紙の本
時をかける男子高校生
2021/06/15 23:16
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の智ただひとりが、未来を知っているという設定が上手くハマっています。2度目にして2度とない、愛する人との時間が痛切です。
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俺は燐と仲間たちで、文化祭で最高のバンド演奏をやり、これからも同じ時間を過ごしていくと思っていたのに、燐は不治の病を患っており、急に倒れて亡くなった。
病床で俺は、燐のことが好きだという気持ちを伝えた。でも、決して伝えてはいけなかったんだ。
ただ一つの後悔から前を向けなくなった俺は、初めて燐と会った場所で偶然タイムリープし、半年前に時を遡る。
俺は決意する。今度は決して伝えない。後悔しない。燐が笑顔で人生を終えられるように…。
(ネタバレあり)
好きな人が近くにいるのに決して気持ちを伝えられない智。
それを知らない燐は、元々の性格と智への好意からぐいぐい懐に飛び込んでくる。
智の精神がボロボロになっていくのと同時に、智のせいで燐の心も傷つけられ曲がっていくのを見るのは辛いものがあります。
同じ出来事をいくら塗り替えそうとしても、智は燐の手を「触んな!」と怒鳴り、燐と二人きりなのに何度も辛そうな歪んだ表情を浮かべていて、過去とは全然違う。
大まかな流れは一致してるのに、記憶にない台詞がちょいちょい入るのが不気味でドキドキします。そして燐が可哀想になってくる…。
文化祭前に嫉妬と失恋の感情で支配され歌えなくなっていた燐。
そんな燐に優しく「好き」以外の気持ちを伝える智。燐は嬉しかったろうな。
ラストはハッピーエンドっぽくはあるが、やはり結末が切ない。明らかに両思いなのにお互い気持ちを伝えないでフェードアウトとは。
一度めに、どうして燐があんなに拒絶したのかも説明描写があると良かった。
てか花園さん可哀想じゃね?
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好きだという気持ちを告げて後悔した「Bad End」を、もう一度やり直して「Happy End」にするために本当の気持ちに蓋をしたまま過去をなぞる…果たしてそれが本当にハッピーエンドだったのか、最後まで釈然としないまま。お互いが一番伝えたかった「好き」以外は全て伝えられたのかもしれないけど、言葉にしなくても伝わっていたけれど、後悔しない「好き」を伝えられていたら、もっと劇的に燐ちゃんの残りの人生が変わったかもしれない。そう思うと、ちょっと残念。
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オーディオブックにて。
好きな女の子への後悔でタイムリープするお話でした。切なくて、でも爽やかで前向きでとても良かったです。
涙腺弱いので、夏ってだけで切なくて泣きそうになりつつ…でも高校生の短い夏というか青春がキラキラ輝いていて素敵でした。
タイトルの通りの結果になると分かっていても、こんな風に一生の宝物になるような青春を送ってみたかったなって思ってしまいました。
大人になって思いますが( 違う方もいると思います )、悔しかったこと、泣いたこと、嬉しいこと、全部がとってもキラキラしていて眩しいんですよね。
友達、好きな人たちと真剣になにかに打ち込む姿がとてもいいなって素直に思います。
最後は甘くないカフェラテのような気持ちになりました。