紙の本
文豪・夏目漱石氏による表題作ほか、「倫敦消息」、「京につける夕」、「自転車日記」の計6篇を収録した作品集です!
2021/02/04 10:00
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、明治期に活躍された小説家であり、評論家であり、英文学者、俳人という肩書も持たれていた文豪・夏目漱石の作品です。同氏には、代表作として『吾輩は猫である』、『坊っちゃん』、『三四郎』、『それから』、『こころ』、『明暗』などが有名ですが、同書もなかなか興味深い内容です。同書には、夢に現れた不思議な出来事を綴る「夢十夜」や鈴木三重吉に飼うことを勧められる「文鳥」などをはじめ、留学中のロンドンから正岡子規に宛てた「倫敦消息」や「京につける夕」、「自転車日記」など計6編を収録した書となっています。
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏目漱石の「夢十夜」、昔読んだときには私は面白さがあまりわからなかったのですが、
これをきっかけに夢日記をつけるようになりました。
夢十夜よりも面白いと自分で思う夢もあれば、
とりとめもない夢もあったり。
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すごく好き。「こんな夢を見た」の書き出しから全てが始まる、夢十夜の現実離れした感じが心地良いです。特に第一夜は、情景を想像しながら読むと美しくて泣きそうになります。
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夢十夜が読みたかったので買った記憶。最近最初に入ってる「京に着ける夕」を読んだんですが『京都=ぜんざい』の図式がよくわからぬ。そしてやたら寒がっている。憧れの柊家に泊まっててうらやましい…(目線がおかしい)
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夢十夜が読みたくて読みました。難しいねぇ…第一夜と第三夜と第十夜が好きかな。倫敦消息もいいね!こんな手紙もらってみたいものだ。留学中の話はどれも面白いなぁ。
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初期の漱石の、ちょっと幻想のかほりのする作品を集めた短編集。夢十夜だけじゃなくて文鳥も永日小品も面白いよ。と書きつつ、今回はまだ読んだことのなかった「京に着ける夕」と「倫敦消息」と「自転車日記」だけを読みました。あと誕生日に夢十夜。
「京に着ける夕」は、特にこれといった事件もない淡々としたエッセイでしたが、いかに漱石が子規のことを大事に想っていたかというのが非常によくわかる小品だなあという印象。かつて京を共に旅した時のことを頻繁に回想して、寂しくて冷たい京で、ひっそりと、もうこの世にはいない友人を想う。漱石の孤独感が伝わってきたわー。うん、そして漱石は子規のこと好き過ぎw
「倫敦消息」は前々から読みたかったのでした。これは小説じゃなくて子規にあてた手紙なのでエッセイに近いのですがただの手紙でも面白く読めちゃうところに漱石のすごさを感じる。日本人であることの劣等感や下宿先の人や下女のことや、何でもない手紙の文章がことごとく面白い、笑い的な意味で。漱石の文章なのに笑っちゃうのは久々。やっぱり初期はいいね。
「自転車日記」は一転して文語調。まったく読んだことが無かったので、「自転車くらいすぐ乗れるじゃん」とか思っていたら。。。漱石転び過ぎ! 自転車ってのはなかなか難しい乗り物なんだなあ…フツーに今は乗ってるけど、漱石みたいに苦労していた頃も、かつては、ずっとずっと昔にあったのか…。神経衰弱だったし、漱石には、この自転車はなんだかんだで踏んだり蹴ったりだったのでは、と思わざるを得ない。人生の皮肉さを感じますな、何か。それにしても転び過ぎ下手杉w 文語調なのが余計可笑しさを添えてくれるわ。
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大学の教授が「最近は夏目漱石や森鴎外も『古典』扱いで、若い人はどうも取っつきにくいと感じているようだが、そんなことは無い。日本語表現の勉強にもなるから是非読んで欲しい」と講義で仰られていたので、意識してこれら「古典」作品も読むように心がけてます。
実は私は夏目漱石の作品をこれまで一度も読んだことがありませんでした。
いくらなんでも『吾輩は猫である』『こころ』くらいは読んだことがあるだろ?と言われそうですが…本当なんです。
あ、でも『吾輩は猫である』は中学の時にチラッと読んだことがあるようなないような…。
でも全然ストーリーを憶えてないので読んでないのと同義ですね。(苦笑)
