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独特の空気感は味わえるが、シリーズの他作品に比べ、平坦な展開。ただそれはそれで好みが分かれるところ。メディカル系と思いきや、読み終わると恋愛小説だったのかも、とも思う。低いモーター音が聞こえる閉ざされた空間で、ずっと愛する人を見守り続ける少し変わった愛の形。
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海堂尊さんの作品はリンクしていてファンはついニヤついてしまいそうですね。
今回の作品にも見覚えのある人物がチラホラ出てきます。
「コールドスリープ」である期間凍眠しながら治療のための特効薬が出来るのを待つ少年と、それを見守る女性の無償の愛が最初から最後まで変わらず描かれています。
それから、知的で賢い人がたくさんいて、でもどこか不器用で愛すべき人たちでした。
医療の話と政治の話は少し難しいところもありますが、人の気持ち、感情を大切に扱った作品でした。
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今の時代はもういいので熊などの様に冬眠し5千年先の時代を見てみたい!猿、ロボットに支配されているかわからないが‼
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バチスタの方をあまり読んでいないので、登場人物がある程度しか分からなかった。
美しい終わり方だけども、この本を買う層がそういう展開を望んでいたかは謎だなーと思いました。私は結構好きですが。
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海棠作品の中では、いまひとつかな感じです。ストーリー展開に以外性がなく間延びした感じが否めない。次回作に期待します。
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近い将来こんな技術が本当にできるかも知れないと思ったら医療、医学の概念が変わる。
単なる思いつきだけで勝負しているのではなく医学的な背景や事象も盛り込みながら話を展開する能力が長けているのでリアリティーがある。
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続きが気になってどんどん読める。
後半一気に読んでしまったので、分かりにくい部分もあった。後でまた読み返してみようと思う。
西野のキャラが憎めない。
田口先生や佐藤先生など、他の作品のキャラがたくさん出てきてテンション上がった。
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コールドスリープにより眠りについた少年(モルフェウス=佐々木アツシ)をめぐるお話。彼を見守り続けた日比野涼子の過去も気になるところ。
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海堂尊氏の医療小説。
チームバチスタ以来脈々と続く、大好きな小説の一つ。
懐かしい人物も登場するので毎回振り返れるのも好きなところです。
著者は医療に対して、いろいろな視点から提言をされているのだが今回はまたまた新しい着眼点。
ネタバレになるといけないですが、数年間冷凍睡眠し、再び社会復帰するというSFチックな話ではありますが、近い将来このようなことも実現するんだろうな。
登場人物のキャラ立ちっぷりは相変わらずですが、それぞれの人物描画も素敵です。
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久々の海堂作品は、やっぱり面白かった。
今回は、「医療」というよりは、むしろ倫理的な一面、法律の矛盾との真っ向勝負とか、そんな印象。
この小説の鍵となっている、涼子とモルフェウスの最大の敵であり、壁である「凍眠八則」を論じた本人の、ステルスシンイチロウ、曽根崎教授の一文。
「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」
を核として進むこの物語は、終始涼子のモルフェウスへの無償の愛が包み込み、女性の母性の強さを感じる。
ひとりの女性として、感じるものがあったようにも思うし、共感するところもあった。
なによりも、予想がつくけどつかない展開に緩やかだけど穏やかじゃないスリルを感じて、気が抜けない、海堂ワールドがこの作品にもあって、とても楽しめた。
全ての作品が繋がっているから、登場人物に馴染みがあったりして、楽しいような疲れるような。
でもやっぱり惹かれてしまう海堂ワールド。
続編「アクアマリンの神殿」も、他の作品も楽しみだ。
