝き、その生を全うすることに貪欲で、とても惹かれる。
読み終えた後、まだその世界にどっぷりと浸かって、あのラストを物語の中の人たちと見届けたい、と思う作品でした。
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上橋さんのファンタジー小説を文庫版で読了。読む前に事前情報を全く入れてなかったんだけど、骨太な医療系ファンタジーでした。具体的には伝染病に翻弄される人々の話で、テイストとしては全体的に暗めではあるんだけど、巨大な国から受ける横暴さや致死性の伝染病に蹂躙された人々が、いかに力強く生き抜いていくかの描写が非常に見事で、病気とは何か、人体とは何か、はまたま人生とは何か、を突きつける物語で、読む手が止まらずあっという間に読了しました。ただ巻数の割に登場人物が多く、また漢字にルビがついた登場人物が多いため、把握するのが結構大変でした。(登場人物表を何度読み返したかわからないくらい。)
これ、登場人物たちをきちんと理解した後に、再読するとより楽しめるな、と読み終わった瞬間に思ったりもしました。また、近いうちに読み返したい。
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2018.9.16読了。あー読み終わってしまった。冒頭の地図は素敵なんだけど作中の地名全てを網羅した地図じゃないのが惜しいなぁ。〈七つ前は神々からの預かりもの〉って現代日本でも同様の言葉があるけど私はこれはあっさり死んでしまうが故にそれを神様のせいにでもしないとやっていけなかったからできた言葉なんじゃないかと思ってる。物語冒頭に出てきた光る葉っぱの存在すっかり忘れてた!実在モデルもあるのかぁ。興味深い生き物だな。そしてとうとうメイン4人の邂逅である。上橋さんの作品はメイン同士が会うまでに時間がかかることが多いな。ミラルとサエの命についてのやりとり特に「サエさん、聞いて」以降の言葉は死産でずっと自分を責めてるのサエへの同じ女性であるミラルにしかできない救済の言葉だなと思った。黒狼熱が島外に出るのを防ぐために髪を剃り、衣を脱ぎ…という説明のところで某書で読んだ無人島へ調査に行く調査団の人達の消毒の厳重さを思い出した。同時に逆に病が海を越えるには生き物に乗るしかないということも。ユナちゃんの言葉が舌ったらずなのは裏返りの影響も受けてるのかなと思った。人に囲まれて生活しているからその影響自体わずかなのだろうけど。あとがきの生物進化論に関する話でウィルスが時として身体を変化させる役割を担うとあって、国立博物館でやっていた古生物の企画展で生物が眼を獲得したのはウィルスのおかげという話を思い出した。この本は色々と知識的にも感情的にも色々と思い出させる本だった。上橋さんは唐突に頭に浮かんだ情景イメージが物語創作のきっかけになる方みたいだから、鹿の王のイメージがどんなものか気になっていた。鹿の王は狼に噛まれる男のイメージかぁ。そして文庫版あとがきの「チャンスを諦めることが、私には出来なかった」という言葉が何故か妙に印象に残った。表紙は弓を構えるサエとユナが森に立ってるのかと思っていたが、帯を外してみたら極太の木の枝の上のようでちょっと驚いた。
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鹿の王という言葉の意味があかされるところ、そして、それが最後へとつながっていくところ、すごいとしか言いようがありません。
登場人物たちに真の悪というものはなく、それぞれの事情をかかえ、どうしようもないところへたどり着いてしまう、人の生き方の凄みを感じました。
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この世に同じ人はひとりもいない。過去にも、そして、未来にも、同じ人は二度と現れない。
人というのは哀しいもので、なにをやっても、どこかに悔いが残るもんだ
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作者の分身のような登場人物がひとりでに動き出して語られる物語ではなく、抗いがたい運命に必死で抗ってもがく人物たちを淡々と描き出していると感じた。
生き生きとした躍動ではなく、絶望的な状況で生々しく苦悩する姿にこそ、この物語のよさと思った。
それぞれの人物のその根底にあるのは民族や一族の生活、歴史という背景がリアルに感じられ、人物の行動や思考を強く縛っているからであり、余計にラストシーンが引き立つ。
全然違うけど、ナウシカのラストのようなものを想像していたので、あのラストでよかったし印象深かった。
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壮大なファンタジーが完結する。
ただ事を収めるような結末ではなく、ギリギリまで予想出来ないような展開で、
全く飽きなかった。
むしろ早くページをめくりたいという衝動を読んでいる間、常に感じた。
細かく調べられているからこそ、世界に入れる素晴らしい作品
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犬の王は出てきてるけど、鹿の王なのよね。。 そんな疑問がキレイに解決された最終巻。 ヴァンと、ホッサルの会談は、なんとも不思議で それでいてすごく腑に落ちた。 孤独ではなくなったヴァンが、それでも選んだ結末は とても悲しかったけど、あとを追うみんな。。。 ユナ、サエ、トマ、智陀。 お祖父ちゃんの言葉。。。 いろいろと考えさせられるとてもステキなお話でした。
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作者の想いが物語に描かれすぎて少し残念…
読み終わった後の後味は良く、最後までスピーディーな展開が起こるため飽きることはなかった。
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面白かった。
こんな面白いファンタジーは久しぶり。
すごい相関図になりそうな入り組んだ人間関係を、あまり難しくなさそうに描いてあって読みやすい。
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文庫版最終巻。まずはレビューと云うより、読み終わって胸の奥底に眠っていた感傷的な記憶の断片を書きます。その昔、小さいころ、基督教会に日曜学校で通ってた。そのときいつも「生きとし生けるもの云々」というコトバを毎回聴いていました。この本を読んでいる間、なぜかその教会での空気感に触れているようで、不思議でした。その教会が初めて「死」という概念を持った場所だったからかも知れません。逆に「生きる」というコトがあたりまえすぎて、無頓着だったからかも知れません。
さて本の感想に入ります。ひとつだけ。ヒトだけではなく全ての生命は犠牲の上に成り立ち、医療もその限りではないということ。
『鹿の王』は自己犠牲を生まれながらに持っている、勇敢な者のみに与えられる称号なんだなと少しだけ切なくなる物語でした。
幸いにも続編が刊行されているようで、「欠け角の…」にまた逢える日を楽しみにしています。
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タイトルからのイメージと全く違いましたが、ほっこりとする本。
主人公は鹿かと思いきや、人間。
王は王様から思いきや、みんなを殿で守る役割。
ゆなちゃ可愛いねぇ。良い終わり方でした。
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ファンタジーはほとんど読まない私だがこの本は面白く読めた。一度読んだだけでは壮大な話を理解しきれないのでまた改めて読みたい。