というわけでこの作品が私にとって初めての漱石作品なのですが…こんな幻想的なお話を書く人だったんだなーと驚き。
特に『夢十夜』は…深いですね。いくらでも考察できそう。
個人的に自転車好きとしては『自転車日記』も読んでて楽しかったです。
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・10/8 読み始め.物語ともエッセイとも取れそうな感じ
・10/10 夏目漱石のショートショートだ
・10/15 夜ホテルで読み終えた.エッセイというよりは随筆だな
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これを学生時代に読んだのがきっかけで文鳥を飼い始めました。
はじめて読んだ時は、「文鳥かわいすぎだろ」と思ったくらいだったけど、文鳥を飼い始めてから読み直したら、まったく人ごとじゃない
短い作品ですから、すぐに読めます。
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「夢十夜」
第一夜
「百年、私の墓の側に坐って待っていてください。きっと逢いに来ますから」
夢ってなんだか不気味だ。私はろくな夢を見ない。
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「夢十夜」を改めて読み返したくなったので購入したが、
冒頭の短いエッセイ「京に着ける夕」の、
格調高い語り口と内容のギャップにお茶噴いた(笑)
いや、大文豪の手に掛かれば、
こんなちょっとしたエピソードも立派な作品になるということか。
「夢十夜」については、脳の働きと夢について研究している学者曰く、
いくつかの根拠によって、まったくの作り話ではなく、
漱石が実際に見た夢を述懐していると思われる……とかなんとか、
高校生のときに読んだ科学系の本に、
そんな風に書いてあったと記憶しているけれど、よく思い出せない(泣)
が、何にしても、夢の持つ不条理感に充ち満ちていて、すこぶる面白い。
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授業でこゝろ読んだくらいしか漱石知らないので
今更夢十夜を読んでみたくなり
漱石さんのイメージがたいぶ変わりました……
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書かれた時代がバラバラで、順番も意図があるかは分からないが、夢十夜を除いてエッセイ集のような感じだった。夢十夜はたまらん
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国書刊行会の『日本幻想文学集成』8巻収録の『永日小品』を全部読みたくて購入。岩波文庫版が家の何処かにあるような気がしてならないが、角川文庫の漱石は持っていなかった筈だし、限定カバーだからまぁいいか……。
しかしつい『夢十夜』の方をじっくり読んでしまう。一番好きな作品というのはやっぱり強いかった。『永日小品』も好きだけれど。
今時珍しい本文級数でちょっと驚いたが、奥付を見ると改版が昭和45年だった。そら小さいわw
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装丁に惹かれこちらの角川文庫を選択
(このシリーズの装丁好きだなぁ…)
注!)ネタバレ有り
【京に着ける夕】
正岡子規と本当に仲が良かったのだなぁ
漱石は本当に子規のことが好きだったのだろう
至る場所で子規のことに触れて、子規と行った時の京を偲んでいる
子規のいない京で尋常ではない寒さを表現しており、悲しみの痛みがじんじん伝わる
切ないのだが、ちょっと羨ましいくらいの友情だ…
【文鳥】
漱石の教え子である三重吉に
文鳥をお飼いなさい
と勧められ、その気にさせられ、相当待たされてとうとう買わされる(飼わされる)
文鳥のはかなげで小さく壊れもののような描写が良い
…まぶたの周りに細いと淡紅色の絹糸を縫い付けたような筋が入っている…
細長い薄紅の端に真珠を削ったような爪がついて…
文鳥の軽い様子を…淡雪の精のよう…
想い叶わなかった他へ嫁に行った女性を文鳥にダブらせている
「いったん行けばむやみに出られるものじゃない
世の中には満足しながら不幸に陥ってゆく者がたくさんある」
籠の中で満足そうにくらす文鳥をみて想いを馳せているのだろう
途中から嫌な予感をさせる描写が続く
朝起きるのを怠け出す
家のものが文鳥の世話をしてくれたから…と、責任が軽くなったような心持ちがする
餌壺が粟の殻だけになる
籠が糞でいっぱいになる
あ~あ
そりゃあこうなったらどうなるか子供でもわかる
当然の結果であるのに、最後は家の小女にやつあたり!