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愛情と自己犠牲についてちょっぴり考えた一冊でした。自分を犠牲にして愛する人を守る。それは、悲しくも美しい物語として描かれることが多いかもしれない。でもなぜだろう。感動するけど、違和感も心に残る。
このところ、海堂作品を立て続けに読んでいるけど、これもまた本当に面白かったです〜
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「あのさ葉月、診療時間中は勝手に入ってこないでくれる?」
女は煙草の煙を吐き出しながら言った。葉月は構わず部屋に入り、後ろ手にドアを閉めた。窓も換気扇もない部屋に、煙が籠もっていた。空気が白い。
「どうせお暇なんでしょう、紅子先生。診療時間だというなら、診察室においでになってはいかがです」
電子カルテを導入して数年、紙のカルテは法律で定められた保管期間も過ぎて、カルテ庫は小さな空き部屋になっていた。そこを、紅子は責任者権限で喫煙室に使っている。
「で、何の用?」
「お借りしていた本を、返しに来ました」
鞄から取りだし、紅子の方に差し出す。
「ああ、これか。『チームバチスタの栄光』のシリーズを読んでると、結構テンション上がるよね」
「ええ、確かに。田口も、オレンジ新棟の佐藤も如月も出てきますからねえ。ジェネラルルージュも、登場はしませんが話題には上がりますし」
「チュッパチャップスな……」
「そうそう」
二人は頷き合いながら、クスクスと笑った。
「それはともかく」
ひとしきり笑って落ち着いたところで、紅子が言う。
「これは、『新薬が認可されるまで冷凍睡眠で病気の進行を止めておく』という、SF小説にはありそうなコールドスリープを扱った小説なんだけどさ、SFっていうよりは、どこか社会派小説っぽい感じがするでしょ?」
「要するに、コールドスリープという特殊な状況を通じて、今の日本の法律や制度のもとで、人というものがどう扱われているのかを描き出している―――ということですね」
紅子は頷く。
「医学は日々進歩している。新薬だって、どんどん出ている。医療情報技術も進んで、さまざまなデータの蓄積と応用が期待されている。問題は、それらを我々の社会が使いこなせていないこと」
どういうこと、と首を傾げる葉月に、紅子はニヤリと笑ってみせた。
「結局のところ、医療の敵ってのは『健康な他人』なのさ」
紅子は煙を吐き出しながら、そんなことを言った。
「今を変える必要がないと思っている、お幸せな人たち。そういう人たちが、新しいものを拒んで、それを必要とする人たちをどんどん殺している」
そしてわずかに目を逸らし、口許だけで笑ってみせた。
葉月は、何か言おうとした。
けれども、そのときノックが聞こえて、話はそこまでになった。
「患者さんですけど」
受付の事務員だった。
めんどくさ、と呟きながら、紅子は煙草を揉み消し、部屋を出て行った。
「……コールドスリーパーを何年も見守り続けるってのは、何というか、絵的にロマンチックではありますけどね」
そんなことを独りごちながら、葉月も部屋をあとにした。
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近未来。自らの病気を快癒させてくれる新薬が開発されるのを待つため人工凍眠を受けることを選んだ少年を、守ろうとする1人の女性の物語。冒頭、ちょっととっつきが悪かったが、話自体は面白くどんどん読めました。著者の他の作品の登場人物がたくさん出てくることも楽しい。ただ、個人的に主人公に感情移入しきれなかった。ラストの彼女の選択も、衝撃は覚えたものの感動につながらなかったのでちょっと残念。
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海堂尊がSFを書いたようだったのでびっくりなのだが、後書きで、シリーズ内で登場人物設定の年齢/年代が合わないことが発見されたので、みたいな話が書いてあったので納得。とはいえ、それが誰かを隠すことに意味ないでしょう、だって、作中年齢のシフトを起こしているのは一人しかいないし。
コールドスリープと聞くと、どうしても「ああ、ラブストーリーだよね」と思ってしまうのはSF読みの性でしてね。だったら猫も一緒にとか言い出してしまうわけですが、ああ、また馬鹿がなんか言ってるくらいに流してください。
それはそうと、冒頭、「そんな年齢でレティノブラストーマ?」みたいな疑問を呈する場面(しかも、結構ねちっこく)が展開されると、なんとなく、その疑問が解消する中で、彼は病気から救われるような期待をもってしまうじゃないか、と、回収されない伏線にいらだつのだけれど、別の小説で回収されてるのか知らん。そういうことで期待しておきましょう。
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途中わかりにくくてちょっと退屈したけど、読み終わってみたら面白かったなぁと思える作品だった。にしても医療ものはむつかしいね(^^;;