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短編連作のような長編小説だった。中盤にある『出来損ないのヒーロー』という一編が傑作で、鳥肌がたってちょっと嗚咽しそうなくらい素晴らしかった。
ただ、好みを言えば、どの登場人物もシナリオのような色のない人物で、遠くから望遠鏡で見ているようで、もっと個性を感じたかった。人類や文明を描こうとしているので、読者が思いを寄せやすいように、あえてノイズのない人物像にしたのかもしれない。
鳥の星に運ばれた卵はどうなってしまったのだろう。その卵は一体なんだったのだろう。スケールが大きくて、ロマンチックでメランコリックな印象の物語だった。憲法9条についての解釈を思わせるエピソードもあったし、国会答弁の話も面白かった。
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短編集のように見えるが、個々の話が微妙にリンクしてたりと最終的には繋がっていて楽しめた。大筋の話は温かみのあるストーリーだが現代社会問題への批判というか著者の思いが見えてよい話だった。作家ではない面の著者を知っている、というより知りすぎてるせいかもしれないが未来の設定で少し甘いかもと感じた部分もあったが、明るく楽しめて読みやすい文章の中に様々な意図が組み込まれていて凄かったと感じた。
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面白かったです。
SFはそれ程読んでいないのですが、筒井康隆さんの「パプリカ」が初めての長編SF小説で、一気に読み切り余韻に浸ったのを思い出します。
太田光さんの「文明の子」、ユーモア小説かと勘違いして読みはじめましたが、章毎に場面が切り替わり、先が気になってしまいます。睡眠時間が、、、。
終盤の「博士とロボット」の章で、老いた博士の側でそれまでの経験から算出して寄り添う人工ロボットの優しさがとてもいいです。
「マボロシの鳥」も読んでみたいです。