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紙の本
死するもひとりなり
2017/10/24 15:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日読んだ『藤沢周平句集』と同様に、瀬戸内寂聴さんのこの句集も寂聴さんが詠んだ俳句と、俳句とそれに関わった人との交流を描いた随筆7篇が収められている。
『藤沢周平句集』は藤沢周平没後にまとめられ発表されたものだが、この句集は今年95歳となった寂聴さん覚悟の句集といえる。
「あとがき」にこうある。
「百年近い生涯、こうして私は苦しいときや辛い時、自分を慰める愉しいことを見いだしては、自分を慰め生き抜いてきた」と。
そして、一遍上人の言葉を書き留めた。
「生ぜしもひとりなり/死するもひとりなり」、句集につけた名前が「ひとり」。
この「あとがき」には寂聴さんと俳句とのかかわりが記されている。
最初は1961年というから古い。当時の文藝春秋社の車谷弘氏に誘われたとある。車谷氏のことはこの句集に収められた随筆「侘助の人」にも詳しい。
誘われて行った句会で円地文子とともにへたであったと書く。そして、寂聴さんが67、8歳の頃、今や俳壇の大御所になった黒田杏子さんとご縁が出来て、再び詠み始めたという。
だから、寂聴さんの俳句は黒田杏子さんの流れを汲んでいるともいえる。
そうやってみてくると、寂聴さんの俳句との縁は恵まれている。
その句もしっとりとしていい。
「独りとはかくもすがしき雪こんこん」は気に入った。
「雪街道往き往きし涯浄土なり」という句は「司馬遼太郎逝く」とあるから司馬さんが亡くなった時に詠んだものだろう。
寂聴さんの俳句ならもっとしっとり官能的なものかと思ったが、そうではなく王道のような句が続く。
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