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紙の本
永田鉄山も欧米的な「主体的個人」の確立を述べていたとは・・・
2022/05/07 02:18
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、渡辺浩氏の「丸山眞男における「原理」・「主体」・「秩序」」という論稿を読む機会があり、本論集の下記引用文に着目していたことを知り、唸らされました。
「我が国民性を観察するに、・・・ 古来桜花に喩えられた我が国人の武勇は、動もすればその急焼火薬のごとく急激に発作して、瞬速に冷却するの弊に陥る虞がある。また情に激し義に感ずるや勇往奮進死を軽ずること鴻毛も及ばざるの概があるが、往々にして堅忍持久・隠忍苦節を持するというような緩燃性に欠くる恐れがある。また、家族制度の下に養成された自然の結果でもあろうが、依頼心強く自治自律の念に乏しいように思われる。おまけに外的律法の下に制縛的に訓養せられているため、自覚に欠け責任観念が十分でない点があるように思われる。すなわち我が国民は一面他国民に冠絶した美性を有っているとともに、他面また欠点が少なくないように思う。しかして、この日本人の短所はすなわち欧米人の長所なのである。」(本書40頁)
さすがは永田鉄山。誰が書いたのか伏せられていれば、これは丸山眞男の言とも受け取れるようにも思われてならない。書名は「軍事戦略論集」であるが、それにとどまらない射程を有する読みでのある一書である。近時における「日本の経済・産業敗戦」も、元を質せばこういった点に行き着くのであろうと、最近感ずること頻りの評者である。歴史は長期で観れば嘘をつかない、とでも云おうか。
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