紙の本
やさしく切なく温かいおとぎ話
2018/10/30 09:06
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
おとぎ話であり、児童文学のようなやわらかさがありながら、子ども向けではない…
そんなイメージを持ちました。
少しずつ少しずつ見えるものが減っていき、少女の純粋さが奪われていく様子は切なさを感じます。
何より「魔物(と言っていいのか)」とのやりとりは、とくに切なさを感じました。
ページ数がもっとあったら…と思わされるのは、それだけこの物語が素晴らしくて、もっと読んでいたい、もっと少女と魔法使いのやり取りを見ていたい、と感じたからに他なりません。
今の自分が「キレイなものしか見えない瞳」を手にしたとき、その眼には何が映るのかな…
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綺麗なものってなんだろうね。
醜いものがあるからこそ、綺麗なものがあるんだろうね。
少し予想がついてしまったけれど、それでも終盤はあまりの優しさと美しさにじんわりと暖かな気持ちになった。
魔法使い。本当にそうなのかもしれない。
ヒカリのお母さんの出会いも読んで見たいなぁ。
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これまでに刊行された友井羊氏のミステリ作品を大変気に入っていたので、まさかファンタジーで来るとはと驚き(買う前に何度も著者名を確認してしまったほど)。実は私、最近ファンタジーや寓意的な話が苦手でして、楽しめるかどうか不安でした。
結果から言えば、本作は比較的興味深く、また楽しく(ときに切ない気分にはなりますが)読み終えることができました。
美しいものしか見えないヒカリを前に、彼女の瞳に映らなくて自分たちの外見的な醜さを露呈することを恐れる周囲の人たち。ヒトの外見はそのような人間の醜い部分を象徴しているのかな?
ヒカリが再び視力を失ってしまったのは、玲一郎の本性を知って人間どころか世界に不信感(外見が美しいものでも、その実は醜いものではないかという疑心)を抱いてしまったから?
ストーリー自体も楽しめるのですが、上記のような作中の要素が何かを象徴しているような気がして、それをいろいろ推定するのも楽しく思いました(実はそんな意味ないのかもしれませんが……)。
話として印象的だったのはヒカリがずっと目にしたかった雪の花を見る場面で、その描写はたった三行。それに続くヒトの外見や彼とのやりとりはその何倍も多く、密度も段違い。ヒカリがどれほどヒトのことを想っているかが伝わってくるようでした。
その場面は、あるいはそれまで見たいものだけを見てきたヒカリが、そうでないものも溢れている世界を受け入れていくという、ある種人としての「成長」を意味しているのでしょうか。
また、最も美しいものが透明の花というのも意味深。透明な花びらの向こう側には何かしら世界の一部が映っているわけで、そこに何が映っていようが美しいものである、とも受け取れるわけで。
正直、作中の要素全てを理解できている自信はないし、解釈が正しいのか不安だったりしますが、良い作品だなぁという印象は残っています。
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綺麗なものしか見えない少女。しかも最初は見えても新鮮味がなくなったら見えなくなるって、お伽噺の悪い魔女にでもかけられそうな呪い。実際は良かれと思ってかけられた魔法。綺麗なものって何だろう?というお話だった。
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魔法使いが願うこととは……。
綺麗なものとは……。
醜いものとは……。
お伽話のような、童話のような、心が綺麗になる物語。
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綺麗な物の定義とは一体何なのかを考えさせられる一冊。
見たくないものがあるからこそ、綺麗だと感じられる事がある。
綺麗な物とは見た目の問題ではない。
心揺さぶるもの、自分が大切だと思うものこそが綺麗なものなのかな。
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この方の本は今までに何冊か読んだことがあったんだけれど、そのどれとも違ってファンタジックで不思議な話だった。主人公の目が見えないというのはそれだけで読み手も惑わされる。服部まゆみさんの本を読んだ時と同じような手探りの感覚でした。でも、どちらかと言うとスープ屋とかの方が好きかな。
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How about cool & beauty? popular woman always chais the altimet beautiful.
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シンプルなストーリーで良かったです。
もっと思いっきり童話よりなら更に好みだったかも。
読後、色んな想像が拡がりますね。
友井作品大好きですが、このようなファンタジーっぽい作品やシンプルな作品にも期待したいです。