ずっとそばに置いておきたい本
2018/10/07 18:02
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投稿者:みしゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読んでしまいました。
よしもとばななさんは、あとがきで「ゆるくだらっと読んでほしい。教訓なんてなくていい。」とおっしゃっていますが、私には教訓だらけでした。
登場人物の言葉に勇気づけられたり、教えてもらったり…
これからもちょっと心が疲れているなと思った時には、この本を開いて さやかさんやみちるちゃんに会いに行きます。
包み込まれるようなやさしさと生きていく強さ
2017/11/04 23:57
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投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
スピリチュアルな特殊な能力を持つ主人公が、自分の運命やさがを受け入れながら、生きていく物語。
夢の話や、死者のことなどと、現実が交錯するなど、全体を通して、人の<無意識>に、語りかけてくるようだ。
スピリチュアルな力を意識している主人公であっても、そのような目に見えないものの不思議な力を、盲目的に全面的に信用しているのではなく、日々、迷いながら、現実に確かめながら、心に問いかけながら、前へ向く術を探して、人生を歩いている。そんな主人公は、どんなときも、とても芯があるように見える。それは、物事の本質を見ようとしているからだろうし、出来事や感情に、きちんと向き合ったからだと思う。
登場人物の一人が、バリで、許された存在であることを感じたことに、共鳴するような気持ちにもなった。また、自然の獰猛さ、厳しさ、強さや弱さなどが、すぐそばにあることも、どこか思い出すように、理解できた。また、主人公が、静かな希望を持って物語が終わるので、静かな明るさが、心に残った。
大きな何かに包み込まれるようなやさしさと、現実を生きる強さをもらえる作品だと思った。
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昔大恋愛をした相手との辛い過去や、結婚相手の病死など、悲しみを抱えつつ、親切な義理の両親や、昔生活していたバリの人々、愛娘のあたたかさに救われる、さやかの物語。
温かく穏やかな話だったが、後半はやや失速気味な印象...。
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やっぱり吉本ばななさんの作品好きだなと実感。
優しさに溢れている気がするし、許されてる気がする。
スピリチュアルな話は行きすぎてしまうと、別世界の話になってしまうのでほどほどな感じが良いのだけど、今回は良かった。
バリという場所もうまく作用した感じ。
ただ後半、同じことを言葉をかえなんども訴えられてる気がして斜め読み。
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よしもとばななならではの、不思議な、でもほんわかするストーリー。
夫を亡くしながらも、義父母とほどよい距離感でいい関係を保ち、不思議な縁で元カレと再会。色々な出来事を乗り越え、ちょっと明るい未来が待っていそうなストーリー展開に、少し元気をもらえた感じ。
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おいおーいという設定もありましたが、
面白かったし、優しい気持ちになりました。
吉本先生、狙いどおりでしたよーー。
そう思えたのは、ばあばとみちるちゃんのおかげかな。
主人公とその周辺だけだったら、こうはいかなかったかも。
ばあばのような年の取り方、生き方をしたいわぁ。
いろいろなことを寛容に受け止めて、
でも、一本筋が通っているカンジ。
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60冊
よしもとばななさんの文章には、やさしさが詰まってると感じる。
キッチンもそうだけど、大切な誰かを失ってしまったひとが、まわりにいるやさしい人たちとつながることで、また力強く生きていく。
そういうさまを描いている。
人間て意外とつよいな、と思える。
キッチンを読んでめちゃくちゃ泣いたのを思い出した。少し長いかな、と思ったけど、この幸せな文章を少しでも長く、感じられてよかったなあ、と思った。毎日少しずつ、少しでも読むのにほんとにちょうどいいお話だったと思う。
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自分がああだこうだと思うことなんてたいしたことない。喪失と生死と、それを包み込むもっと大きな力。優しい言葉で時間と思いが紡がれていて、それでいて力強い小説。
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バリに来てみると、日本で考えていたいろんなことがみんなどうでもよく思えてくる。小さくて、取るに足りないことに。そのくらい、まるで川がごうごうと流れるみたいななにか大きなものがこの島では流れている。
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まさに。バリでも読もう。
#よしもとばなな #サーカスナイト #大切な1冊
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買ってからしばらく読めていなかったのですが
いま読み終えて、土曜日にあったあれこれがリセットされた感じがします。
いま読めてよかったです。
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土地の描き方は本当にさすがだと思う。バリの風景やむんむんとした空気が漂ってくる感じだった。でもちょっと間延びしてる?途中からなんだかページをめくるスピードが落ちてしまった。
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思わず人に勧めたくなるような、激しい面白さではなく、静かに心に寄り添い、癒されながら、自分を省みながら最後まで読みきってしまうようなお話でした。
あくまで主人公の主観で進んでいくのに、理解の範疇を越えた人生なのに、すっと馴染んでくる、自分にもわかるところがある、不思議な感覚。
子どもに対する愛がこれほど伝わる文章はないな、と思いました。
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後になってわかることはたくさんあるし、いまそのときだということもあれば時期尚早ということもある。
いろいろある。
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帯にある「あるものをないことにするのがいちばんいけないのだ」というのは真理だ。
血を巡る神社での殺傷事件が取り扱われていて、フィクションとノンフィクションはどこまでも紙一重だ。
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ちょっとした幸せを噛みしめながら、ときに親や恋人、世話になった人々の愛情を反芻しながら、日々を過ごしていく主人公さやか。そんな生活のなか、さやかは不思議な巡り合わせで悲しくもある物語と引き合うことになる。やがてその物語は、彼女と彼女を守ってきた愛情によって、輪郭をともない、生きる人へとつながっていく。
①現代社会に平和、憩いとして描かれるものに注目
多くの愛情を受けたことが幸せを呼び、その幸せがまた愛情を呼ぶという循環によって延々と続いていく優しい世界。そんな世界が描かれることは、その世界が現代と近くて遠い状況にあることを意識させる。
②生き方を分ける境界
主人公さやかは最後まで幸せな側として描かれるが、絶対的なこととして幸せであるわけではない。作中の印象的なセリフ「それでもね、なにか、ひとつ薄い膜だけれど、幕のようなものがあって、私はなかなかあそこに世話になる状況にはなりにくいと……」
ここでのキーワードが古井由吉の『杳子』を連想させる。健康と病気の間の「薄い膜」に留まることで生を実感する杳子。膜に守られて自分があるとするさやか。いずれの場合も、「薄い膜」を意識した瞬間に顕在する、生き方への思いというものがある。
③著者から読者への愛情
幸せで憩いのある小説として描かれた小説であるが、読み手は「薄い膜」の向こう側からの視点をイメージしてこの小説をみつめることもできる。しかしそんなことは著者も想定しているだろう。むしろ誰であってもこの小説から、幸せに生きるためのエネルギー、愛情を注ぐことへの信頼を享受しても良い。そんなメッセージが感じられる。
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久し振りのばななさん。
ばななさんはわたしにとって 優しさに触れたい時のお守りのような位置づけ。
言葉と言葉を優しさでつないでいるかのようなばななさんの文章は、心にはすっとしみ沁み渡る。
生々しい処があっても圧倒的なもので優しく包んでいてくれるから何処にも不安はない。
類稀な存在である。