鳥好き、動物好きからすると
怒りが勝ってしまってどうも宜しくない
最後まで懐かなかった文鳥
硬く冷たくなったから初めて掌に乗せることができた
皮肉なものである
(鳥好きとしては可愛がっていたインコが死んでしまった時の感覚がフラッシュバックして嫌な場面である)
立派な籠は台が漆で塗ってあった
日向へ曝しておくと黒みが取れて朱の色が出てくると三重吉が言っていた通り、
漆はいつの間にか黒みが脱けて、朱の色が出てきた
この対比もなんだか腹立たしい
描写はさすがなんだが、なんせと怒り奮闘で終わってしまった…
【夢十夜】
第一夜から第十夜で成る
これ好きな人多いだろうなぁ
夢と現実があいまい
時間の流れは不思議
ぞわっと怖いものや女子受けしそうなロマンティックなものまで…
「第三夜」を読んで…
子供の頃見た夢を思い出した
幼稚園か小学生だ
同級生を男の子をおんぶして歩いている
男の子は自分からは見えないのに何か不穏なものを感じる
おろして逃げたいのにおろせない
もう耐えられない!と思って男の子を見ると…
ひ、一つ目になっている
怖いのにどうしてもどうしても下ろせないのだ
あれから何十年経っても忘れられない
きっと誰しも忘れられない不思議な夢や怖い夢や不可解なことがあるのだろうな
そんな共感
【永日小品】
エッセイと短編かな?
ノンフィクションとフィクションのはざまな感じ
悪くない
脳味噌使いまくった日でも、精神状態が高ぶっていても、疲れて寝っ転がった状態でも、
半分寝落ち状態でも…
ゆる〜く楽しめる
くすりと口元が緩む
ほぉ~と思いをめぐらる
悪くない
【倫敦消息】
留学中のロンドンから正岡子規に宛てた書簡
ロンドンでの留学生活は相当居心地悪そうである
人種差別も確かに今よりひどそうだ
それでも病気の子規に対して、若干不幸を盛ってブラックユーモアにしたサービス精神、思いやり精神すら感じる
悪くない(笑)
【自転車日記】
これまたロンドン留学中、引きこもりがちになった(神経衰弱に陥っていた)漱石が下宿の婆さんから気晴らししろと勧められ異国の地で乗れない自転車に乗る練習をする
いい大人が異国の地で…
中古自転車を引っ張り出して、帰国の際面倒をみることになる大塚氏にレクチャーを受ける
もちろんちっとも上達せず悪戦苦闘
英国人にじろじろ見られたり、笑われたり、巡査に注意されたり、もちろん自転車から落っこちたりとまぁ滑稽である
テンポの良いどたばたコメディみたいな自転車日記だ
(クィーンの「Bicycle Race」がぐるぐるまわり出して止まらない♪)
特に本人も楽しいわけではないだろうが、この無様さをボヤきながら自虐的にブラックユーモアで軽快に展開していく
トホホながら笑ってしまった
全般的に
力を抜いてゆるーく隙間時間に楽しめる内容
うん「悪くない」
この一言に尽きる
正岡子規の影を作品のあちこちで感じる
二人のキャラの違いもとても感じさせられた
【備忘録】色
淡紅色トキイロ
蒼い
唐紅カラクレナイ
蘇枋スオウの色…黒みを帯びた赤色