紙の本
生きること
2019/02/28 23:35
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投稿者:千那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私も大学のころ、死に惹かれたことがあった。ゆえに、この作品には少し共感しやす
かったような気がする。死を描くことで、生きることについて考えさせる。この著者
はそれが上手い。
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『指の骨』が良かったので。
これは、苦しい。
精神が追い詰められる。
エグイくらい、読み手を抉ってくる。
読後しばらく、鬱々として気持ちが抜けない。
でも、新作が出たらまた読むかも知れない。
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初めましての作家さん。今期の芥川賞を受賞されたのですね。
面白かったです。という表現は適切ではないかもしれませんが、惹き付けられて読みました。
レム、そして「朝の会」に集いながら、自死を選ぶ人たち。死に魅入られることは、特別な事ではなく、ふとしたきっかけで誰にも訪れる気がします。
わたしも、だいぶ改善されましたが不眠症なので、吉村の不眠の描写に、わかる…となりました。
なかなか重たい物語でしたが、他の作品も読みたいです。
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座間の事件を受けてラジオで紹介されていたので読んでみた。つらかった。ここに出てくる人々は死に取りつかれるだけの明確な理由を持っているが、他人には理解できない自死への道を進む人もいるだろう。こういう人々は今も現実に確かに存在するだろう。ことばにすること表現することは、本当に生きる力を回復できる助けになるのだろうか。読んでいてもよくわからなかった。指にタコができるほど吐くなんて、自分の血液が吹き出すのを見ているなんて。自傷する若者の苦しさが伝わってきてつらく悲しかった。著者は「スイミングスクール」のひと。
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日曜日は教会へ行くものと思っていたが、そういう人々の話ではなかった。死と生に関心を持っている人には興味の湧く本。読むとしたら、心が元気な時に読んだ方が良い。
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心が弱っているときに読んだら、もっていかれてしまうかもしれない。と不安になった。
流し読みをしていたせいか、もっていかれずにすんだ。
私はまだ大丈夫ということかしら?
この本を読んで、自分確認をするのもよいかもしれない。
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指の骨にも言えるけれど、この作者はどうしてこんなに緻密に物事を描写できるんだろう?普通、書き手と登場人物の間には少なからず距離があるものだと思うけれど、まるで本人が体験したことを綴ってるような。とんでもなくリアル。読んでる途中、何度もこれはフィクションなんだって確認しなければ、この世界に引きずられてしまう危うさ。
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初めての作家さん、というか出身大学の先輩なので、名前だけは知っていた。
自傷や摂食障害、うつなどを抱えた人たちが集まって、自分の気持ちを語る「朝の会」。みんな心のうちに抱えているものがあって、それを吐き出したくても吐き出せなくて、異常と言われるような行動をしてしまう。言葉に出す勇気を、気力を出すのはとてもエネルギーが要る。どうやっても言葉にできない気持ちだってある。拒食や過食を言葉だという先生の話は少し共感する。
吉村が亡くなってから、航は一変する。生き残っても彼は元には戻れない。これからどう生きていくのか。奈々を、吉村を背後に背負いながら生きていくのか、そこに彼女もいつしか加わってしまうのか……。後味あまり良くない。
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高橋さんは上っ面だけの文章が多い。他で見かけた良さげな文章の引用みたいな、中身のない文章。そういうのをやめたらもっと良さが出るのに、と思う。無理して文学っぽくしなくていいと思う。
本の内容は精神疾患の自殺者の話。関わったゆえに健康な人がどんどん壊れて自殺にまで行ってしまうという話。私は20年以上摂食障害だし、自分を傷つける行動も自殺未遂も経験があるので、内容はよく書けていると思う。
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傷を抱えて生きるとはこういうことか
欠落を抱えて生きるとはこういうことか
言葉になる前の言葉で溢れたこの小説は、読むものの心を切り裂く
でもたぶん、この作品の登場人はたちは誰よりも生に真剣なんだ
誰よりも生きてるんだ
高橋弘希先生の作品だと、送り火の方が作品としてのクオリティは断然高いと思う。でも僕はこっちの方が断然好きだ。多分こういうものが読みたくて、僕は小説を読む
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重いテーマだが暗くなりすぎず、しっかりとした描写はあらためて筆力の高さを感じさせる。リアリティ溢れる表現は緻密な取材の賜物なのか。
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死にたいときに読むと引っ張られて危険、というレビューが散見されたけど、惹かれるというより、描写があんまりリアルなので手記のようだった 著者一度死んだことあるのかとさえ、ドキュメンタリーっぽさがあった。
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「死ぬのは怖いだろう?」
中高年の方がはっきりした理由で死ぬらしい
一方で若い人が自死に至る理由ははっきりしないことが多いとのこと
種の生存のために「死ぬのが怖い」という感情が脳に組み込まれているのかもしれない
だから死ぬ理由がはっきりしてないっていうのは嘘で、脳がその理由を隠蔽してるだけなのかも
明確な死の理由はただのきっかけにすぎないんじゃないか
死にたくない人も死にたい人も「死ぬのは怖い」という認識は共通しているから死ぬ瞬間に生きたいと思う
「死ぬのが怖い」っていう言葉自体がおかしい
もう自分がいない世界の何を怖がるのか
死後に届くような手紙を書く行為もそうだけど、結局死にたい人も実際に自分が死ぬことなんて信じられてないんだから死にたい人を自分から遠くの世界におくのは多分間違ってる
つまりみんなギリギリのところで生きているということ
それに気づくか気づかないかで相手に対しても自分に対しての見方も変わってくる
ちょっと重かったけど読んでよかった
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精神疾患に悩む人たちがお互いに表現し合う場所。亡くなった従姉が生前通っていたそこへ潜入した男子大学生のお話。
心の傷を癒すのは本当に大変なことだと思う。人に傷つけられても、文明人である私たちは一人では生きていけない。関わりたくない人を全て避けることができる環境で暮らせたら、どんなにいいだろう。海外では同じ病気に苦しむ人たちが集まってそれぞれ発表をする会を映画のシーンで見たりするけど、それって助けになるのかな。何も知らない他人の方が打ち明けやすい場合もあるけど。他の人を信頼できるってすごいことだ。人に傷つけられても、心の交流を通して、より心は回復していくのだろう。
ところどころグロテスクな描写があり苦手なのだけど、登場人物たちの背景が徐々に明らかになっていく様子に、全てを知るまで読みやめられなかった。