紙の本
舞踏・俳優として知られる麿赤兒氏の波瀾万丈の半生記です!
2020/08/13 09:45
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和期に舞踏で大活躍され、また映画やドラマにも出演された麿赤兒氏の作品です。同書では、その麿赤兒氏が、土方巽氏、唐十郎氏と過ごした若き日々、舞踏集団「大駱駝艦」の立ち上げ、数々の映画、ドラマへの出演の裏話など、アングラの熱気溢れる60年代から現在までを綴った波瀾万丈の半生記です。巻末には、大森立嗣氏(映画監督)、大森南朋氏(俳優)との父子鼎談が付されています。これもなかなか面白いです。同書の内容構成は、「その1 ここは新宿番外地」、「その2 芝居者青春舞遊伝」、「その3 ヴィットリオ・デ・シーカに捧げる 奇妙な自転車泥棒」、「その4 武士は死せず、ただ消え去るのみ テロリストM氏虚実会見記」、「その5 王道外道北海道、金粉舞い散る集金旅行」、「その6 手形乱発社長の末路 豊玉伽藍落城記」、「その7 須臾の四半世紀<をどり>続けています」となっています。
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カバーの写真は怖いよな。白塗りの写真も異様だなあ。けれど、親子鼎談など読んでみると結構茶目っ気があったりするんだなあ。私は、学生のころ白虎社の舞台を観たのをきっかけに、しばらく暗黒舞踏にかかわっていた。白虎社の熊野合宿に参加し、池袋のテント舞台の裏方をし、国立で田村哲郎ワークショップに参加し、舞台にも2度立たせていただいた。哲郎さんがなくなる1年ほど前のことだった。今回、麿さんの自伝が文庫になったのでさっそく読んでみた。唐十郎・土方巽の2人とどういうふうに出会ったのかということが分かった。自転車泥棒の話とか、取り立てとか借金の話とか、みなおもしろく読ませていただいた。(Kとはもちろん木村氏のことか?)だが、本当は一番知りたかったのは大駱駝艦立ち上げから、どんどん独立するものが現れていったあたりのことだった。私の舞踏との出会いは、たぶん1985年、有楽町マリオンだったと思う。春休みだったかで実家へ帰省する途中、大垣行き夜行鈍行に乗るまでの時間、当日券並んで買って観た白虎社の舞台だった。まあ、二十歳の私にはカルチャーショックだったなあ。その後、芝居も観るようになり、ずいぶん経って浅草だったかで状況劇場を見る機会もあった。丸山公園でも観たかな。玉野黄一の舞台には度肝を抜かれたよなあ。まあ、私の青春の数ページではある。そういえば、学生寮の祭りで、後輩たちをたぶらかして、白塗りをして踊ったこともあった。頭も眉毛もそり落として。若気の至り。
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舞踏家にして俳優、映画監督と俳優兼ミュージシャンの息子を持つ著者がアングラ演劇シーンに飛び込んだ60年代後半から現在までを語る自伝。昭和後期の文化人が次々登場する豪華さと、その当時の猥雑な新宿が思い浮かぶような軽妙な書き方がいい。これらのエピソード以外にも、もっとぶっ飛んでてヤバい話はいっぱいありそうだなあ。年明け読書にこれ選んでよかった。ありがとうさわやさん(笑)
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舞踏集団「大駱駝艦」を率いその芸術表現を高く評価される世界的舞踏家・麿赤兒。70年代のアングラ時代から現在まで波瀾万丈の半生を綴った熱気溢れる自伝。
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俳優であり舞踏家である「麿赤児」の自叙伝!
見た目は気難しく破天荒で気が荒そう。でも本を読んで、一見怖いけど、根は優しく真面目で文化人なんだなって感じました。付録の息子達との対談もいい感じでよかったです。
しかし40年間以上続くなんて、根が曖昧だったら絶対にできない、芯が通っているからこそできること、本当に凄いと思います。